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“道内初”士幌町の取り組み 自宅で期日前投票を

  • 2023年4月6日

4月9日に行われる統一地方選挙の前半戦。その期日前投票で十勝の士幌町は投票箱などを車に積んだ移動式の投票所を導入し、投票所までの移動が難しい高齢者などの自宅を回りました。道内で初めてだというこの取り組み。狙いは投票機会の確保です。(帯広放送局  米澤直樹)


道内初の試み 投票箱が有権者の自宅へ

4月6日、事前に申し込んだ町内の有権者10人の自宅を、投票箱を積んだ車が1軒ずつ訪ねていきました。
車には選挙管理委員会の職員のほか、町のケアマネージャーも乗っていて、足が不自由な高齢者が車に乗り込む際には転倒しないよう、背中に手を添えるなどしてサポートしていました。

車の後部座席には間仕切りが置かれた机と投票箱が設置されていて、有権者は候補者の名前を書いて1票を投じていました。

道選挙管理委員会によりますと、道内ではこれまでも移動式の期日前投票所が各地で設置されてきましたが、自宅まで訪問するのは士幌町が初めてだということです。


利用者「投票に行きたい人が増えると思う」

今回、制度を利用した坂本林子さん(88)。数年前に雪道で転んでから、日常生活での歩行に困難を抱えるようになりました。
これまでの選挙では、タクシーを呼んで投票所まで向かっていたということですが、町にはタクシー会社が1社しかなく、選挙当日は混みあうこともあることから、今回、町の移動期日前投票所を利用することにしました。

坂本林子さん
「大変感謝しています。これまでは足が不自由なら『投票に行かない』という人が多かったと思いますが、こういうサポートがあれば投票に行きたいという人が増えると思います」

坂本林子さん
「高齢者でも障害があっても投票できるこうしたシステムを町が作ってくれたことは非常に助かるし、新しい発想でよいと思います」


きっかけは町民の声 町選挙管理委員会「投票機会の確保に」

士幌町が移動期日前投票所の取り組みを実施したのは、去年の参議院選挙の後に町民から寄せられた声がきっかけでした。
町によりますと、去年の参議院選挙のあと、町民から「足が不自由だが郵便投票の対象にはならず、投票できなかった」と相談があり、解決策を検討してきました。
そして、道の選挙管理委員会などと協議を重ねた結果、ジャンボタクシーの後部座席に間仕切りを設置して投票の秘密を守り、選挙管理委員会の職員も同乗し移動中も投票箱を厳密に管理するなどすれば、法令上の問題をクリアできると判断したということです。

士幌町選挙管理委員会事務局 西野孝典事務局長
「体が不自由だったり、年齢的な問題で投票所まで向かうのが難しかったりする方の投票機会を確保することにつながればうれしい」

士幌町では後半戦、4月23日に行われる町議会議員選挙でも、同様の取り組みを行うことにしています。


取材記者の視点

このニュースのポイントは、「郵便投票の厳格基準導入の背景に」です。
今回の取り組みのきっかけは、去年の参議院選挙のあと、「足が不自由だが郵便投票の対象にはならず、投票できなかった」と町に相談があったことでした。
郵便投票には厳しい基準が設けられていて、足の機能が失われるなど重い障害がある場合や介護なしでは生活できない「要介護5」の人などに限られています。制度の対象にならない人の投票機会を守れるか。士幌町の取り組みがほかの自治体にも広がっていくかが注目されています。

2023年4月6日

 

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