津別2週目 町民が集う 幸せになれるゲストハウス
- 2023年5月18日
ディレクターが滞在するゲストハウス。ここは津別町のローカルフレンズ・都丸雅子さんが運営しています。
都丸さんはこのゲストハウスを、宿泊場所にとどまらず地域の交流の場にしたいといいます。
その想いが伝わったのか、地元の人がフルートの練習に来たり、飲みに来たり。町の元校長先生が英語の先生を連れて、やってくることも。日々たくさんの人が訪れます。
都丸さんの「町の利用者も大切にしたい」という思いの背景には、とある場所の存在がありました。
車で5分。その場所へ連れていってもらうことに。
案内されて建物に入ってみると、酒盛り中。
壁にずらりとならんだ空き缶。いったいここは……?
会場にいた人のエプロンには、「でてこいランド」という文字が。
エプロンをつけていたのは、でてこいランドの事務局長・山内彬さん。
「でてきてちょうだい、そういう意味なの」
障害の有無や年齢を問わず使える宿泊施設として、1996年に建てられた「でてこいランド」。
一時は、年間2000人が訪れる人気施設でした。地元の人にとっても、生きがいと呼べるほど大事な場所です。
都丸さんは、でてこいランドを一つの目標に、自らのゲストハウスも地域に欠かせない場所にしようとしているのです。
さて、滞在10日目。
ゲストハウスに、今日も地域のお客さん。
やってきたのは4姉妹。なんと平均年齢は80歳近くだそう。季節ごとに訪れて、それぞれの人生を振り返る時間を楽しんでいます。
この日も、お酒を片手にみんなで談笑。聞くと、4姉妹の中には町で唯一のクリーニング店を営む方がいるといいます。
松浦恵子さん(写真左)「100年近くなるのかね、じいちゃんがやりだしてからでは」
でも実は10年前、お店は存続の危機に立たされました。店を切り盛りしていた夫が、急病で亡くなったのです。
クリーニング屋は夫の免許で営業していたため、このままではお店が廃業になってしまう。
松浦さんはこのお店を守るため、試験の勉強をはじめました。67歳のときでした。
「(一回)落ちて。もうやめようって思ったんだけど、もう一回だけ挑戦してごらん、って周りの人が言ってくれて」
その後、無事試験に合格。以来10年間、週に6日お店に立っています。
夫が亡くなってから松浦さんを支えたのは、地域の友だちとの楽しいひと時。
この日も、松浦さんと都丸さんと一緒に町のスナックへ。笑顔で歌って踊る松浦さんは、とてもイキイキとしていました。
仕事も楽しみも全力で。大切なことに気が付かせてくれる、素敵な出会いになりました。