江別市長選挙戦いの歴史最近の選挙結果は

2023年3月17日

統一地方選挙・後半戦で行われる江別市長選挙。最近の選挙結果とともに、その歴史を振り返ります。（札幌放送局渡邉健）

江別市長選挙 1999年以降の結果を詳しく

【1999年（平成11年）】
自民、民主、社民の３党が推薦した現職の小川公人氏が、小川氏への“相乗り”を批判して立候補した前江別市議会議員の伊藤豪氏をダブルスコアの大差で抑え、２回目の当選を果たしました。

小川氏はこの１つ前、初当選した1995年（平成７年）の選挙で３期12年務めた当時の現職、岡英雄氏に1300票余りの僅差で競り勝ちました。
社会党の市議会議員だった小川氏。1995年の選挙では社会党から推薦を受け、自民党などが推薦した岡氏に挑みました。
しかし、その後は“市民党”を掲げて「一党一派に偏らない姿勢」を示し、この1999年選挙では自民党も小川氏を推薦。与野党“相乗り”での支援を得て伊藤氏を引き離し、勝利しました。投票率は62.49%でした。

【2003年（平成15年）】
３期目を目指して立候補した小川公人氏に対し、自民党江別支部幹事長を務めていた前江別市議会議員の宮本忠明氏が挑みました。
この選挙では民主党と社民党が小川氏を推薦。さらに小川氏は自民党などを支持する保守層からも幅広い支持を集めました。宮本氏を１万5000票余りの差で抑え、３回目の当選を果たしました。投票率は59.80％でした。

【2007年（平成19年）】
３期12年にわたり務めた小川公人氏は引退。道の石狩支庁長を務めていた三好昇氏が無投票で初当選を果たしました。

江別市長選挙の無投票は小川氏の前任、岡英雄氏が３選した1991年（平成３年）以来16年ぶりのことでした。

【2011年（平成23年）】
無投票が続きます。対立候補が現れることはないまま、三好昇氏が２回目の当選を決めました。
戦後の江別市長選挙は、1954年（昭和29年）に市制が施行される前の江別町の時代を含め前回・４年前の選挙まで計19回行われていますが、このうち３分の１にあたる６回が無投票でした。
このうち、岡氏は1987年（昭和62年）の２選目と次の1991年（平成３年）の３選目。三好氏は１選目と２選目の２回続けて無投票で当選しています。

【2015年（平成27年）】
2003年（平成15年）以来12年ぶりの選挙戦となりました。
３期目を目指して立候補した三好昇氏に対し、前江別市議会議員の岡英彦氏と市の元職員の鈴木誠氏の２人が立候補。
三好氏は自民党の支援を受けて保守層や無党派層からも幅広く支持を集め２万4000票近くを獲得。３回目の当選を果たしました。投票率は55.84％でした。

【2019年（平成31年）】
三好昇氏が３万票近くを得て前江別市議会議員の堀直人氏を抑え、４回目の当選を果たしました。江別市長の任期が４期目に入ったのは戦後初めてのことです。
三好氏は選挙戦で、子育て世代の転入を促し企業誘致などに取り組んだ実績をアピールしたほか、厳しい経営が続く市立病院の経営改善策などを訴えました。
自民党江別支部からの支持のほか、経済団体や労働組合などからの支援も受け、組織票を固めたうえ無党派層などからも幅広く支持を集めました。投票率は52.15％で過去最低となりました。

投票率過去最高は91％！

江別市長選挙の投票率は、選挙戦となった直近の３回、2003年（平成15年）、2015年（平成27年）、2019年（平成31年）といずれも50％台。低迷を続けています。
しかし、今から遡ること約70年前。1954年（昭和29年）の市制施行直後には、投票率は実に90％を超えていました。
1955年（昭和30年）の選挙は90.58％。最も高かったのは、次の1959年（昭和34年）選挙の91.09％です。
この1959年選挙は、市制施行前の江別町長を務め初代・江別市長に就いた古田島薫平氏の引退を受けて、新人３人が争う激しい選挙戦となりました。
当選を果たした２代市長の松川清氏と次点の荒井信勝氏との票差は僅か236票という接戦でした。