【プチトリビア】投票しやすくします 期日前投票で取り組み 士幌町は「自宅」で…

選挙の投票所は場所が限られていて、移動が難しい有権者にとって「投票したくてもできない」状況も考えられます。こうしたなか、十勝の士幌町はことし４月の統一地方選挙で、道内初の取り組みを始めます。条件を満たせば「自宅」で期日前投票できるということです。一方、上川の幌加内町では今回の統一地方選挙でも「巡回式」の期日前投票を行います。（帯広放送局  米澤直樹・旭川放送局  海野律人）

士幌町 自宅で投票できます

士幌町によりますと、去年７月の参議院選挙のあと、町民から「足に障害があるが郵便投票の対象にはならず、投票できなかった」と相談があったということです。
町が解決策を検討した結果、ことし４月の統一地方選挙で、ジャンボタクシーに投票箱や記載台を設置した「移動式」の期日前投票所を導入し、町の職員などが同乗したうえで、有権者の自宅を訪問する取り組みを始めることになりました。

道選挙管理委員会によりますと、去年の参議院選挙で道内では６つの自治体で「移動式」の期日前投票所が設置されましたが、自宅を訪問するのはこれが初めてだということです。
また総務省も、「こうした取り組みは聞いたことがない」としていて、全国的にも非常に珍しいということです。
士幌町選挙管理委員会は「投票したい人の意思を損なわないようにするために検討した結果、導入を決めた」と話しています。

幌加内町 「移動式」ならぬ「巡回式」を今回も…

「移動式」の期日前投票所に似たものとして、投票箱を移動させる「巡回式」もあります。
幌加内町郊外の添牛内地区と母子里地区では、人口減少を理由に、おととしの衆議院選挙の際、投票日当日の投票所が廃止されました。
町の選挙管理委員会は「２つの地区の有権者が不便に感じないように」と、その衆議院選挙から「巡回式」の期日前投票所を設けています。
去年の参議院選挙では２日間、午前と午後、それぞれ地区を変えて投票所を設置したところ、２つの地区の有権者およそ40人のうち24人がこの「巡回式」投票所で１票を投じたということです。

午前の投票終了後 次の地区に投票箱を運ぶ

このほか幌加内町では、地区の有権者が事前に予約すれば、町の公用車で自宅から投票所まで無料で送迎しています。

今回の統一地方選挙で、幌加内町では、前半戦として知事選挙と道議会議員選挙、後半戦として町長選挙と町議会議員選挙が行われます。
去年の参議院選挙に続き「巡回式」の期日前投票所を前半戦と後半戦それぞれで設け、無料送迎の取り組みも行う予定です。
幌加内町選挙管理委員会は「高齢化が進むなか、町内の有権者が投票する機会をこれからもしっかりと確保していきたい」と話しています。

2023年2月3日掲載
2023年2月9日更新

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