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落語会 コロナを乗り越えて

  • 2023年7月21日

「まってました!」と歓喜に沸くのは…落語家!!道南落語倶楽部はことし6月、新型コロナ5類移行後初めての落語会を開きました。感染対策が緩和された落語会は演じ手にも、 うれしい会に。コロナ禍の苦労を乗り越えて活動を続ける皆さんを取材しました。 

新型コロナ5類移行後初めての落語会!
函館を中心に活動しアマチュアの落語家が所属する道南落語倶楽部の皆さんです。ことし6月、新型コロナ5類移行後初めての落語会を開きました。対策緩和もあってか会場はほぼ満席。演者も熱が入ります。

この時をまっていた!道南落語倶楽部会長佐藤さん

この時を待っていたのが道南落語倶楽部会長、東家喜夢知こと佐藤之信さんです。
普段は八雲町で簡易郵便局を営んでいます。アマチュアの落語家として25年近く芸と向き合ってきました。2020年に会長に就任してからは出演だけでなく、会場の手配や設営、プログラムの作成などをしてきました。

若き日は上京し俳優を目指していた佐藤さん。夢破れて帰郷したものの何か表現する活動を続けたい。そう考えていた時に、扇子と手ぬぐいさえあれば多彩な表現ができる落語に魅せられました。

佐藤さん「世の中のぎすぎすして、ちょっとミスすると、SNSなどで批判したりするじゃないですか。落語の世界の住民は、ミスをした人、ドジなマヌケな人間も温かく包み込むような、そういう世界なんですね。肩ひじ張らなくて、もう気楽に生きられれば、それで幸せなんじゃないかなって思わせてくれるっていうかな、そこが落語の魅力ですよね。」

コロナ禍 落語会を続ける苦労

しかしこの3年はコロナによる影響で苦労が多かったと言います。感染対策のためのパーティションを設置。お客さんの安全を考慮しましたが、演じ手にとっては辛い壁でした。

佐藤さん「お客さんとの間に隔てる壁っていうか。透明な壁があるっていう感じで。自分の顔が映る違和感ですよね。自分の顔をみた瞬間冷めてしまう。演じていて、落語に集中できないっていうかね、別のところに神経が飛んじゃうっていうかね。」

また中止した落語会も。公演ができない分収入が減ったため、配布するチラシの数を減らすなど経費削減をしました。演じ手としても会があるのか分からない中だと、稽古に身が入らなかったと振り返ります。

苦難の時期を乗り越え、佐藤さんが高座に!

落語会当日、「ちょっと調子が良すぎるので、むしろ抑えないと」と語る佐藤さん。
自ら創作した落語「まごころ郵便局」というネタで臨みます。

パーティションが無く、満席に近いお客さんを前に、いつもより会場の様子がよく見え
反応もつかみやすかったと振り返ります。
自然と心地よい「はなしの間」ができ会場も大いに沸いていきます。

会場を後にするお客さんを見送る佐藤さん「面白かった」と声をかけられていました。
佐藤さんはこの時があるからやめられないと言います。
お客さんからは他にも「パーティションが無いので 直接伝わる感じがよい」「ライブ感がよりある」などの声が上がっていました。

コロナの制限が緩和され、今後は定期的に公演が続けられる見込みです。
その今、佐藤さんの目標を聞きました。

佐藤さん「道南は、東京や大阪に比べると生の落語・演芸に触れる機会が少ないですから、落語会を続けて魅力を伝えたい。そして落語ファンのすそ野を広げていきたいなと思っています。

私も一人の落語ファンとして演芸の魅力が伝わる機会が増えればなと思います!
佐藤さんたち道南落語倶楽部の公演が今後も続いていきますよう、熱烈応援です!

三平泰丈が書いた記事はこちら
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