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「タンチョウ」を愛する町 長沼町

  • 2023年9月28日

こんにちは!「ほっとニュース道央いぶりDAYひだか」道央担当リポーター、坂井里紗です。今回お邪魔したのは空知の長沼町。長沼町は農業が盛んですが、国の特別天然記念物に指定されているタンチョウを大切にし地域の活性化に生かしている町でもあるんです。

長沼町はもともとタンチョウの飛来地でしたが開拓や乱獲などで数が減少、町に来ることはなくなっていましたが、2012年にふたたび飛来し、2020年には道央では100年以上途絶えていたヒナの誕生が確認されました。いまは農家や町を中心にタンチョウを見守る活動や生息しやすい環境を守る活動をしています。

「長沼タンチョウ・ガイドの会」発足!

今回まず訪ねたのはタンチョウの繁殖地になっている舞鶴遊水地です。

ことし3月に発足した「長沼タンチョウ・ガイドの会」の皆さんにお会いしました。長沼町を訪れた人にタンチョウの魅力や町の歴史などを伝えます。メンバーの中には地元だけでなくタンチョウや長沼町に魅力を感じて町外から参加した人もいるんです。

札幌市から参加しているガイド(右の方)
「私は長沼の景色が好きで遊びに来ていたんですけど、その時にガイドの会を知りました。タンチョウのことを知りたいと思って、はじめは”ガイドをされる側で”と思っていたら、ガイドする側になっていました。勉強しながら詳しくなっていきたいと思っています」

北広島市から参加しているガイド(左の方)
「タンチョウを呼び戻したいという地元の農家の方々の思いと、それに応えた町の取り組みにすごい優しさを感じ、もっと長沼のこともタンチョウのことも知りたいと思ってガイドをしています」

長沼タンチョウ・ガイドの会会長 瀬川明廣さん
「長沼町のため町を盛り上げようということでつくられたのがタンチョウガイドの会なんです」

今回は副会長で地元の農家の加藤幸一さんに実際にガイドをしていただきました。

長沼タンチョウ・ガイドの会副会長 加藤幸一さん
「この地域は、かつて2、3年に一度、水害が起きていて、それを防ぐため舞鶴遊水地ができました。舞鶴遊水地には常に湿地の水が出たり入ったりしているので、渡り鳥やタンチョウの餌場になりやすいんです。近年では同じタンチョウが4年続けてヒナをかえしました。この時期、昼間は遊水地から離れて農地に行っています。稲を刈ったあとに残った穂やミミズ、カエルを食べていますよ」

加藤さんは新たに発足したガイドの会のほか、以前から活動している「タンチョウを呼び戻す会」の会長も務めていて、長い間、愛情深くタンチョウに関わっています。

長沼タンチョウ・ガイドの会副会長 加藤幸一さん
「増水したら”卵は大丈夫かな”とか、”アライグマやキツネにヒナが食べられないかな”とか、いつも心配しています。それだけ大事に、いつまでもここを選んでもらえるようにと思っています。いつまでもタンチョウがいる舞鶴、長沼町を守り、子どもが大きくなって社会に出た時に『長沼はいいとこだよね』と話してもらえるように活動していきたいというのがわれわれの思いです」

タンチョウを生かしたまちづくり

長沼町では、タンチョウと共存しながら町の活性化につなげようという取り組みも行っているんです。それが「タンチョウも住めるまちづくり」。タンチョウがぶつからないよう電線に色のついたパイプを取り付けたり、巣作りに使う植物を植えたり、地元の学校でタンチョウに関する授業を行ったり…。タンチョウが生息しやすい環境を守りながら、タンチョウで地域を盛り上げようという取り組みです。

町内の老舗の菓子店には…。

タンチョウがいました!チョコレートでタンチョウを表現したケーキに、飛んでいるタンチョウをあしらったようかんです。食べるのがもったいないですが、いただきました。上品な甘さで、子どもから大人までおいしく楽しく味わえそうです。口に入れた瞬間、思わずケーキのタンチョウと同じやさしい表情になりました。

長沼町では、町内の飲食店や工房などに助成金を出してタンチョウをモチーフにした製品の開発を呼びかけたんです。長沼町観光協会の会長も務める、菓子店の森下伸さんにお話を伺いました。

森下松風庵 代表取締役 森下伸さん
「子どもが『ケーキ、かわいいね』と言うのを聞くのがとてもうれしいです。ケーキを通して『タンチョウ』を少しでも知ってもらいたいです。タンチョウは長沼をPRするためにも大変貴重だと思いますし、これからもいろいろな商品をつくって広めていきたいと思っています」

観察する時はマナーを守りましょう!

長沼町のタンチョウはいつ行っても見られるというわけではありません。運よく出会えた時、町などは観察・撮影のマナーを守ってほしいと呼びかけています。
・むやみに近づかず車や建物の中から見ること!
・えさをあげないこと!
・大きな声を出すなど驚かさないこと!
・畑など周辺の私有地などに入らないこと!
タンチョウが首を長く伸ばしたら警戒している合図です。「長沼タンチョウ・ガイドの会」の加藤さんも「やさしく見守ってほしい」と話していました。

取材後記

長沼町には、「舞鶴地区」や「繁殖橋」など、昔からタンチョウと深い関わりがあったことを感じさせる地名などが多くあります。今回、ガイドの方や役場の方などにお世話になりましたが、長沼町やタンチョウを大切に思う気持ちがとても伝わってきました。ガイドをしてくださった加藤さんは、タンチョウに関わったおかげで多くの人とのつながりができたということで「幸せを呼んでくれる生きもの」と話していました。
タンチョウに会えるかは運しだい。運よく出会えた時はマナーを守ってやさしく見守り、タンチョウがこれからも長沼町に幸せを運んでくれるよう願いたいと思いました。

道央いぶりDAYひだか
坂井里紗
2023年9月28日

前回ご紹介したのは、浦臼町で作られている「ぼたんそば」。生産地が少なく、「幻のそば」とも言われます。ぼたんそばの香ばしい香りと甘み。思い出すだけで食べたくなってきます…!
「幻のそば」浦臼町に食べに来て!

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