ページの本文へ

NHK北海道WEB

  1. NHK北海道
  2. NHK北海道WEB
  3. ほっとニュースweb
  4. 【解説】道議会議員選挙 ポイントは?注目選挙区は?

【解説】道議会議員選挙 ポイントは?注目選挙区は?

  • 2023年3月31日

“春の政治決戦”統一地方選挙。北海道議会議員選挙が3月31日告示され、9日間の選挙戦が始まりました。 道議会議員選挙のポイント、注目選挙区について、道庁キャップが解説します。(札幌放送局  眞野敏幸)


46選挙区に133人立候補

NHKのまとめによりますと、道議会議員選挙は46選挙区、100の定員に対して133人が立候補しました。

党派別では、自民党が54人、立憲民主党が30人、公明党が8人、共産党が8人、日本維新の会が1人、国民民主党が1人、参政党が3人、諸派が2人、無所属が26人となっています。

道議会に議席を持つ自民党、立憲民主党、公明党、いずれも前回並みの擁立となりました。共産党は前回より4人少なくなっています。
日本維新の会、国民民主党、参政党は道議会での議席確保を狙います。  
このうち無投票で当選が決まったのは19選挙区のあわせて30人で、これまでで最も多かった前回・4年前に比べて2選挙区・5人少なくなりました。 
新旧別では現職が79人、元議員が1人、新人が53人で、このうち女性は23人。前回より1人増えました。 
道議会議員選挙は知事選挙や札幌市長選挙、札幌市議会議員選挙とともに4月9日に投票が行われ、即日開票されます。


札幌市東区 与野党5党が擁立 4議席を争う

札幌市東区は与野党5党が候補者を擁立しました。4議席を争います。現職の4人に新人1人が挑む構図。与野党候補者がぶつかります。

立候補したのは、届け出順に、▽日本維新の会の新人で新党大地が推薦する山崎真由美氏(49)、▽共産党の現職、宮川潤氏(62)、▽自民党の現職、渡邊靖司氏(67)、▽立憲民主党の現職で社民党が推薦する渕上綾子氏(48)、▽公明党の現職、阿知良寛美氏(67)の5人です。

山崎真由美氏(維新・新)
「新型コロナや物価高騰の中で私たちに寄り添った政治が行われただろうか。もっと女性が政治に参画し、生きやすい未来、社会をつくっていかなければならない」

宮川潤氏(共産・現)
「攻撃のための兵器は持つことなく、しっかり平和の交渉をやっていくことが必要だ。軍拡路線を打ち砕くような選挙にしていかなくてはならないと思っている」

渡邊靖司氏(自民・現)
「北海道には、まだまだ課題がたくさんある。たとえば漁業においては赤潮の問題も、いまだ解決していない。そのたくさんの課題を1つ1つ、私は解決していきたい」

渕上綾子氏(立民・現)
「4年前に初当選して以来、北海道議会では人権を中心に政策に取り組んできた。多様性を力にして、多様な力で、この東区を、北海道を盛り上げていこうではないか」

阿知良寛美氏(公明・現)
「長引いたコロナ禍で疲弊した経済を何としても再び立ち上げていきたい。その1つが丘珠空港の滑走路延伸で、防災拠点空港としてしっかり整備していきたい」


定員1増の恵庭市 2議席を与野党の3人が争う

道議会議員選挙では今回、一部で定員が変わりました。
恵庭市で1増え、釧路市で1減ります。
このうち恵庭市は、定員増を受けて自民党は2人を擁立。立憲民主党も1人を擁立しました。2議席を与野党の3人が争う激しい選挙戦となります。
自民党が2議席を独占するのか、立憲民主党が1議席を確保するのか、注目されます。

立候補したのは、届け出順に、▽立憲民主党の新人で社民党が推薦する和泉優氏(45)、▽自民党の現職で公明党道央総支部が推薦する田中芳憲氏(66)、▽自民党の新人で公明党道央総支部が推薦する早坂貴敏氏(46)の3人です。

和泉優氏(立民・新)
「身近な道政をつくっていきたい。北海道はどんどんと人口が減ってきているので、分野横断的に、みなさま1人1人が安心して暮らすことができる生活を実現してこそ、真の少子化対策は成るのだと考えている」

田中芳憲氏(自民・現)
「インフレに対応した北海道、負けない北海道をつくっていかなければならない。安定した電力や情報といった、人口減少に対応ができるような北海道をつくり、ひいては恵庭のまちづくりに還元をしていきたい」

早坂貴敏氏(自民・新)
「恵庭市の議席が1つ増えたが、これは恵庭にとって千載一遇のチャンスだ。北海道のポテンシャルを最大限に発揮できるよう可能性を発掘し、恵庭のまちがけん引力をもって引っ張っていかなければならない」


定員1減の釧路市 3議席を現職4人・新人1人が争う

定員が1減った釧路市は、しれつな争いになりそうです。
定員が3に減る中、現職4人がいずれも立候補しました。
新人を含めた5人が3議席をめぐって争う激しい選挙戦となりそうです。

立候補したのは、届け出順に、▽立憲民主党の現職で社民党が推薦する壬生勝則氏(55)、▽自民党の現職、笠井龍司氏(57)、▽自民党の現職で新党大地が推薦する小畑保則氏(74)、▽公明党の現職、田中英樹氏(54)、▽無所属の新人、鶴間秀典氏(48)の5人です。


上川地域 新たな議席めぐり激戦か 保守分裂 3議席を4人が争う

今回の選挙、「世代交代」というのも1つのキーワードです。
現職あわせて16人が引退します。任期中の死去などで欠員は5となっていて、この少なくともあわせて21議席で議員が交代するということになります。議会の定数が100で、全体の5分の1が入れ代わることになります。

そうした中で、上川地域は新たな議席をめぐって激戦が予想されます。
前回、2議席を獲得した自民党は、1人が任期途中で死去。もう1人の現職も引退します。新人3人の間で候補者調整を進めたものの整わず、2人を公認したうえ、1人を推薦としました。立憲民主党の現職を含めた4人が3議席をめぐって争います。
これまで立憲民主党が議席を確保してきている中で、自民党が支援する候補どうしが議席を争う「保守分裂」の格好になります。

立候補したのは、届け出順に、▽自民党の新人で公明党旭川総支部が推薦する金子益三氏(54)、▽自民党の新人で公明党旭川総支部と新党大地が推薦する今津寛史氏(49)、▽無所属の新人で自民党と公明党旭川総支部が推薦する水間健太氏(40)、▽立憲民主党の現職で社民党が推薦する北口雄幸氏(66)の4人です。上川地域が選挙戦となったのは2007年(平成19年)以来、16年ぶりです。

金子益三氏(自民・新)
「医療の崩壊の第一歩、第二歩が始まるとも言われる。地域の基幹病院を支えていくため、大病院とつなぎ、医療従事者や介護従事者の負担を軽減していく」

今津寛史氏(自民・新)
「いかにして日本の食の安全保障に貢献をし、いかに首都圏の経済機能のバックアップ拠点としての役割を果たしていくかだ。私に仕事をさせてほしい」

水間健太氏(無・新)
「農業者を支援する政策をしっかりと訴え、地域の経済を支えていきたい。この地域で生まれ育っていく子どもたちに、この重要な財産を残していきたい」

北口雄幸氏(立民・現)
「農家を大規模化、大規模化へと誘導していった責任は国にある。国は何も地方の実態を知らない。だからこそ、地方がしっかり声を上げていく必要がある」


無投票は19選挙区 全体の4割以上の選挙区

今回、19の選挙区であわせて30人が無投票で当選しました。
前回よりは減りましたが、選挙区の数では全体の4割以上、当選者数では3割が無投票となりました。

定員1の胆振地域は自民党の新人で公明党苫小牧総支部が推薦する戸田安彦氏(54)が初めての当選です。
9期務めた現職は引退します。胆振地域は2011年(平成23年)以来、これで4回続けて無投票です。

戸田安彦氏(自民・新)
「胆振には『いぶり五大遺産』もあり、まだまだポテンシャルがたくさんある。北海道と国との間のネットワークをつなげていくのが、わたしの仕事だと思っており、みなさま方と一緒にこの胆振を盛り上げていきたい」

今回、胆振・日高地方は苫小牧市を除いてすべて無投票。桧山、オホーツク、根室の各地方でも域内の選挙区すべてが無投票となりました。
このうち、定員1の根室地域ではいったん、引退を表明したベテランが一転して立候補。もう1期務める異例の展開となりました。
自民党の現職で公明党釧路総支部が推薦する中司哲雄氏(75)が無投票で6回目の当選を決めました。

中司哲雄氏(自民・現)
「無投票だったがこの根室管内の代表として働けという激励だと受け止めている。厳しい経済や酪農、観光などをしっかりもり立てていく、そのことが私に与えられた4年間という時間の大事な役割だと思っている」

「辞める」のをやめた… 道議会議員選挙 根室地域選挙区

 

定員2の渡島地域。自民党と立憲民主党が議席を分け合いました。
自民党の新人で公明党函館総支部が推薦する前田一男氏(56)は初めての当選です。また、立憲民主党の現職、笹田浩氏(62)は4回目の当選です。
渡島地域は前々回・2015年(平成27年)以来、これで3回続けて無投票です。

前田氏は2012年(平成24年)の衆議院選挙で初当選し、2期務めましたが、その後、2回の選挙では議席を確保できず、今回、道議会議員に転身しました。
元衆議院議員が「新人の道議会議員」となりました。
これに伴い、渡島地域の自民党の現職は国替えして函館市から立候補しています。

前田一男氏(自民・新)
「道政においては全くの新人なので、一からスタートするつもりで、北海道の振興のために、そして渡島の発展のために力を尽くしていきたい」


投票日は4月9日 27選挙区では論戦へ

無投票を除く残る27の選挙区では、4月9日の投票日に向けて論戦が交わされることになります。
知事選挙でも議論が戦わされていますが、やはり最大の課題は人口減少です。
道内経済をどう活性化させ、少子化対策を講じていくのか。また、物価高騰への対応、農林水産業、インフラ、エネルギー、防災をめぐる問題もあります。
事業を行う予算や政策を進める上での条例を決めるのは今回の選挙で選ばれる100人の道議会議員です。活発な論戦が期待されます。

2023年3月31日

 

道議会議員選挙 各選挙区の状況はコチラです👇

道内の動きを時系列で追いかけます👇

チョイス北海道 トップページ👇

北海道の選挙を詳しく👇

 

ページトップに戻る