NHK札幌放送局

ファブラボ栗山 モノづくりマインドでマチを盛り上げる 0755DDチャンネル

0755DDチャンネル

2023年8月29日(火)午前7時00分 更新

(ほぼ)あるゆるものを作れる場所、誰でも3Dプリンターやレーザー加工機などのデジタル工作機械が使える工房=ファブラボ栗山が、栗山駅前で活動しています。栗山町はこの工房でのモノづくりを、将来のマチづくりに結びつけようとしています。
番組はNHKプラスで配信中 (2023年9月9日午前8時まで)

(ほぼ)あらゆるものを作れる場所

ファブラボ栗山は、JR栗山駅から徒歩数分のところにある、栗山町の交流施設、「栗山煉瓦倉庫くりふと」の奥にあります。
工房の扉をあけて中に入ると、すぐ左手にレーザー加工機(この施設でもっとも稼働率が高いそう)、そのとなりに紙以外の素材に印刷できるUVプリンター、ぐるっと回り込むと3Dプリンター、電子基盤を製作できる小型切削機、その奥に画像を刺しゅうできるデジタル刺しゅうミシンがあります。

利用者は、体験会、安全操作講習などを経て、デジタル工作機械を使ったモノ作りに挑戦することができます。

栗山町から委託を受けて、ファブラボ栗山を運営する土山俊樹さんに、このファブラボについて聞いてみると…。

「ファブラボでは、いろいろな機材を組み合わせてモノづくりができるし、
そこに気づくことができます。自分がここまでしかできないと思っていたことに、新しい扉が開いて新たな挑戦ができる、そんな可能性が秘められている場所だなと思います」
レーザー加工機について説明する土山さん

くりふとホールの六角形の机

ファブラボ栗山があるくりふとのホールに置いてある机は六角形です。ファブラボが、一般市民とのワークショップを開いて作りました。
なぜ六角形かというと、小さく使いたい時は、そのままで。大勢での会食やミーティングには、たくさん集めれば大きなテーブルとして使えます。

プランター置きは、カウンター席の目隠しであると同時に、展示物を置く台としても。ホールを広く使いたい時は、カウンターの下にすっぽり収納できます。
さらに、釘や接着剤を使わない設計なので、長期に不要になった家具を、簡単に分解して板の状態で保管しておく、ということもできるんです。

ファブラボ栗山を運営 土山さん
「町内のデザイナーさんといっしょに、いろいろなアイデアを出し合いながら、協力してこの形に行きつきました」

2023年2月から4月に開かれたワークショップは、完成したばかりの施設=くりふとに対して、愛着を持ってもらうという目的もありました。のべ65人が参加して、組み立てや表面の磨き、ニス塗りに励みました。

既製品の家具を持ってくるのではなく、自分たちで作り出すことで、ここ、くりふとにぴったりの家具たちが揃いました。参加者の中には、ファブラボの利用者になった人もいるそうです。

土山さん
「ファブラボってどんな場所なのか、どういう施設になるんだろうと興味、関心がある人にとっては、最初の一歩になったのなと思います」

やりたいことがどんどん広がる

パソコンと工作の材料をいれたバッグを持って、ファブラボ栗山にやってきたのは、栗山町在住のクリエーター、マルヤマ・ヒデコさんです。レーザー加工機とUVプリンターの利用を予約していました。
これまでアクリルのキーホルダーなどを製作してきたマルヤマさんは、この日、新しいモノづくりに挑戦します。

月3回ファブラボを利用するというマルヤマさんは、持ってきたパソコンからデータを取り出すと、慣れた様子でレーザー加工機のパソコンを操作。材料のアクリル版の位置を慎重に決めて、加工機のスイッチを入れました。
レーザーがアクリル版に照射され、削りが進んでいくと、形が見えてきました。

マルヤマさんは、切り出したパーツを確かめて、となりのUVプリンターへ。
このプリンターは、アクリルや木に画像を印刷することができます。

できあがったのは、ハムスターをかたどった立体のメッセージボードとジグソーパズル。イベント会場でハムスターの店長がお客さんを迎えてくれます。

栗山町在住クリエーター マルヤマ ヒデコさん
「立体的に立てて使うアクリルスタンドを初めて作りました。満足の出来栄えです。ファブラボでどんどん作品の幅が広がっていきます。どういう作品を作れるのかラボのスタッフのみなさんのお話を聞きながら、もっと可能性を広げていきたい」

「離れた場所の農業用ハウスの温度と湿度の変化を知りたい」に応える

ファブラボ栗山のスタッフで、町の地域おこし協力隊員・鈴木敦文さんが、取り組んでいるのが、「地域の課題を見つけて電子工作で解決するプロジェクト」です。
鈴木さんが見せくれたのは開発中の「温度・湿度計」です。8月の上旬に、実際の栗山町内の農業用ハウスでの計測試験を終えて鈴木さんの手元に戻ってきていました。

開発のきっかけは、この農家の課題、

  • インターネット環境のない離れたところにある農業用ハウスの温度・湿度の変化を知りたい

をどう解決するか、でした。

短めの円筒形の筒を横倒しにしたグレーのボディに、データを表示する液晶パネルとスイッチ、SDカードスロットがついています。
上部には、温度・湿度センサーが、内部には時刻情報を取り出すためのモジュールがあって、30分おきに、温度と湿度、それを計測した時刻の情報を紐づけ、ファイルとしてSDカードに記録する仕組みです。

当初の農家の「課題」を解決する「温度・湿度計」を作ることができました。

鈴木さんが考えているのは、その先にある発展系です。

ファブラボ栗山 スタッフ 鈴木敦文さん
「次のステップでは、温度・湿度のデータをもとに、例えばハウスの窓を開閉する仕組みにつなげるといったカタチに発展させて、他の町内の人たちにも、これはいいなと思ってもらえるものを作りたいと思います」

ファブラボ栗山のモノづくりの将来像は

ファブラボ栗山で始まったデジタル工作機材を使ったモノづくりは、このあとどこへ向かっていくのか。ファブラボ栗山を開設した栗山町の担当者に将来像を聞きました。

栗山町ブランド推進課主幹 三木貴光さん
「最初は、自分の困りごとでモノを作るというのがスタートになると思うのですが、できれば、そういった人が家族であったり、隣近所の方だったり、ゆくゆくはマチづくり関わる課題解決に、その力を使ってくれるといいなと考えています」

初回放送 2023年8月26日午前7:55- 
再放送 9月2日(土)午前11:31-

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