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江差町の老舗和菓子店 歴史をつなぐ“こだわり”と5代目の挑戦

  • 2023年6月14日

道南エリアで100年以上の歴史をもつ老舗を深掘りし、道南の新たな魅力をお届けするシリーズ、「ぐるっと道南 老舗めぐり」。初回は、北前船交易の拠点として栄えた江差町の老舗にお邪魔しました。  

江差町の中心部にあるこちらが、創業153年を誇る老舗和菓子店です。

6代目代表の小笠原敏文さんです。

100年以上にわたって守り続けてきたのは、道民の誰もが一度は見たことがある、こちらの「ようかん」。程よい食感と口の中に広がるやさしい甘みが特徴です。

江戸時代の中期から明治時代にかけて、北前船が江差町に運んだ、砂糖や寒天、地元の材料を使って、和菓子作りに乗り出したのが、店の始まり、「ようかん」の誕生と言われています。

小笠原敏文さん(6代目代表)
「ニシンが捕れた影響で、北海道のほうに本州の文化がいち早く入ったということで。和菓子がおいしいなと、うちの先祖が思ったのかと思いますけれども、それで商売を始めました。」

伝統の味を守るのは、 “こだわり”です。
「ようかん」につかうのは、こちらの生あん。煮詰めた豆から皮を分離し、こし取ったものですが、材料は小豆ではなく、「金時豆」を使っています。

創業当時、江差で栽培されていた金時豆を使ったのが、始まりではないかと言われています。

職人の“こだわり”というのが、この煮詰めた生あんに、水あめを入れるタイミング!

小笠原敏文さん(6代目代表)
「みずみずしさを保つために入れるんですけど、あれを早く入れすぎると、また煮詰まって苦みとかも出てしまうので。」

煮詰まるあんの色や質感から絶好のタイミングを見極める、150年以上変わらぬ職人の“こだわり”です。

しかし、時代を重ねるにつれて、和菓子離れは進んでいます。6代目の小笠原さんは、新作の開発にも乗り出しています。

こちらは、ドライいちじくに「ようかん」を詰めた新作。新たな看板商品になりつつあります。

挑戦を続ける小笠原さんの支えは、江差の町への誇りです。

小笠原敏文さん(6代目代表)
「江差の代表といったらおかしいかもしれないですけど。江差を背負いながら、東京とかで売っていただいて、そして評価を受けた物が、江差のお客様の誇りにつながればいいなと思います。」

常に変化しながらも、150年以上の伝統を守り続ける。江差町に老舗あり!

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