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被害を未然に防いだ! 夫婦が語った詐欺の手口

  • 2023年6月19日

去年(2022年)、道内で確認された特殊詐欺の被害額は12億4000万円と過去2番目に多くなっています。このうち被害額全体の6割近くを占めるのが「架空請求詐欺」です。そのひとつ「サポート詐欺」は、パソコンがウイルスに感染したかのようなニセの警告画面を表示させ、お金をだまし取る手口です。その被害に遭いそうになったものの、未然に防ぐことができた旭川市の夫婦がいます。どうやって被害を防いだのでしょうか。(旭川放送局  山中智里)


不安と焦りにつけ込む「サポート詐欺」

詐欺被害を未然に防いだのは旭川市に住む70代の夫婦です。
4月中旬、自宅で夫がパソコンを見ていたとき、画面が突然、真っ暗になりました。その後、ウイルスに関する警告が表示されました。


「『トロイの木馬のウイルスです。ここに電話してください』と出てきた。パソコンの操作に疎く、画面を消す方法が分からなかった。ウイルスに入られたらダメだという思いがあったので、パニックになり、落ち着いて考えることができなかった」

“ウイルスに感染してしまう”と気が動転した夫は、画面に表示された問い合わせ先に電話しました。電話に出た相手は片言の日本語を話す男でした。夫は男の指示に従い、キーボードを操作して、パソコンの遠隔操作ができるソフトウエアをダウンロードしてしまいます。

男に乗っ取られてしまったパソコン。画面には夫婦が口座を持っている証券会社の資産が表示されました。電話の男から「このデータを外部に漏れないよう守るにはお金が必要だ」として、30万円を電子マネーで支払うよう要求されてしまいます。


手書きメモ「#9110」で被害を防いだ!

そのとき近くで話を聞いていた妻は、電話で長時間お金の話をしている夫を見て詐欺を疑います。


「会話を聞いていておかしいと思った。『それはおかしい!』と夫に伝えても私の声は耳に入らないようで、『もううるさい』と言われた。そういうことが1時間半以上続いていた」

妻は警察の相談専用窓口「#9110」に電話しました。“詐欺の被害に遭わないように”と、電話機の横に貼っていた手書きのメモが役立ちました。


「『それは詐欺です。すぐ電源を切るようにご主人に伝えてください』と、電話をかけたとたん、警察に分かってもらえました。夫は“自分で勝手にパソコンの電源を切ってデータが盗まれたらどうしよう”と不安に思っていたようで、警察官に冷静に話を聞いてもらえて、とても安心しました」

夫は警察官の指示どおり、ただちにパソコンの電源を切り、夫婦は間一髪で詐欺被害を免れました。


“まさか自分たちが…”  私たちの体験を教訓にして

「まさか自分たちがだまされるとは思わなかった」と話す夫婦は、今回得た教訓を多くの人に伝えたいといいます。


「自分ひとりだけで抱え込んではいけないと痛感した。相手との会話をみんなに聞いてもらえるようにスピーカーホンにして対話するべきだと思った」


「毎日のようにテレビや新聞で#9110と見てはいるものの、いざというときはなかなか対応できない。#9110の番号を電話のそばなど、自分がよく目にするところに書いておく。また、不審に思ったら『いま、こんな変な電話を受けています』と、すぐに警察に連絡して助けてもらったほうがいい」

今回の夫婦のケースのように、もし「サポート詐欺」でパソコンに警告画面が表示された場合、警察は、慌てずにブラウザを閉じるか、パソコンを再起動するよう呼びかけています。そして、画面に表示された問い合わせ先には電話せず、すぐに警察の相談専用窓口「#9110」に連絡してください。

 

NHK北海道では詐欺被害防止キャンペーン「だまされんDO!」を展開しています。特設サイトでは最新の手口や予兆電話が起きている地域などをお知らせしています。ぜひご活用ください。

 

ストップ詐欺被害 だまされんDO!

2023年6月19日

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