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「辞める」のをやめた… 道議会議員選挙 根室地域選挙区

  • 2023年3月31日

“春の政治決戦”統一地方選挙。北海道議会議員選挙と札幌市議会議員選挙が3月31日に告示され、9日間の選挙戦が始まりました。
道議会議員選挙では無投票となる選挙区が相次ぎました。 道東の根室地域選挙区もそのひとつです。 取材すると議員のなり手不足が深刻になっている現状が見えてきました。(中標津支局  原田未央)


いったん引退を表明も…

根室地域選挙区は定員1。
自民党の現職で公明党釧路総支部が推薦する中司哲雄さん(75)が無投票で6回目の当選を決めました。

中司哲雄さん
「無投票だったがこの根室管内の代表として働けという激励だと受け止めている。厳しい経済や酪農、観光などをしっかりもり立てていく、そのことが私に与えられた4年間という時間の大事な役割だと思っている」

道議会議員を20年務めてきたベテランの中司さん。
実は1年前の去年3月、高齢などを理由にいったん引退を表明していました。

中司哲雄さん
「ちょうどそれで20年の任期になるし、自分ももう75歳になるので、節目の年になるので、やっぱりもう今期で終わりだなという思いがあった」

しかし、地元では後任探しが難航。
なかなか適任者が見つからず、意中の候補にも断られてしまいます。


「酪農」の地域で…

酪農が基幹産業の根室地域。
この地域では、歴代、酪農家や農協幹部の出身者が道議会議員を務めてきました。

中司さん自身も酪農を営み、地域の声を届けてきました。
しかし、近年、酪農を取り巻く環境は厳しさを増しています。
農場の人手不足に加え、ウクライナ侵攻後の飼料高騰や生乳の生産抑制などが追い打ちをかけています。
経営に余裕がなくなり、酪農関係者から「議員になりたい」という声はほとんど聞かれなくなっています。


地元からの要請で引退撤回

なり手が見つからない中、地元では「ベテランの力が必要だ」として、再度、中司さんに立候補を要請。

そして去年の暮れ。引退を撤回して立候補を表明しました。

中司哲雄さん
「ずっとね、『辞めるのやめた』なんてみっともないことはしませんというふうに言ってきたんですけれどもね、結局そういうことになってしまって」


なり手不足に危機感 後継者育成を

なり手不足に危機感を感じた中司さんは、若い酪農家との意見交換会を開いています。こうした交流を通じて、後継者の育成にも力を入れる考えです。

中司哲雄さん
「若手の人たちの意見もどんどん出してもらいながら、この地域を通して一緒に考えていく。その中から政治に関心も深まってくるだろうし、そういうことををやっぱり4年間続けていくということは、次にバトンを渡す大事な要素になるのかなっていうふうに思っています」


無投票は19選挙区30人

NHKのまとめによりますと、道議会議員選挙は46選挙区、100の定員に対して133人が立候補しました。
このうち無投票で当選が決まったのは19選挙区のあわせて30人で、これまでで最も多かった前回・4年前に比べて2選挙区・5人少なくなりました。

道議会議員選挙は、知事選挙と札幌市長選挙、札幌市議会議員選挙とともに4月9日に投票が行われ、即日開票されます。

2023年3月31日

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