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第1403回
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2022年7月15日(金)公表

日本放送協会第1403回経営委員会議事録
(2022年6月28日開催分)

第1403回 経 営 委 員 会 議 事 録

<会 議 の 名 称>

第1403回経営委員会

 

<会 議 日 時>

2022年6月28日(火)午後1時30分から午後6時00分まで

 

<出 席 者>

〔経 営 委 員〕

  森 下 俊 三 村 田 晃 嗣 明 石 伸 子
    井 伊 雅 子   礒 山 誠 二 大 草   透
    堰 八 義 博    原 一 夫 長谷川 三千子
    不 破   泰   水 尾 衣 里  
  ◎委員長 ○委員長職務代行者(以下、「代行」という。)

 

〔執 行 部〕

  前 田 会 長 正 籬 副会長 林   専務理事
  板 野 専務理事 小 池 専務理事 伊 藤 専務理事
  児 玉 理事・技師長 中 嶋 理 事 熊埜御堂  理事
  山 内 理 事 安 保 理 事 山 名 理 事

 

 

< 場   所 >
○放送センター  22階経営委員会室  21階役員会議室

 

< 議   題 >

 

1 経営委員会体制について

 

2 説明会

 (1) 川口施設(仮称)について

 (2) 技術研究・開発の取り組み状況と今後に向けて

 

3 委員長報告

 

4 議事録確認

 

5 会長報告

 

6 監査委員会報告

 (1) 日本放送協会2021年度業務に関する監査委員会の活動結果(資料)

 

7 議決事項

 (1) 日本放送協会令和3年度業務報告書について(資料)

 

8 監査委員会報告

 (2) 日本放送協会令和3年度業務報告書に添える監査委員会の意見について(資料)

 

9 議決事項

 (2) 令和3年度予算総則の適用について(資料1)(資料2)(資料3)(資料4)

 (3) 日本放送協会令和3年度財務諸表について
(資料1)(資料2)(資料3)(資料4)(資料5)(資料6)

 

10 監査委員会報告

 (3) 日本放送協会令和3年度財務諸表に添える監査委員会の意見について(資料)

 

11 議決事項

 (4) 川口施設(仮称)の基本計画の修正について(資料)

 

12 報告事項

 (1) 令和3年度NHK連結決算について(資料1)(資料2)(資料3)(資料4)

 (2) 2021年度年金基金の状況

 (3) 2021年度関連団体の事業運営状況等について(資料)

 

13 監査委員会報告

 (4) 関連団体事業活動審査委員会等について(資料)

 

14 報告事項

 (4) 2021年度NHKと関連団体との取引の公表について(資料)

 (5) 2021年度末都道府県別推計世帯支払率について(資料)

 (6) 地方放送番組審議会委員の委嘱について(資料1)(資料2)

 

15 インターネット活用業務実施基準の変更に対する意見募集の状況について

 

16 説明会

 (3) 総務省「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会」について

 

 

<議事経過>

 

<経営委員 入室>

 

 森下委員長が経営委員会の開会を宣言。

 

 (森下委員長)
 本日の経営委員会は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、みなさまにはマスクを着用のうえ、出席いただいています。

 

 本日の議題および日程について説明。

 

1 経営委員会体制について

 経営委員会体制について、経営委員で議論を行った。委員長職務代行者は、経営委員会の同意を得て、森下委員長が村田委員を指名した。評価・報酬部会の部会長は、大草委員とすることを確認した。

 

<板野専務理事 入室>

 

 

2 説明会

 (1) 川口施設(仮称)について

 執行部から、川口施設(仮称)について説明を受け、意見交換を行った。

 

<板野専務理事 退室、児玉理事・技師長 入室>

 

 (2) 技術研究・開発の取り組み状況と今後に向けて

 執行部から、技術研究・開発の取り組み状況と今後に向けてについて説明を受け、意見交換を行った。

 

<前田会長、正籬副会長、専務理事、理事 入室>

 

 (森下委員長)
 はじめに、今月20日付で、新たに、大草委員と原委員が経営委員に任命されました。また、明石委員と堰八委員、村田委員が再任されました。任期はいずれも6月20日から3年間です。大草委員と原委員は、経営委員会に初めて出席されますので、ごあいさつをいただきます。

 (大草委員)
 昭和55年に三菱地所に入社し、2008年に部長になる際に経理部長になりまして、それ以来、経理の担当を続けておりました。ほかに、総務、法務コンプライアンス等コーポレート部門の担当をやりまして、部長以前の人事とあわせて経営企画以外のコーポレートはすべて担当したということで、2016年に指名委員会等設置会社に移行する際、初代の常勤監査委員として任命され、以後5年間務めました。去年、定年により退任し、何もしていなかったのですが、このたび縁がありましてNHKのほうでお仕事を頂戴することになりました。新参者ではございますが、誠心誠意頑張りますので何とぞよろしくお願いいたします。

 (原委員)
 初めまして、弁護士をしております原と申します。現在はアンダーソン・毛利・友常法律事務所に籍を置いて弁護士活動をしておりますけれども、去年の7月まで三十数年間にわたり検察官の仕事をしておりました。法律の分野におけるこれまでの経験を生かしつつ、現在、NHKが置かれている状況をいち早くキャッチアップして、NHKが視聴者の皆さまから求められている役割を果たすことに少しでも貢献できるよう努力してまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 

 

3 委員長報告

 (森下委員長)
 先ほど決定した経営委員会体制について報告します。新たな経営委員長職務代行者の選出を行い、経営委員会の同意を得て、村田委員を指名いたしました。また、大草委員を評価・報酬部会長に選任しましたこともあわせてご報告します。
 経営委員会体制についての報告は以上です。

 

 

4 議事録確認

 第1402回(2022年6月14日開催)の議事録を承認し、所定の手続きを経て、2022年7月1日に公表することを決定した。

 

 

5 会長報告

 (前田会長)
 職員の懲戒処分について、中嶋理事から報告します。

 (中嶋理事)
 タクシー券の使用に関する懲戒処分についてご説明させていただきます。タクシー券につきましては、以前、不正使用があって再発防止策を進めてきましたが、再び不正が起きたことを重く受け止めております。大変申し訳ありませんでした。
 国際放送局の50代のチーフ・リード(管理職)は、国際放送局と前任地の熊本放送局で、2019年6月からことし1月にかけてみずからの取材や取材先の送迎などと偽り、タクシー券を帰宅などに使用したり、自費で乗ったタクシー料金を後から立替請求したりしていました。さらに「日帰り旅費」という近距離の電車代も虚偽の理由をつけて請求していました。これらの合計は323回、金額は70万3,728円になりました。
 本人はこれまでの調査に対して「疲れていた。公私混同し、深く反省している」などと述べています。そして全額を弁済しています。
 虚偽の説明をして不正を繰り返していた本人の責任は重大と判断し、今月24日、職員就業規則等に基づき、「諭旨免職」の懲戒処分としました。同日発令しております。
 また、タクシーの管理体制にも問題がありました。国際放送局でタクシー券の使用を決定していた副部長は庶務担当で、直接被処分者の業務を把握する立場ではありませんでした。このため、本人に使用理由など確認はしていたのですが、取材や緊急などとする虚偽の説明を見抜くことができませんでした。このように業務を把握している管理職と車券決定者のミスマッチが不正使用を見落とす要因の1つとなりまして、管理側の情報共有や連携も不十分でした。このため、上司の管理・監督責任も厳しく問い、国際放送局長を「譴責」、被処分者が所属する部の現部長と前の部長、それに庶務担当の副部長を「減給」に、経費精算の決定者だったチーフ・リードを「譴責」の懲戒処分としました。いずれも同日発令しております。
 再発防止策について、まず、乗り降りの位置情報や時間などを記録するタクシーアプリ、すでに全国のほとんどの放送局に導入しておりますが、本部の部局でもことしの10月までに導入する予定で、当該の国際放送局は7月運用を始める予定にしております。次にことし4月に本部にタクシーアプリの事務センターを設けました。各部局、各放送局で使用をチェックするだけではなく、本部でも全国のすべての使用をダブルチェックする体制を取りたいと思います。さらに、業務を把握する管理職を車券決定者にすることを含め、管理側での情報共有を徹底するよう、24日当日に全国の部局長宛てに指示を出したところであります。
 こうした複数の再発防止策を組み合わせていくことで、不正に対する抑止効果を高めてまいります。
 また今回の不正を受けて、これまでの研修に加え、新たに基幹職向けのタクシー使用・管理に関するeラーニングを実施するなどして、協会ルールの徹底を図ってまいります。ご報告は以上になります。

 (村田代行)

 今回の不祥事はどのようにして発覚したのでしょうか。

 (中嶋理事)

 ことし1月に内部の定期的なチェックで、被処分者が使用したタクシー券にタクシー会社の記録と時間のずれが見つかりました。それで調査をした結果、本来認められてない利用が分かり、さらに突き詰めていってその他も分かってきたという経緯です。

 (村田代行)

 そのような定期的なチェックは以前からされていたということですね。

 (中嶋理事)

 そうです。前の不正があったときに、タクシー券の中で3枚つづりになっている最後の紙をタクシー会社に渡すのですが、その裏面にタクシー会社のほうで時間と降りた場所を記録するようになっており、それと本人が書いたものを照らしあわせるとチェックができるようになっています。だから、そのときにやった仕組みが機能した部分もあったのですが、十分に情報共有が図れていなかったことは課題だと思っております。

 (井伊委員)

 これに似たような問題を今までに何度も聞いていて、タクシーアプリをまだ使っていない部署もあるということにも驚きました。本部でダブルチェックをしていくということですが、あまり手間が増えてしまうと本末転倒になってしまうと思います。今は優秀なアプリがあると思いますので、そういったものを活用しながら業務を増やさないようにしてほしいと思います。

 (中嶋理事)

 今回のアプリでは、休日に乗ったり高額だったり、あるいは自宅の近くで乗ったりするとアラートが出ます。そのアラートを十分に情報共有して、本人にきちんと事実を確認することができるようになります。基本的には各部局、現場できちんと対応できるような仕組みにしたいと思います。

 (大草監査委員)
 この件につきましてはきのう開催されました監査委員会でも報告、質疑を行いました。そのエッセンスについて私が代表してお話をいたします。
 今回の事案は、過去の同種事案を踏まえて協会が対策を講じてきたにもかかわらず再び繰り返されたものであって、しかも本来は職員を指導監督する立場の管理職による不正行為であり、極めて遺憾と考えております。特に不正を認識できるチャンスが幾度もあり、アラートが何回も出ていながら、結果として少なくとも2年半にわたって続けられたということは深刻に受け止める必要があると思います。
 原因分析にありますように、タクシー券の管理を行う者と被監督者の業務実態を把握している者とが分かれており、有効かつ自主的な管理が行えなかったことが主な要因であると考えております。
 一般的に不正の背景には、動機、機会、それに正当化があると言われています。執行部はこのことを踏まえ、今回の事案の根本的な原因や再発防止策をきちんと周知し、何よりコンプライアンスの徹底をグループを含めて職員・社員一人ひとりに、より浸透させていく必要があると考えております。
 監査委員会といたしましては、こうした点を中心に今後の執行部の取り組みを注視してまいります。以上です。

 (森下委員長)
 タクシー券の不正使用は、これまでも繰り返されてきました。執行部は効果的な再発防止策に取り組み、コンプライアンス意識の徹底を図り、視聴者からの信頼回復にしっかり取り組んでいただくようお願いします。

 

 

6 監査委員会報告

 (1) 日本放送協会2021年度業務に関する監査委員会の活動結果(資料)

 (大草監査委員)
 監査委員会の職務の執行状況を、放送法第39条第6項の規定に基づいて報告させていただきます。
 今回の活動結果報告は、協会の2021年度業務に関する監査委員会の活動についてまとめ、報告するものです。
 報告書の1ページ、項目1をご覧ください。協会の2021年度業務に関する監査委員会活動の、いわば総まとめである「令和3年度業務報告書に添える監査委員会の意見書」ならびに「財務諸表に添える監査委員会の意見書」を作成したことを記しています。それぞれの意見書の内容は、後ほど別途、説明させていただきます。
 続いて項目2は、その意見書に至る監査委員会の活動結果報告です。経営委員会にいつ、どのような内容の「活動結果報告」を行ったかを記しております。
 3ページ以降は参考として2021年度中の監査委員会の開催状況と、役員・部局長、子会社の社長などに行ったヒアリング、業務視察など、監査委員会の活動を列記しています。以上です。

 

 

7 議決事項

 (1) 日本放送協会令和3年度業務報告書について(資料)

 (伊藤専務理事)
 令和3年度業務報告書の案を別冊のとおり取りまとめましたので、ご説明します。
 前回の経営委員会でもご説明しましたとおり、この業務報告書は放送法第72条に基づき、毎年度の事業の実施結果について取りまとめるもので、NHK自身の評価を加えることなく、客観的に書き添えるべきものとして、放送法施行規則で定められた記載事項に沿った章立てで記述しております。
 まず、目次をご覧ください。報告書は12の章と資料で構成しています。
 1ページからの第1章が特記事項および全体の要約になっていますので、この章を中心に主な記載内容をご説明します。
 冒頭は、事業活動全体についての総論部分です。1段落目にはNHKの基本的な法的位置づけを記載しています。2段落目から5段落目には、令和3年度の4つの特記事項を記載しています。
 1つ目は、中期経営計画に基づいて業務を執行し、ジャンル管理による放送・サービスの価値最大化、地域情報の発信強化、営業経費の削減、設備投資の見直し、人事制度改革、グループ経営改革などに取り組んだことを記しております。2つ目は、新型コロナウイルスの影響が長期化する中、感染防止対策を徹底したうえで放送や視聴者対応などの業務を実施したこと。3つ目は、東京オリンピック・パラリンピックの競技の模様を放送やインターネットを通じて伝えたほか、ユニバーサル・サービスの取り組みを進めたこと。4つ目は、ウクライナ情勢について、さまざまな編成措置を講じて視聴者に必要な情報をお届けしたこと。以上の4点を記述しています。
 2ページの2段落目からは、第2章以下に詳細を記載した内容の要約となっています。(1)は第2章のうち国内放送についてです。BS1スペシャルで誤った内容の字幕をつけたシーンが放送されたことについて、原因の究明を行い調査報告書を公表するとともに再発防止策を導入したことも記述しています。
 3ページ以降です。(2)は国際放送についてです。テレビとラジオによる国際放送の番組編成、実施状況を記述しています。(3)は海外への番組提供や国際共同制作などに関する項目、(4)はインターネット活用業務についてです。(5)は放送番組と放送技術、両分野の調査研究について、(6)は営業活動と受信関係の業務の概況です。(7)は視聴者関係業務の概況、(8)は放送設備に関する項目、(9)は業務組織の概要や職員の状況、(10)は内部統制に関する体制整備・運用です。 (11)は財政の状況、(12)は子会社等の概要について記述しています。
 第2章以下は、それぞれのテーマ別に詳細を記述しています。また本文の後には、関連する資料を掲載しています。これらの資料も含めて、放送法施行規則に定められた記載すべき事項を網羅しています。
 以上、令和3年度の業務報告書案についてご説明いたしました。議決をいただけましたら、財務諸表とあわせて、総務大臣に提出する予定です。
 ご審議のほど、よろしくお願いいたします。

 

 

8 監査委員会報告

 (2) 日本放送協会令和3年度業務報告書に添える監査委員会の意見について(資料)

 (大草監査委員)
 「日本放送協会令和3年度業務報告書に添える監査委員会の意見書」についてご説明します。
 本意見書は、放送法第72条第1項に基づくものです。
 まず、全体構成です。資料の目次をご覧ください。「序文」に続き「監査意見」「監査方法」「会長、副会長、理事の職務執行の監査」「経営委員会委員の職務執行の監査」の順で記載しています。
 以下、ポイントを説明します。
 2ページの「監査意見」をご覧ください。監査委員会の意見は、以下のとおりとなりました。「1、事業の実施報告を記した業務報告書と協会の状況との間に、重大な齟齬は認められない」、「2、役員の職務の執行に関する不正行為、または法令もしくは定款に著しく違反する事実は認められない」、「3、内部統制に関する経営委員会の議決の内容、および、当該議決に基づき整備されている体制、ならびに執行について特に指摘すべき事項は認められない。」
 続いて3ページから4ページは「監査方法」です。監査委員会がどのような方法で監査を行ったのかを説明しています。
 次に5ページから「会長、副会長、理事の職務執行の監査」を記載しています。ここでは、先ほど示した「監査意見」に付記する形で、監査委員会の認識・見解を中心に記載しています。
 重点監査項目は4つあります。それぞれの項目の概要を説明します。
 1点目は「内部統制の推進およびリスクマネジメントへの取り組み」についてです。協会がかつてない規模とスピードで構造改革を進める中、変化に伴うさまざまなリスクに機敏に対応できる最適なリスクマネジメント体制を構築することは、協会が直面している重要な課題の1つであると監査委員会は認識しています。協会や関連団体で2021年度に発生したリスク事案からは、公共メディアに携わる者として、一人ひとりのコンプライアンス意識の浸透が十分ではないことが浮き彫りになりました。コンプライアンスは、取材や番組制作を始めとする業務の前提であることを徹底し、組織や個人の評価により反映させることも必要だと考えます。監査委員会は、「スリムで強靭な組織」への転換を図りながら、適切な管理体制が構築されているか、引き続き強い関心を持って注視していきます。
 2点目は「公共メディアとしての放送・サービスの取り組み」です。視聴者の関心に応えた正確な情報の提供は、公共メディアの基本的な役割だと監査委員会は考えています。新型コロナウイルスや災害報道などを評価する一方で、12月放送のBS1スペシャルの問題が起きました。2月には午後3時のニュースが放送できなかった事案があり、信頼される公共メディアであるために再発を防止する対策を求めます。また監査委員会は、多様なコンテンツで接触者率を上げ、NHKの価値を理解してもらう取り組みについて大きな関心を持って見ています。公共メディアとして、より質の高いコンテンツを追求することはもとより、効率的な作り方、適正な働き方、視聴者起点の調査に基づく番組評価手法などをこれまで以上に取り入れて、取り組みを進めることを求めます。インターネット活用業務については、社会実証等を通じてメディア視聴環境や視聴者ニーズを的確に捉え、質の高いコンテンツを利便性よく提供することで、「情報の社会的基盤」の役割を果たしていくか期待感をもって見ていきます。
 3点目は「スリムで強靱な「新しいNHK」に向けた取り組み」です。監査委員会は、メディア環境が大きく変化する中、構造改革は必要不可欠だと考えています。役職員が一丸となって改革に取り組めるよう、役員が強いリーダーシップを発揮してもらいたいと思います。職種を超えた連携やスピーディーな意思決定、合理的なコストで質の高いコンテンツを制作する取り組みが進み、視聴者からより信頼されるNHKが実現することを期待します。経営資源管理DXとして開発・導入を進める新ERPについては、経営層がしっかりコミットする事で関係部門に横串をさし、遅滞なくシステムが開発されて、協会のDXが着実に進展するのか、その進捗や課題の確認を通じて見ていきます。また訪問によらない営業活動への移行については、さまざまな取り組みが確実に進められているか、協会の公共的価値をより実感してもらえるよう、実効的に周知広報がなされていくか監査委員会は注視していきます。
 4点目は「グループ経営改革の取り組み」です。監査委員会は、人事施策等によりNHK本体がガバナンスを効かせながらグループの一体化が進んでいくのか、各団体の強みを生かした連携や業務の見直しなどにつながっていくのか関心を持って見ていきます。また、5つの財団の統合を契機に、社会貢献の取り組みについて視聴者・国民の理解を促進し、NHKグループ全体でのブランド価値向上に努めることを期待します。コンプライアンスの徹底については、協会と関連団体が一丸となりグループガバナンスをより一層強化するとともに、グループの全員が高い倫理観をもって業務に取り組むことを監査委員会は強く求めます。
 10ページにはその他の監査項目として、「放送センター建替に向けた取り組み」について記載しています。監査委員会は、放送センター建替の一連の業務について、高い公平性や透明性、客観性を確保しつつ、説明責任を果たしていくことが重要であると考え、注視しています。
 11ページで「財政状況の確認」「会長、副会長、理事の経費監査」について記載しております。
 最後の12ページは、「経営委員会委員の職務執行の監査」について記しております。
 以上、「日本放送協会令和3年度業務報告書に添える監査委員会の意見書」について説明いたしました。

 

 採決の結果、議決事項(1)について原案どおり議決。

 

 

9 議決事項

 (2) 令和3年度予算総則の適用について(資料1)(資料2)(資料3)(資料4)

 (伊藤専務理事)
 令和3年度予算総則の適用についてご説明します。
 予算総則は、国会の予算審議の際に国会の承認を受けるものです。予算の各項を超えた流用を経営委員会の議決を経て行うことができることなどを定めたものです。
 資料を3つご用意しています。1つ目は「令和3年度予算総則の適用について」です。これが本日の議案です。2つ目の「令和3(2021)年度収支決算表(予算総則適用)」は今回の予算総則を適用した後の収支決算表です。3つ目は「令和3年度予算総則」のうち今回適用する条文を抜粋したものです。
 それでは、2つ目の「令和3(2021)年度収支決算表(予算総則適用)」の資料に沿ってご説明いたします。
 1ページ目は一般勘定の事業収支への予算総則の適用についてです。事業支出の各項に国内放送費あるいは国際放送費などがありますが、これは、国会承認を受ける際にお示ししているものです。これを超えて支出をする場合には、予算総則の第4条第1項を適用しまして、経営委員会の議決をいただければ流用することができるという仕組みになっています。
 今回の決算にあたり、増額をさせていただきたいものが2項目あります。財務費と特別支出です。「財務費」は円安による外貨支払いに伴う決済額の増加に伴うものであり、5,000万円増額となります。また「特別支出」は、職員向けの寮の廃止などによる減損損失や、固定資産除却損の増等によるもので、28億9,000万円増額したいと考えております。この2つに該当する金額については、「共通管理費」と「減価償却費」から流用したいと考えております。増減の合計は一致しております。
 次にその右隣の列の予備費の使用についてです。予備費は、予見しがたい予算の不足が発生した場合に、経営委員会の議決を経て使用できることになっています。予備費は予算に20億円計上しております。ここからスーパーハイビジョン公開施設の減損損失として、18億6,513万円を使用します。以上が一般勘定の事業収支に適用する予算総則です。
 2ページ目は資本収支に適用する予算総則です。建設費は予算総則第5条を適用して繰り越すことができることになっています。これは理事会の審議を経て適用します。まず、資本収支決算表の右から2番目の列です。令和3年度の建設費予算のうち、新型コロナウイルスの感染拡大や半導体不足などの影響で支出されなかった56億5,000万円あまりを令和4年度に繰り越したいと考えております。一方で、予算額の中に、予算総則に基づく増減額に52億6,000万円とあります。これは令和2年度で執行できなかった分を令和3年度に受け入れた分です。つまり、令和3年度の決算におきましては、令和2年度からの受け入れ分と、令和4年度への繰り越し分と、両方が存在するという形になっています。受け入れた額が52億6,000万円、繰り越す額が56億5,000万円になっています。
 3ページです。有料インターネット活用業務勘定についてです。事業収支決算表の中央をご覧ください。
 予算総則第7条では、収入が予算額に比べて増加した場合には、その一部または全部を支出に充てることができるとしています。経営委員会の議決事項となっています。
 これは、NHKオンデマンド事業収入が増える場合に支出も増えます。この支出の部分についてはかなり厳格に管理されており、収入が増えたことによって支出増が発生するのを賄うために、このような決まりが定められています。事業収入を3億4,000万円あまり増額しまして、事業支出の予算も同額を増やしてございます。
 4ページ目は受託業務等勘定についてです。これも予算総則第7条による増収額の振り当てということになります。2月に開催された北京オリンピックの国際信号制作業務などを受託した際の金額が1,000万円あまり増収となりました。このため、事業収入を1,000万円あまり増額し、事業支出の予算も同額を増やします。
 令和3年度予算総則の適用についての説明は以上です。よろしくご審議をお願いいたします。

 

 採決の結果、議決事項(2)について原案どおり議決。

 

 (3) 日本放送協会令和3年度財務諸表について
(資料1)(資料2)(資料3)(資料4)(資料5)(資料6)

 (伊藤専務理事)
 それでは、令和3年度財務諸表がまとまりましたのでポイントを絞ってご説明します。
 資料は全部で5点あります。1点目は財務諸表です。この財務諸表は本日議決をしていただけましたら、放送法第74条の規定に基づきまして監査委員会および会計監査人の意見書を添えて総務大臣に提出をいたします。その後、内閣を経由し会計検査院の検査を経て国会に提出されることになっています。資料の2つ目は独立監査人の監査報告書です。この監査意見の中で会計監査人からは、監査の結果「全ての重要な点において適正に表示しているものと認める」との適正意見が表明されています。資料の3つ目は決算説明資料です。財務諸表に記した決算の内訳とあわせて、事業運営計画の実施状況などを記載したものです。4点目が決算の概要です。視聴者の皆さまにNHKの事業運営を分かりやすくお伝えするため、決算のポイントを単体・連結をあわせて説明している資料です。最後に5点目が予算と決算の比較について1枚にまとめた資料です。
 それでは決算の内容につきまして、4点目の「決算概要」でご説明します。
 3ページに事業収支決算の状況を記載しています。まず前年度決算との比較でご説明します。一般勘定の事業収入は2020年度に対して112億円減の7,009億円となりました。このうち受信料は6,801億円となり、値下げの影響等により、前年度に比べ94億円の減収となりました。一方、事業支出は、前年度に対して261億円減の6,609億円となりました。以上により、事業収支差金は前年度に比べ148億円増の400億円となりました。
 続いて予算との比較でご説明します。事業収入は7,009億円で受信契約件数が想定を上回ったことに伴う受信料収入の増などにより、予算に対して109億円の増収となりました。次に事業支出です。7,130億円の予算に対して、決算額は6,609億円となりました。新型コロナウイルス感染症の影響による東京オリンピック・パラリンピックをはじめとした番組制作・取材活動の縮小に伴う国内・国際放送費の減、共通管理費などの減に加え、訪問要員体制の縮小に伴う契約収納費の減などがあり、あわせて521億円の予算残となりました。これにより、事業収支差金は400億円の黒字となり、予算に対して630億円の改善となっています。
 この予算との比較について、詳細を別表にまとめましたので、そちらをご覧いただければと思います。
 上の表は、収入増の理由、支出減の理由について、より詳しく記載しています。事業収入については109億円の増収と申し上げましたが、そのうち契約件数が想定を上回ったことなどによる受信料の増収が87億円を占めています。一方、事業支出は521億円の予算残と申し上げました。このうち、新型コロナウイルス感染症の影響による予算残が214億円となっています。東京オリンピック・パラリンピック関係で番組が思うように作れなかったり、イベントが中止になったことに加え、一般番組でも海外や国内のロケができなかったことなどが影響しています。その一方で、経営努力による主な予算残ですが、営業の訪問要員の縮小が想定以上に進んだこと、放送権料の見直しなどにより、198億円の支出の削減を行っています。そして、放送設備の投資の抑制による減価償却費の減などで、53億円などの削減も行っています。以上により、予算に対して630億円の改善がなされました。事業収支差金の400億円については、全額を翌年度以降の財政安定のための財源として繰り越すことにしています。
 再び「決算概要」の資料の方にお戻りください。
 4ページの上段は建設費の状況となります。建設費は656億円となりました。地域放送会館の整備や放送センターの建替工事を重点的に取り組んだ一方で、効率的な設備整備を推進した結果、前年度に比べて163億円の減となりました。
 続いて予算との比較です。新型コロナウイルス感染症や世界的な半導体不足の影響や、衛星波・音声波の整理・削減に向けた建設計画の見直し、設備のシンプル化・集約化につながる仕様の精査や発注・入札方法の見直しなど、さまざまな取り組みを進めてコスト削減に努めた結果、当初予算額860億円に対し204億円の予算残となりました。
 下段は建設積立資産および財政安定のための繰越金の状況です。建設積立資産については前年度末から増減はありません。財政安定のための繰越金は、2020年度末の1,590億円に対し、事業収支差金の400億円と資本収支差金240億円の合計641億円を繰り入れ、2021年度末の残高は2,231億円となります。
 次ページ以降には、財務諸表ほか事項ごとの概要を説明しています。このうち、受信料の状況についてご説明いたします。
 9ページです。受信料は2020年の10月に値下げを実施しました。その影響があり、2021年度も前年度と比べて94億円の減収となっています。一方、予算に対しては87億円の増収ということで、決算額は6,801億円となっています。支払率は80%です。その受信料等の推移を一番下に示しております。支払率については、2021年11月に令和2年の国勢調査が発表された結果、単身世帯の増があり、母数が変わったために支払率が若干下がる状況になっています。
 15ページです。営業経費の状況についてです。営業経費は2020年度の710億円に比べ、2021年度622億円と87億円の減となりました。また、営業経費率は9.1%となりました。決算で公表を始めた2003年度以降、初めて10%を切りました。前年度より1.2ポイントの低下となっています。
 続いて18ページです。有料インターネット活用業務の勘定についてです。有料インターネット活用業務につきましては、長い間の累積赤字がたまっていた状況でしたが、ここのところ外部の事業者への提供によって黒字化しております。2021年度の事業収支差金は20億円の黒字となり、前年度より4億円の増加となりました。その結果、2021年度末の繰り越し不足はマイナス29億円となり、徐々に減ってきている状況です。今年度も順調に推移しており、遠からずこれを解消する方向には向かっていると考えています。
 以上で令和3年度財務諸表につきましてのご説明を終わります。ご審議のほど、よろしくお願いいたします。

 

 

10 監査委員会報告

 (3) 日本放送協会令和3年度財務諸表に添える監査委員会の意見について(資料)

 (大草監査委員)
 「日本放送協会令和3年度財務諸表に添える監査委員会の意見」についてご説明します。本意見書は放送法第74条第1項に基づくものです。
 意見書の構成は「序文」に続き「監査方法およびその内容」と、その結果としての「監査意見」です。監査委員会の意見は放送法で会計監査人の監査があわせて法定されていることから、いわゆる相当性監査となっております。
 監査委員会は1ページの「監査方法およびその内容」にありますように、会計監査人との間で事前、期中、期末とやりとりを続け、会計監査人が独立の立場を保持し、かつ適正に監査を実施しているかを監視・検証してきました。
 その結果、監査委員会の意見は2ページに記載のとおり「会計監査人の監査意見は、相当と認める」というものです。以上です。

 (森下委員長)

 営業経費率が10%を切ったことは、今までの努力が実ったということで大変すばらしいと思います。一気に9.1%まで下がったことは、営業体制含めて努力された結果であり、そういった意味で非常に喜ばしいと思います。一方、支払率のほうは世論調査の結果、単身世帯が増えて、80%の維持が難しくなるということがありました。やはり80%という数字は今までのメルクマールのような意味があるので、営業体制を変えながらも、今年度は80%の大台を維持していくという課題があると思います。そのあたり、どのようにお考えかを聞かせていただきたいと思います。

 (正籬副会長)

 視聴者局を担当している正籬がお答えします。訪問によらない営業活動ということで、大きく2つのことを考えています。
 1点目は、既存チャンネルを強化していくことです。例えばケーブルテレビは350社あり、大きいところとのつながりは深いのですが、中小とのつながりでお互いの協力関係等まだまだできることはあります。共通のイベントを行うことも含めて取次を強化していきます。それからAPI連携といって、引っ越したり住所が変わったりするときに、電気やガス等で入力したデータをそのまま移行できる仕組みを活用し、ワンタッチでNHKのほうも手続きできるといったことも含めて、既存チャンネルを強化していきます。
 もう1点が、特別あて所配達郵便の活用です。地域ごとのセグメントにターゲットを絞って、例えばファミリー層が多いところといったターゲットも決め、いろいろな視聴者リレーション活動を組み合わせていきます。この2本柱で納得してお支払いいただく環境をつくっていきます。それから、もっと根本的には、番組、デジタル、視聴者リレーションのコンテンツを強化して、ご理解いただくことが一番重要です。その上に、今申し上げた2つのことについて強化していきたいと考えております。

 (森下委員長)

 現場の士気を高めながら、ぜひ今おっしゃったような取り組みを進めていただいて、目標をできるだけ達成していただければというように思います。

 (大草委員)

 少し気をつけなければならないと思ったのは予算比です。予算比の決算額が、当初230億円の赤字から400億円の黒字に大きく改善しています。また、財政安定のための繰越金が1,590億円から641億円増えて2,231億円になっています。この理由をよく見ると、一過性の理由によって支出が減った結果、収支差金が増えているということもあります。一過性の理由による見かけの増収の部分と、受信料の値下げのように今後も続くようなものが、視聴者が見たときに、一緒くたになって議論しないように広報していただければと思います。

 (伊藤専務理事)

 その点、非常に重要だと思います。経営努力で削減した部分は、今年度から先にも引き継いで削減要素としてやっていくわけですが、一方、ご指摘のように、新型コロナウイルス感染拡大等で、本当は番組を作りたかったけれどもできなかったという一過性のものについては、昨年度できなかったコンテンツ開発を今年度に繰り越すことも考えながらやっていきたいと思います。その点をしっかりと伝わるようにやっていきたいと思っています。

 

 採決の結果、議決事項(3)について原案どおり議決。

 

 (森下委員長)
 ただいまの議決を受け、私からひと言申し上げます。
 現経営計画の初年度であった令和3年度は、新型コロナウイルス感染の長期化や、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻など、先行きの不透明感が続く中で事業継続に取り組みつつ、1年延期になった東京オリンピック・パラリンピックの放送・サービスや、大規模災害などの緊急報道、NHKプラスの地域放送番組・見逃し番組配信の拡大などで、着実な成果を上げたと考えております。困難な状況の中でも公共メディアとしての使命を果たしていただいた執行部はじめ職員の皆さんに敬意を表したいと思います。
 今回は当初予算を大きく上回る400億円の収支差金が発生しました。感染症の影響で、番組制作や取材活動、イベントなどへの制約が続いたことなどは理由に挙げられる一方で、訪問要員の段階的な縮小や効率的な業務運営などにより支出を抑えたことは高く評価をいたします。状況に適切に応じて効率的な予算執行を今後ともしていただくことを期待しております。
 令和4年度は、現経営計画で約束している構造改革を着実に実行に移していかなければなりません。特に令和5年度に予定されている受信料の値下げや、保有するメディアの整理・削減などは、視聴者の関心も高く、これまで以上に十分に検討し、丁寧な説明を重ねていくことが重要であります。
 また、受信料収入の確保に向けた訪問によらない営業活動の一層の推進に取り組み、スリムで強靭な新しいNHKの実現につなげていってもらいたいと思います。
 経営委員会としても改革の取り組みはしっかり監督し、みずからの役割を果たしてまいります。以上であります。

 

 

11 議決事項

 (4) 川口施設(仮称)の基本計画の修正について(資料)

 (板野専務理事)
 埼玉県川口市に計画している川口施設(仮称)について、別紙のとおり、整備方針を含む基本計画の修正をとりまとめました。経営委員会の議決をいただきたいと思いますので、よろしくご審議願います。
 はじめに整備方針についてご説明します。2020年6月に経営決定した川口施設の基本計画では、埼玉県川口市にスタジオなどを備えた施設を整備し、放送センター建替えに伴いドラマなどの大型スタジオが無くなる間の代替機能を確保することを大きな目的としていました。しかし、新放送センターと川口の双方に同種機能の設備が併存し、効率性に課題がありました。今般、新放送センター建替計画を抜本的に見直すにあたって、川口施設についてもさらに効率のよい姿に改めるべきと考え、川口施設の基本計画を修正することとしたいと考えています。
 具体的には、すでに計画している建物の西側に西棟の増築を行って、ドラマスタジオ2つを追加し、川口施設にドラマ制作を集約します。これにより新放送センターへのドラマスタジオの建設をやめ、双方の機能分担を明確に行うこととしたいと考えています。これに伴って新放送センターの設備を大幅にスリムにすることも可能になると考え、さらに精査を続けることにしています。
 次に、これまでの経緯をご説明します。
 川口施設を設ける予定の埼玉県川口市のSKIPシティは、NHKのラジオ放送所の跡地にあります。そのうちのA街区は2003年に運用を開始したNHKアーカイブスをはじめ、埼玉県の彩の国ビジュアルプラザや川口市の市立科学館など、映像関連施設や供用施設が集中する地区となっています。
 放送センター建替えを契機として、放送事業に関する機能の地域への展開、地域の活用についても期待が寄せられてきた中、SKIPシティの未利用地の利活用について、2017年7月に埼玉県知事川口市長から「最先端の映像制作拠点の整備」の要望書がNHKに提出されました。
 そして、2018年12月にNHKが所有するC街区の土地と、川口市が所有するB街区の土地および埼玉県が所有するB街区の土地の一部(以下、「B−1街区」)を交換することで、川口市および埼玉県と合意しました。以降、川口施設の基本計画をまとめ整備を進めてきました。
 そのうえで、放送センターの建替計画の抜本的見直しとあわせて、川口施設の内容についても検討し、増築に向けて2021年12月、B−1街区に隣接するB−2街区についても取得する協議を開始する旨の基本合意書をNHKと川口市で締結したところです。
 増築する施設の概要です。フロア面積約1000平方メートルの特大スタジオと約600平方メートルの大型スタジオを整備し、いずれも4K収録に対応した施設とします。これらのスタジオでは主にドラマ番組等の制作を行います。スタジオのほか、映像編集室、音声編集室などの番組制作設備、ならびに大道具倉庫、美術倉庫などの諸室を整備します。
 先行するB−1街区の建物(東棟)と増築するB−2街区の建物(西棟)は連絡ブリッジで結びます。
 次に、建物とB−2街区の敷地などについてです。所在地は「川口市上青木3丁目6番8ほか」です。敷地面積は約11,000平方メートルです。延床面積は約18,600平方メートルです。階数は地上4階で、完成年度は2027年度を予定しています。
 用地取得については川口市と土地交換を行って、2023年度に取得する予定で、差額部分は精算します。建設方式は単独建設です。
 増築分の整備の主なスケジュールについてです。2022年度に設計者を選定し、基本設計に着手します。2023年度に実施設計に着手し、2024年度に建物を着工します。2027年度に建物が完成し、放送設備の工事に着手、2028年度に運用を開始する予定です。
 以上、ご審議のほどよろしくお願いいたします。

 (不破委員)

 3ページ目にあるスケジュールはB−2地区のスケジュールで、B−1地区というのは以前示していただいたとおりなのでしょうか。

 (板野専務理事)

 おおむね変わりございません。連絡通路等の設計変更もございますので、少し遅れる可能性があります。

 (不破委員)

 B−1地区については予定どおり進んでいますか。

 (板野専務理事)

 はい、その予定で進んでいます。

 (不破委員)

 分かりました。渋谷の大型スタジオの取り壊しのスケジュールとあわせて全体を通してスタジオが確保できるかどうかの資料を、また提出いただければと思います。

 (板野専務理事)

 承知いたしました。そこはまた経営委員会でもお示ししたいと考えております。

 (不破委員)

 よろしくお願いします。

 (原委員)

 このような形で大勢の方が川口で働くことになると、働きやすさについて何か考えているのでしょうか。

 (板野専務理事)

 今、制作に携わる女性職員も増えているので、川口でもやはり女性の働きやすい職場というものをつくることは必須の条件です。働きやすい環境を多角的につくっていきたいと思っています。

 

 採決の結果、議決事項(4)について原案どおり議決。

 

 

12 報告事項

 (1) 令和3年度NHK連結決算について(資料1)(資料2)(資料3)(資料4)

 (伊藤専務理事)
 「連結決算」についてご報告します。
 連結決算関係では、資料が3点ございます。1点目は「連結財務諸表」です。これは内規である連結決算規程に従って作成した決算書です。2点目は「独立監査人の監査報告書」です。こちらは連結財務諸表に対する監査報告となっております。「監査意見」の最終行にありますとおり、単体決算同様、監査法人からは監査の結果「すべての重要な点において適正に表示しているものと認める」との適正意見が表明されています。3点目は、さきほど単体決算の説明でもご覧いただいた「決算概要」です。単体決算の後のページで連結決算についても記載しているところです。
 それでは、この決算概要に基づいてご説明します。
 21ページをご覧ください。上段の連結の範囲ですが、連結子会社11社、持分法適用会社1社の計12社になります。昨年度より連結の範囲に変更はありません。
 中段の損益の状況をご説明します。2021年度の経常事業収入は受信料の値下げの影響等により前年度に比べ46億円減の7,508億円となっています。経常事業支出は、新型コロナウイルス感染症の影響による放送事業運営費の減等により248億円減の7,057億円で、この結果、当期事業収支差金は164億円増の451億円となり減収増益となっています。下段は経常事業収入の内訳を示したものです。NHKは受信料の減収等により、前年度と比べ93億円減の7,007億円、子会社はイベント再開による増収等により、前年度と比べ47億円増で子会社全体では500億円となっています。
 22ページ、23ページは連結の比較貸借対照表と比較損益計算書となります。全体の傾向としては単体決算と同様です。
 24ページの上段は、連結子会社等からの受取配当金の状況になります。記載の8社から2021年度に受け取った配当額を記載しています。合計15億円となっており、2020年度とほぼ同額です。2021年度子会社は経営が改善してきておりますので、2022年度についてはこのNHK受取額15億円より増額されていく流れが想定されます。
 以上で令和3年度連結決算につきましてご説明を終わります。
 ご審議のほど、よろしくお願いいたします。

 (森下委員長)

 グループ会社は経営環境が非常に厳しいところもあったと思いますが、かなり頑張っていただいて、よい結果を出してもらったという受け止めです。今年度はどうですか。

 (伊藤専務理事)

 2021年度より2022年度のほうが改善傾向にはあるという状況です。各社がコストダウンを行っており、収益が上がりやすい構造に体質改善を進めているところです。各社によってさまざまな状況でありますが、そのような努力を積み重ねながら、本体のほうへ配当等、利益を還元していくようなことをこれからも引き続き取り組んでいくことになると思います。

 

 (2) 2021年度 年金基金の状況

 (安保理事)
 2021年度の年金基金の状況について説明します。これは業務執行に関するご報告の一環として、毎年この時期に前年度の結果をご説明しているものです。
 2021年度の基金の状況の報告に先立ち、NHK年金の概要について改めてご説明をさせていただきます。
 NHKの企業年金は2つの制度で構成されており、そのうちの1つが今回状況をご説明させていただく、確定給付型の企業年金である「NHK年金」です。「NHK年金」は全職員を加入者とし、掛金を労使折半で拠出しております。支給開始年齢は定年の60歳で、協会または関連団体等で再雇用される期間は半額支給となります。
 年金資産の運用に関する重要な方針については、副会長を委員長とする年金委員会で審議・決定することとしています。NHK年金の資産運用の基本方針をひと言で言うと、長期的に安定した収益を確保していくということです。
 年金基金は、2020年度末の時価総額4,293.9億円に77.2億円の基金繰り入れとなりました。その結果、2021年度末の年金基金の時価総額は4,371.2億円となりました。
 この1年は、新型コロナウイルス感染拡大が引き続き経済へ影響を与えた中、特に年度終盤はインフレ懸念から各国で金利が上昇し、景気減速が意識される展開となったこと、また、2月にはロシアによるウクライナ侵攻が始まると、原油価格の急騰など株価への重しとなりましたが、NHK年金はリスクを抑えた分散投資を行うこととしています。
 年金基金運用の本来趣旨である中長期にわたり年金給付を支えられるよう、引き続き基本方針に則った運用を行っていきます。
 以上、ご報告します。

 (堰八委員)

 最低保証についてですが、例えば3年ぐらいで亡くなってしまった場合に、最低10年分は一括して支払うなど、一般的にはそのような制度設計になっているはずなのですが、NHKの場合どのようになっていますか。

 (人事局 専任部長)

 80歳としており、本人拠出相当額を保証しています。

 

 (3) 2021年度 関連団体の事業運営状況等について(資料)

 (中嶋理事)
 本日は関連団体運営基準に基づき、業務運営状況調査の結果、第39回事業活動審査委員会の概要、決算に伴う2022年配当についてご報告します。
 業務運営状況調査の結果です。NHKが外部の監査法人に委託し毎年実施しています。指摘された事項は1件で、NHK学園に関するものでした。関連団体運営基準に定めている「重要な人事の変更」にあたる評議員の選任に際し、事前協議の書面を作成していませんでした。NHK学園には手続きの徹底を指導しました。
 次に、4月に開催した事業活動審査委員会の概要についてご報告します。議題は4つです。1つ目は「審査委員会活動状況」です。関連団体の事業活動の適正性についての審査委員会に対する外部からのご意見や苦情ですが、昨年度新たに設置した民業圧迫ホットラインを通じたものも含め、ご意見や苦情はありませんでした。2つ目は「関連団体の管理状況」については、新たに改正した関連団体の経営目標制度のほか、NHKサービスセンターやNHK交響楽団などNHK関連の5つの財団法人の統合についてご説明しました。3つ目は「関連団体業務運営状況調査」の結果は先ほどご報告したとおりです。4つ目は関連団体の事業活動等の適正性を確保する取り組みに対する委員からの助言です。去年10月開催の前回委員会でいただいた「関連団体従業員のモチベーション向上のため、どのような施策を講じているか」とのご質問に対し、グループ会長賞の実施や、会長と団体職員の対話活動などの取り組みをご説明しました。また、今回の委員会では「関連団体においても災害など有事を想定したBCPの策定がいっそう必要だ」とのご助言等をいただきましたので、関連団体のBCPについて次回委員会にてご説明します。関連団体事業活動審査委員会の報告は以上です。
 次は関連団体決算に伴う2022年の配当についてです。
 去年まではコロナウイルス感染症拡大による影響を考慮して配当を抑える対応をしてきましたが、2021年度の決算はコロナ禍から次第に回復してきております。このため、今期は関連団体運営基準に沿った形での配当を原則として行います。その結果、子会社11社の配当総額は前年比10.6億円増の29.8億円、うち、NHK受取額は7.7億円増の22.2億円となります。子会社にB−SAT(株式会社放送衛星システム)を加えた関連団体配当総額としては31.3億円、うちNHK受取額は22.9億円の予定です。なお赤字となったNHKプロモーション、NHKビジネスクリエイトは無配の方針です。また、厳しい経営環境を踏まえNHK文化センター、NHK営業サービスの2社についても配当を見送る方針です。
 次は子会社の決算概要です。11社合計売上高は2,297億円です。番組制作やスポーツ中継、イベントの受注増加などにより前年度比46億円増となりました。新型コロナウイルスの影響を大きく受けた2020年度からの回復が見られますが、依然としてコロナ禍前の水準には届いておりません。一方、当期純利益は20億円増の50億円となりました。各社とも経営環境の変化に対応するためにスリム化を進めており、コスト削減など財務体質の強化に取り組んでいます。9社が黒字を確保するなど、純利益はコロナ禍前の水準近くまで回復しつつあります。各社別に見ると、NHKグローバルメディアサービスは2つのオリンピック・パラリンピックを中心にスポーツ中継が増加したことなどから増収増益となりました。NHKエンタープライズはNHKプラネットとの合併に伴う退職給付費用の大幅な負担増がありましたが、徹底したコスト削減の結果、増収増益を達成しています。また、NHKテクノロジーズにつきましても原価抑制の取り組みなどにより、大幅な減収となりながらも黒字を拡大しています。NHKビジネスクリエイトは第一共同ビルの建替えに伴う大幅なコストの増加により赤字となっています。NHKプロモーションはイベント再開で増収となりましたが、売り上げは48億円と、コロナ禍前の2019年度売り上げの半分以下にとどまっており、依然厳しい環境下にあります。NHK文化センターは、講座受講者は回復しておりますが、営業赤字が続いており、関連団体株式の売却により純利益は黒字を確保している状況です。
 次はNHK取引の営業利益です。これは各団体の売上高などをNHK取引と外部取引に区分するものです。2021年度NHK取引の営業利益率は2.8%で、前年度から0.9ポイント上昇しましたが、適正な範囲と考えています。
 以上、関連団体の2021年度決算についてお伝えしました。なお、2021年度は年度末にかけてウクライナ侵攻や急速な円安など世界情勢の急変がありましたが、各団体の決算においては顕著な影響は出ておりません。しかし、2022年度はこれらに端を発した材料費高騰などが影響する可能性がありますので各団体の業績をさらに注視してまいります。
 最後に副次収入についてです。NHKの副次収入の総額は66億円ですが、このうち関連団体から収納した副次収入は45億円です。映像ソフト化やCD、キャラクター展開など番組の二次使用によるメディアミックス収入の増加などで前年比3億円の増収となりました。
 2021年度関連団体の事業運営状況等についてのご説明は以上です。

 

 

13 監査委員会報告

 (4) 関連団体事業活動審査委員会等について(資料)

 (大草監査委員)
 監査委員会から報告させていただきます。
 6月27日、執行部より関連団体事業活動審査委員会の概要、および2021年度決算に伴う配当について報告がありました。
 このうち関連団体事業活動審査委員会については、放送法および総務省の「子会社等の事業運営の在り方に関するガイドライン」等を踏まえて、年に2回の開催の都度、監査委員会として報告を受けています。
 NHKの関連団体の事業活動の適正性や、適正性を確保する取り組み等について、関連団体事業活動審査委員会において出された外部の有識者の意見と、それを受けた対応策について、執行部から報告を受けたうえで、監査委員会として役員の職務執行の適正性について監査することとしています。
 一方、2021年度関連団体決算に伴う配当については「子会社等の事業運営の在り方に関するガイドライン」等を踏まえて、執行部がルールに基づき配当を実施するよう取り組んでいるか等について監査するため、年に1回報告を受けています。
 きのうの監査委員会では、監査委員から執行部に対し、関連団体事業活動審査委員会に関しては、次のような意見が出ました。
 本体に比べリソースが限られている関連団体に対して、平時や有事の際に迅速かつ適切な対応をするうえで、本体によるコーポレート機能の支援は重要だ。NHKのコアになる業務はグループ一体となり育てていく一方で、外部にお願いできる業務については、適正な調達の観点から市場価格も意識しつつ、地域の業者にも門戸が広がる取り組みや周知をしてはどうか。といった意見がありました。
 また、配当に関しては、関連団体の資金や人材をグループ全体として有効活用する仕組みについて、ひき続き検討していただきたい。関連団体運営基準で定めた基準に従いクリアに配当されている印象をもった、といった意見がありました。
 監査委員会としましては、今後も役員の職務執行監査の一環として、関連団体の事業活動の適正性や、適正性を確保する取り組み等について、しっかりと監査し、経営委員会にご報告していきたいと思います。
 以上、監査委員会からの報告を終わります。

 (村田代行)

 NHK文化センターについて、今は対面よりもオンラインのほうが主流になっているのでしょうか。あるいは、オンライン形式の受講が増えているのでしょうか。

 (中嶋理事)

 オンライン形式の講座そのものはかなり増えています。しかもNHKの番組に連動するような形のものをやっておりまして、今までは日本国内だけでしたが、例えば海外の専門家とオンラインで結んでやり取りするような講座も出てきています。ただ、全体のボリューム感では一定程度上限はやはりあるので、対面式のほうが依然として中心ではあります。対面のほうは徐々にコロナ禍の前の状況に戻ってきている傾向となっていて、そちらの講座もNHKの番組と連動するような形に転換していきたいと考えています。

 (明石委員)

 本体から職員が関連会社に出向されて、経営を担当されるようになりましたが、それによって変化は出ているのでしょうか。

 (中嶋理事)

 大きく変わってきていると思います。現役の職員が各社の社長になっていますので、NHK本体が何を考えているのかが子会社に伝わりやすくなり、スムーズに物事が進むようになっています。NHK本体と関連団体を一体的に経営していくという観点は、これまで以上に徹底されてきました。効率化の観点と、メディア環境が大きく変化するこれからの新しい時代に何を作っていくのかという観点の両面で進んでいくようにしていきたいと考えています。

 

 

14 報告事項

 (4) 2021年度NHKと関連団体との取引の公表について(資料)

 (伊藤専務理事)
 2021年度におけるNHKと関連団体との取引の公表について、ご報告します。NHKでは、総務省が2019年9月に策定した「NHKの子会社等の事業運営の在り方に関するガイドライン」を踏まえ、関連団体運営基準第26条に基づき、NHKと関連団体との一定金額以上の取引について、個別契約ごとの取引一覧とあわせて公表しています。この公表は2002年度から毎年度自主的に行っています。
 資料の中に、対象となる取引と金額の記載があります。工事または製造の場合は250万円以上のものを国の公表基準に準ずる形で設定をしています。
 その取引の概要です。合計で1,796件、1,868億円となっていますが、大半は随意契約でございます。NHKならではのコンテンツの制作、あるいは、その放送設備の設計施工といったような特殊なノウハウが必要な業務が多くありますので、関連団体との取引においては随意契約が多くなっている状況です。
 その中で、競争性のある契約の概要について一番下の参考1に記載しております。通訳・翻訳業務や労働者派遣業務、あるいは緊急初動卓という設備の製作・工事など、144件、41億円分があります。
 一方、次のページでは参考2として随意契約の概要を示しています。
 公共放送サービスの質を確保するため、関連団体のノウハウを活用することが不可欠な業務委託ということで、例えば①−1、2に示した放送番組の企画・制作とそれに関連する放送分野の業務委託や、放送施設の管理、放送番組の周知宣伝、受信料徴収に関する業務等の支援分野の業務委託というものがあり、これらが大きな部分を占めています。
 また、契約の性質または目的が競争に適しない場合について掲げており、特殊の物品または特殊の技術を必要とするときや、特許・実用新案・著作権などが関係するものなどがあります。これらは合計1,273件、124億円分となっています。
 また、緊急の必要により競争を行う時間がない場合が4件、0.1億円あります。法令の規定により、契約の相手が一者に決められている場合は2件、18億円などとなっており、随意契約は合計で1,652件、1,827億円となっています。
 この取引の評価についてご説明をいたします。関連団体との取引については、NHKの経理規程および業務委託基準に基づきまして、すべての取引が適正に行われているかをNHK自身で点検し、いずれの取引も適正なものであると評価しています。また、この判断にあたっては、外部有識者で構成し、関連団体も含めた契約手続き、随意契約の事由について点検・助言する入札契約委員会の評価も踏まえて判断しています。
 続きまして、2021年度のNHKと外部との契約の状況についてご説明します。これは先ほどご説明したような理由で、番組制作については業務委託が大半となっていることから、それ以外の部分について整理したものです。こちらは、2008年に総務省から特殊法人における随意契約の適正化の推進についての協力要請を受けたことを踏まえ、随意契約見直し計画を策定し、公表してきたものです。2013年度にフォローアップを終了しましたが、2014年度以降も引き続き競争契約率などの契約状況を取りまとめて公表しています。2021年度につきましては、競争契約が1,693億円、競争契約率は63.0%となっています。また、随意契約につきましては996億円、37.0%となっています。
 これらの資料につきましても、1件ごとの個々の契約情報とあわせてNHK公開ホームページで公表する予定でございます。
 ご説明は以上です。

 

 (5) 2021年度末都道府県別推計世帯支払率について(資料)

 (正籬副会長)
 2021年度末における全国の支払率ならびに都道府県別の推計世帯支払率についてご報告します。
 初めに2021年度末の世帯と事業所をあわせた全体の支払率についてご報告いたします。第4四半期業務報告で速報値として80.7%と報告していましたが、今回の推計にあたっては2020年度に実施された「令和2年国勢調査」人口等基本集計等の結果に基づき、受信契約対象数の見直しを行い、79.6%となりました。また、その内訳として、世帯支払率は78.9%、事業所支払率は87%となりました。全国の衛星契約割合は第4四半期業務報告でご報告しているとおり、53.0%となりました。
 次のページは都道府県別世帯支払率の推計結果の概要についてです。2020年度末の全国値の世帯支払率は、新型コロナウイルスの影響で前年度比1ポイント以上の低下となりましたが、2021年度末には前年度から0.1ポイント低下の78.9%となりました。全国値78.9%を上回る都道府県は39の県、下回る都道府県は8つの都道府県となり、それぞれの内訳は前年度と変動がありませんでした。なお、大都市圏の状況ですが、東京都は67.3%で0.1ポイントの低下、大阪府は65.2%で0.1ポイントの向上となっています。今回の都道府県別の主な状況についてです。推計世帯支払率が90%を超えた県は、青森、岩手、秋田、山形、新潟、富山、鳥取、島根、山口の計9県で、2020年度末と同数です。
 次にすべての都道府県別の状況です。2020年度は新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、すべての都道府県で前年度末値から低下しましたが、2021年度は19府県において前年度末値よりも0.1から0.8ポイント向上しました。以上が、2021年度末の「都道府県別推計世帯支払率」の報告となります。
 2022年度は引き続き「訪問によらない営業」への転換に精力的に取り組むことで、受信料の公平負担に努めていきたいと考えています。
 報告は以上です。

 

 (6) 地方放送番組審議会委員の委嘱について(資料1)(資料2)

 (森下委員長)
 報告事項(6)について特段の質問などがなければ、資料の確認のみで報告に代えさせていただきます。

 

<前田会長、正籬副会長、専務理事、理事 退室>

 

 

15 インターネット活用業務実施基準の変更に対する意見募集の状況について

 インターネット活用業務実施基準の変更に対する意見募集の状況について、事務局から説明を受けた内容を踏まえ、意見交換を行った。

 

<伊藤専務理事 入室>

 

 

16 説明会

 (3) 総務省「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会」について

 執行部から、総務省「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会」について説明を受け、意見交換を行った。

 

<伊藤専務理事 退室>

 

 

 森下委員長が散会を宣言。

 

 

 上記のとおり確認する。

 

2022年7月12日       

森 下  俊 三 

 

 

大 草   透