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新篠津村にロマンあふれる「たっぷ天文台」誕生!

  • 2023年11月22日

こんにちは!「ほっとニュース道央いぶりDAYひだか」道央担当リポーター、坂井里紗です。今回伺ったのは、石狩地方の新篠津村。農業が盛んなイメージがありますが「そらのまち」でもあるんです。グライダーの発着場があったり、夏には村の一大イベント「新しのつ青空まつり」が開かれたり…。そして11月、新篠津村の夜空を楽しめる施設がオープン。愛称は「たっぷ天文台」です。

新篠津村は、高い建物がなく夜は明かりが少ないことから、広くきれいな星空を楽しめるとして、数年前から星座早見盤が設置された星空の観測場を作るなど「星が見える村」をPRしているんです。

かっこよすぎ!「たっぷ天文台」

こちらが、新たにオープンした天文台。え?!これが天文台?!サムネイルの画像とちょっと違うような、秘密組織の事務所のような…。スタイリッシュな見た目です。

すると、天文台のシャッターが開き…!

そ、外側の建物が、動きだした…!!

わー!天文台だ!!中からは、大きな望遠鏡が!さながらロボットアニメのよう!坂井大興奮です!道内初のフルオープン式の天文台で、外側の建物がスライドして動くことで望遠鏡が現れ、天井もなくなり、新篠津村の広い星空を楽しむことができるんです!

望遠鏡は、口径50センチの反射式望遠鏡。坂井と比べるとこんなに大きい!迫力満点です。この望遠鏡は、口径が大きく光をたくさん集められるため、より暗く遠い天体が観察できるといいます。人間の目では6等星まで見えるそうですが、この望遠鏡では15等星くらいまで見えるそうです。ちなみに、たっぷ天文台には、口径15センチの望遠鏡も備えられています。太陽や月、惑星など明るい天体を見るときはこちらの方が見やすいそうです。どんな天体を見るかによって使い分けられるんだそうです。

台長、山本修さんの思い

たっぷ天文台の魅力や望遠鏡の使い方をもっと知りたい!天文台の台長で関西出身の山本修さんにお願いしました。

山本さん「どうも~!!」

突然始まったのは、ま、漫才?!?!実は山本さん、地域おこし協力隊としても活動。各地のイベントに出演し、漫才で村をPRしているんです。相方は、村のキャラクター、しんしのつのおこめちゃん。この日は、望遠鏡の使い方を漫才で教えてくれました。

「たっぷ天文台」台長 新篠津村の地域おこし協力隊 山本修さん
「みなさん真面目な説明だけやったらつまらないと思うので、ちょっと面白おかしく関西風に。そう思ってやっています。」

ユーモアたっぷりで、明るくやさしい山本さん。もともとは奈良県の学校の理科の先生でした。退職後、大自然に憧れて北海道にやってきたといいます。去年から、村が開く星空を観測するイベントに講師として参加。天体の解説などを担当しました。

「たっぷ天文台」台長 新篠津村の地域おこし協力隊 山本修さん
「理科の先生をやっていました。地学の分野で、その中でも星が好きなので天体を教えていました。自分の生まれた場所が星がきれいで、小さいころから空を見上げるのが好きでした。新篠津村は、地平線から天頂まで見えるし、明かりが少ない。すばらしいなと思いましたね。今までこんな星空に出会えなかったので、来てよかったなと思っていますね。」

なんと、この望遠鏡も山本さんがずっと保管していたもの。新篠津村に天文台を作る計画を聞いて、寄贈を決意しました。

「たっぷ天文台」台長 新篠津村の地域おこし協力隊 山本修さん
「小さいころから、自宅にドームを作って大きな望遠鏡で星を見たいと思っていたんですけど、場所的なこともあるし。長いこと倉庫に眠っていたんですよね。実は、ここで組み立ててもらって初めて出会ったんです。なかなか自分ではかっこいいなと思っているんですけどね。」

いざ!望遠鏡で空を観測!

愛おしそうに望遠鏡を見つめる山本さん。この時期のみどころを教えてもらいました。

山本さん「秋の星座で言うと、“ペガスス”という星座があるんですよ。」
坂井「聞いたことがあります。」
山本さん「そこに“アンドロメダ大星雲”というのがあるんですよね。写真なので、かなり光集めて明るく見えているんですけど、この大望遠鏡ならぼわーっとした感じで、見えるんですよね。」

山本さんによると、低い位置にある暗く見えにくい星雲や星団、銀河、また土星なども見えるんだとか。あたりも暗くなってきたところでいよいよ天体観測!と思いきやこの日はあいにくのお天気…。天気がいいと、きれいな星々が堪能できます。

星空は見えませんでしたが、望遠鏡を使ってみたい!ということで、およそ1キロ先の橋についている光を見てみました。…すごい!!!肉眼では豆粒のような小さな光が、ライトの構造も分かるくらい大きくしっかり見えるんです!その感動は写真ではお伝え出来ないので、気になる方は、たっぷ天文台に行って望遠鏡をのぞいてみてください!

天文台の開館日には村内外から多くの人が訪れるといいます。天体にロマンを抱く山本さんの思いが新篠津村の人たちに届いているようです。

「たっぷ天文台」台長 新篠津村の地域おこし協力隊 山本修さん
「ひとりでも宇宙に興味を持ってほしいなと思ったんですね。たくさんの人に見てもらえて、寄贈してよかったなと。望遠鏡もね、日の目を見たなと思っていますね。広い意味で新篠津村を知ってもらえるように。たくさんの観光客に来ていただいて、それがまた新篠津村のためになれば。」

取材後記

本当に明るくてやさしい山本さん。取材中も何度も山本さんのお言葉で場が和んでいました。そんな山本さんに新篠津村で叶えたい次の夢を教えてもらいました。

「たっぷ天文台」台長 新篠津村の地域おこし協力隊 山本修さん
「天文台の周りを『天文パークにしたい』というのが次の夢です。もともと天文台は、『時を知る』とか『季節を知る』というのが目的やったんですけど、それを知ってる方はあんまりいないと思うんです。イギリスにあるストーンヘンジみたいな、芝生に石を置いて、『この石のそばに行けば何星が見える』とか『ここに日が沈む』とかね。望遠鏡をのぞくだけじゃなくて、この広場で宇宙を感じて、天文台の原点を知っていただけたらなと思っています。」

「しんしのつ天文台」、愛称「たっぷ天文台」は、金曜、土曜、祝日の前日は一般開放、火曜は予約制で公開しています。ただし、雨天や雪で中止になることもあるそうです。今年度は11月末で冬期休業に入り、来年4月から再び開館する予定だということです。

私も星を見るのが大好きで、春頃から山本さんとお話してオープンを心待ちにしていました。心や体が疲れた時、柄にもなく星を見上げて物思いにふけります。「あの星からこちらはどんな風に見えているのだろう」「あの星にも私のような気持ちを抱えている人がいるんだろうか」…。どんどん想像が膨らみ、頭が休まる気がします。家から見上げることもあれば、展望台や天文台に足を運んだり、星が見える私だけのスポットを探しに出かけたり…。今回のロケでは星は見られませんでしたが、いつか、新篠津村で一面の星空を、たっぷ天文台で天体の数々を見て、遠い宇宙に思いを馳せたいなあ。みなさんも星がきれいに見えたらその感動をぜひ私にも教えてくださいね!天文台に行く際は、しっかりと暖かい恰好をしてお出かけください☆彡

道央いぶりDAYひだか
坂井里紗
2023年11月22日

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