今金町の老舗豆腐店 町の歩みと店の歴史が込められた豆腐
今金町 豆腐店
- 2024年4月16日
道内でも早くから交易や漁業が発展、文化面での進展も進んだ道南エリアに多く点在する老舗の数々。そんな老舗を深掘りし、道南の魅力をお届けするシリーズ、「ぐるっと道南 老舗めぐり」。
今回は、渡島半島の北西部、古くから農業が盛んな今金町の老舗にお邪魔しました。
町の中心部に、大正10年創業の老舗の豆腐店があります。
4代目の、小川宏さんです。
地元産の大豆で作った豆腐は、しっとりとした食感と濃厚な味わいが特徴。 札幌や函館のデパートにも出荷され、昨年の道内の品評会では、金賞を受賞した逸品です。
明治の開拓期、今金町は沼地が多く川の氾濫もしばしば発生、米作りがうまくいきませんでした。そこで代わりに育てられたのが、手間がかからず、大量に収穫できる大豆でした。当時は町の中に多くの豆腐店があったそうです。
大豆は主に今金町産の「鶴の子大豆」。大粒で甘みが強い品種で、味の濃いクリーミーな豆乳がとれます。さらに、豆腐に欠かせない水の水源は、清流日本一に何度も輝く後志利別川。ミネラル豊富な水質を誇ります。
この豆腐を使った創業からのもう一つの人気商品が、油揚げ。手作業で丁寧に揚げていくため、中はふんわり、外はカリッとしていて食べ応え十分。代々受け継がれてきた自慢の味です。
長い歴史の間には、安い外国産の大豆を使わざるを得ない時代もありましたが、小川さんの代で地元産の大豆に戻しました。初代の味を守りたいという思いからです。
やはりおいしい豆腐を食べたいというお客様がいらっしゃるので、こだわりを持って今の味をしっかり守っていきたい。
町と店の歴史がこめられたこだわりの豆腐。
今金町に老舗あり!