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赤井川村の秋は「かぼちゃ」推し!

  • 2023年10月30日

浮かれた登場ですみません…「ほっとニュース道央いぶりDAYひだか」道央担当リポーター、坂井里紗です。きょうのテーマはハロウィーンの主役「かぼちゃ」です!訪ねたのは、後志の赤井川村。山に囲まれたカルデラ状の地形のため、内陸性の気候なので、朝晩と日中の寒暖の差が激しいのが特徴。そんな気候を生かして、赤井川村では農業が盛ん。「北海道で作ることができる野菜は赤井川でもできる」と言われるほどなんです。

 なかでも今、村が推しているのが「かぼちゃ」。村で作られる野菜の中で作付面積が最も大きいんです。赤井川村のかぼちゃは甘みが強く身が引き締まっているそうです。 

かぼちゃグルメが熱い!

村の道の駅には、かぼちゃグルメが盛りだくさん。こちらは、今月販売が始まったお焼き。描かれているのは赤井川村のキャラクター「あかりん」です♪中にはかぼちゃのあんがぎっしり!食べ応え満点でした!

道の駅内のレストランには、かぼちゃのペーストを練りこんだソフトクリーム。食べていた人たちに話を伺うと「かぼちゃの風味がいい!」「赤井川のかぼちゃはおいしいので選びました」とおいしさを教えてくれました。

ほかにも、不動の人気を誇るかぼちゃのまんじゅうや、ふわふわのパン生地との相性が抜群なかぼちゃのどらやきも。かぼちゃ三昧です。どれもとってもおいしかった~!!

道の駅の簗瀬覚さんにお話を伺いました。

道の駅あかいがわ 広報 企画 簗瀬覚さん
「赤井川はかぼちゃの作付けが多い。ただ、はね品になるかぼちゃも多いので、3年ほど前から商品開発を始めました。村には、かぼちゃを一生懸命に頑張って作っている方がたくさんいるので、少しでも応援したい。赤井川のおいしいかぼちゃを全道、全国に広めていければなと思っています。」

かぼちゃに人生をかける農家

出会ったのは、阿部良多さん。10年ほど前から地元の赤井川村でかぼちゃを栽培しています。作っているのは、かぼちゃだけ。「かぼちゃ専門」の農家さんなんです!

収穫が終わり、かぼちゃは倉庫の中に。すごい量です!

目指すは「日本一のかぼちゃ」。阿部さんが作るかぼちゃは、高いものでひとつ7000円以上するといいます。見た目もおいしく。とにかく磨くんです!ブラシが付いた機械に通して泥やほこりを 取り除いたあと、さらにたわしを使って磨いていきます。さらにさらに箱詰め前にもうひと磨き。計3回磨いて、つやつやなかぼちゃが出荷されます。

ABE FARM 阿部良多さん
「相当磨くんですよ!自分で触って、傷みがないかどうかをチェックしています。種から育てて口に入るまでがプロの仕事。徹底して『まあ、いっか』を無くしてお客様のもとへ届けたい。」

阿部さんは、栽培でも小さなひと手間を大切にしています。かぼちゃが実をつけてこぶし大の大きさになったら、かぼちゃの下や側面にマットを当てます。

ABE FARM 阿部良多さん
「かぼちゃには、毛穴があってそこから呼吸をしています。土に密着すると呼吸できなくなって、黄色く変色してしまい、痛みやすくなる。また、つるに当たって傷がつくこともあるので、当たるところにマットを当てています。」

かぼちゃで勝負する農家のこだわりです。ひとつひとつ触って確認するため、どこにどのかぼちゃがあるか、全部を把握しているといいます。

ABE FARM 阿部良多さん
「まさに子供を育てるような感じ。手をかければかけるだけ、情熱も入るし愛着も湧いてくるし、そういうものがかぼちゃをおいしくさせるんだと思います。どれも大変な作業ですが、何がかぼちゃにとって一番良いのか、ストレスなく実をつけてもらえるのかを考えて、かぼちゃと会話しています。」

そうして作られたかぼちゃ。実がぎっしり詰まっていて、皮が薄い!みずみずしいのは、糖分です。阿部さんは、完熟させてから収穫しています。そうすることで、甘みがぐっと増すんだそうです。

かぼちゃ専門農家のこだわりのかぼちゃ。どんな味がするのでしょうか?!ふかしかぼちゃでいただきました。ほっくほく!なめらかな食感で甘みが強い!!とても濃厚でおいしい…!

ABE FARM 阿部良多さん
「かぼちゃは味付けして食べることが多いかもしれませんが、ふかしただけ、揚げただけ、味付けをしないでダイレクトで食べてほしい。ステーキをナイフとフォークで食べるように、かぼちゃもナイフとフォークを使って食べるようになっていけばいいなと思います。」

かぼちゃの加工品

阿部さんは、かぼちゃの加工品にも力を入れています。4年ほど前、関東に大きな被害をもたらした台風で、およそ20トンのかぼちゃが出荷できなくなりました。そのことがきっかけで、かぼちゃを日持ちさせることができる加工品の製造にも着手しました。

そして、ことし完成した新商品が、かぼちゃを使ったカレーです。村が助成金を出し、特産品にしようと作りました。かぼちゃの味が前面に出ているわけではありませんが、かぼちゃの甘みやコクがいい仕事をしているんです…!スパイシーなカレーとよく合います。

ABE FARM 阿部良多さん
「かぼちゃなどの商品が目立てば目立つほど、赤井川村がピックアップされていくと思います。赤井川で生まれ育ったので、この村を盛り上げていきたい。そして、赤井川には他の作物でも、スペシャリストがいっぱいいるんですよ。赤井川=野菜って言うのをもっとPRしていければいいなと思います。自分がやっていることや自分のかぼちゃは、世界一だと思っているので、あとは世界の人たちに食べてもらいたい。」

取材後記

「かぼちゃは人生」と話す阿部さん。「かぼちゃ専門の農家」として、1年中かぼちゃを作りたいと、冬は九州でかぼちゃを栽培しているんです。かぼちゃ愛がすごい!!明るくユーモアにあふれる人柄と、かぼちゃへ向ける真剣なまなざしが印象的でした。今回、かぼちゃについて知識がなかった私が参考にしたのが、阿部さんが動画投稿サイトに投稿している動画。自分のかぼちゃの育て方や思いなどを紹介しています。

ABE FARM 阿部良多さん
「どんな人がどんなところでどんなものを作っているかを知ってほしかった。失敗談も成功談も、うそ抜きで皆さんに伝えたい。あとは、みんなが見てるんで、『やらなきゃ!』という気になる。自分を奮い立たせるわけじゃないですけどね。」

阿部さんの熱い思いで、かぼちゃとともに赤井川の名が世界にとどろきそうです。
最後に、阿部さんのかわいらしい相棒を紹介します!ミントくん!阿部さんの後ろを歩いて行ったり、お話する阿部さんの目をまっすぐに見ていて絆を感じました。私たちの撮影にも協力してくれたり、たくさん癒しもくれたり…ミントくんも本当にありがとうございました!!

道央いぶりDAYひだか
坂井里紗
2023年10月30日

前回はタンチョウの飛来地、長沼町へ。タンチョウを見守り住みよい環境を作ったり、町おこしにつなげる活動を行っています。こちらも併せてチェックしてください!
「タンチョウ」を愛する町 長沼町

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