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トランポリン王国・石川 強さの理由は?

  • 2023年09月15日

空高く飛び上がり、アクロバティックな技を決めるトランポリンで、圧倒的な強さを誇るのが石川県です。 
大学日本一を決める大会では、石川県内の2大学の強さが光りました。
なぜ強いのか?支えているのは、「こだわり」の練習でした。 
(NHK名古屋 ディレクター 森俊介)

どうしてトランポリンが強い?その理由は

8月20日、北海道北見市で大学日本一を決める全日本学生トランポリン選手権が開かれました。
個人種目では、男女ともに金沢学院大学と金沢星稜大学の2校で表彰台を独占。
シンクロナイズドや団体の種目でも石川県勢が優勝しました。
実は、東京オリンピック代表の森ひかる選手や岸大貴選手も石川県で練習を重ねてきました。
知る人ぞ知る「トランポリン王国」なのです。

石川県内の大学が強い理由を探るために、日本代表も輩出してきた星稜クラブを訪ねました。
星稜中学、高校、金沢星稜大学のトランポリン部、あわせて26名が練習しています。
午後3時半、高校生たちの練習がスタートしました。
さっそくトランポリンに上って跳び始めるのか…と思いきや、部員たちが集合したのはマットの前でした。

そして始まったのは、長座体前屈や倒立などのトレーニング。
空中での姿勢を鍛えるための基礎練習です。

地道な基礎練習がこだわり 目指すは”圧倒的な美しさ“

この日は基礎練習だけで1時間近く行われました。
星稜クラブの西川明大監督は、「やっていることはそんなに他のチームと変わるわけではない」といいながら、基礎練習に対するこだわりを明かしてくれました。

星稜クラブ 西川明大 監督
体操の基本である“美しさ”をつくるためのベースづくりを徹底的に行えて、
2~3年後を目指した指導ができることが強さの理由だと思います。

実は、トランポリンの審査項目は4つあります。

○演技点:演技の美しさ
○難度点:技の難しさ
○跳躍時間点:ジャンプの高さ
○移動点:着地の正確さ

中でも西川監督が重視しているのが、演技点につながる“美しさ”なのだと言います。

基本を大事にした「美しさ」は、教え子たちにも根付いています。
金沢星稜大学3年の井関駿太選手は、世界選手権にも出場経験のあるホープです。
中学から西川監督の指導を受けて9年目、その効果を実感しているといいます。

金沢星稜大学 井関駿太 選手
練習で飛んで下りてきたら毎回先生にマット持ってこいって言われて、体幹トレーニングをやったりしていました。
正直当時はきつかったですけど、今の演技につながっていると思います。

このクラブでは中学から大学まで一貫して、基礎練習を大事にしています。
マットでのトレーニングを繰り返しながら、美しい姿勢を磨きあげます。

星稜クラブ 西川明大 監督
とにかく焦らずに当たり前のことを当たり前にできるように、徹底してやっています。
「おお、すごいな」って思わせるぐらいの美しさを目指してします。

10月14日からはパリオリンピックの代表選考につながる全日本大会が開催されます。
トランポリン王国・石川の選手たちの美しい演技に期待です。

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