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カーリング国内No1を決める日本選手権 開幕!

  • 2024年1月25日

国内のトップカーラーが集い、1月28日から札幌市のどうぎんカーリングスタジアムを舞台に開幕する日本カーリング選手権。今年はチーム数が増え、男女それぞれ10チームが出場し国内No1が決まります。さらに、2026年のイタリア、ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪も2年後に迫り、今年の日本選手権はその大舞台につながる大会になるため、例年以上に激しい戦いが予想されます。開催地・札幌を拠点に活動する2つの女子チームの注目選手に大会への思いを伺ってきました。

北京五輪から2年。イタリア ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪へ向けて

北京五輪では、日本代表として出場したロコ・ソラーレが史上初の銀メダルを獲得。あれから2年がたち、いよいよイタリア、ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪をかけた戦いが本格化していきます。今年の日本選手権の舞台は2019年以来の札幌市での開催。近年はコロナの影響もあり、無観客で開催されていましたが、今大会は2020年以来の有観客で試合が行われます。男女それぞれ10チームが出場し、1次予選リーグ・2次予選リーグ・準決勝・決勝と2月4日(日)まで8日間にわたって熱戦が繰り広げられます。今大会は1次予選リーグは2つのグループに分かれて5チームが総当たり、それぞれのグループの上位3チームが2次リーグに進み、さらに2次リーグの上位3チームが準決勝・決勝と進む形式です。女子は北海道から4チームが出場します。前年度優勝で3連覇を目指すロコ・ソラーレ、そのセカンドチームにあたるロコ・ステラ、さらに前回の北京五輪前に行われた日本代表選考会ではロコ・ソラーレと死闘を繰り広げたフォルティウス、そしてジュニア時代から活躍する若い選手たちが揃う北海道銀行です。会場のどうぎんカーリングスタジアムを拠点に活動しているフォルティウス、北海道銀行は様々な思いを胸に、この大会を迎えています。大会開幕前に、両チームの選手に意気込みを伺ってきました。

新たな布陣で挑む2年振りの日本選手権 ~フォルティウス~

※写真は2021年の日本代表決定戦

ロコ・ソラーレとともに日本のカーリング界を長く牽引しているフォルティウス。北京オリンピック出場を目指した2021年は、日本代表決定戦でロコ・ソラーレに惜しくも敗れ、オリンピック出場は叶いませんでした。2026年へ向けて、今大会並々ならぬ思いでのぞむチームの一つです。今季はこれまでチームのスキップだった吉村紗也香選手が、出産などのためチームのサポートに回り、昨季富士急からチームに加わった小谷優奈選手がスキップを務めています。さらに、長くチームを支える船山弓枝選手がコーチになり、21歳の小林未奈選手の活躍にも期待がかかります。フレッシュな二人に経験豊かな近江谷杏菜選手、小野寺佳歩選手という布陣で3年振りの優勝を目指しています。
さらに、今大会は強力な存在がチームを後押しするんです。オリンピックに4大会出場し、前回の北京オリンピックではスウェーデン代表で金メダルを獲得したニクラス・エディン選手がフォルティウスのコーチとして加わります。果たして、世界を代表するトップカーラーの頭脳と、フォルティウスの選手たちの力が合わさり、どんな戦いを見せてくれるのか注目です。スキップの小谷選手、リードの小林選手にお話を伺いました。

オリンピック出場は実現させたい夢 ~スキップ・小谷優奈選手~

小山)今年はスキップとして戦っているシーズンですが、ここまでいかがですか?

小谷)これまでの競技人生で一度もスキップをやったことがなくて、ハウスに立って声を出すこともほとんどなかったので、最初は正直、私にできるのかなと不安もすごくありました。それでも、チームのみんなが支えてくれる環境を作ってくれたおかげで、自信を持ってアイスに立つことができています。やっぱりみんなが綺麗に積み上げてきたものが、自分の一投で結果が変わってしまうと思うと、今までとは違ったプレッシャーがあるんですけれど、そのプレッシャーも楽しんでいきたいなっていう思いでやっています。

小山)今シーズンのチームの雰囲気はどうですか?

小谷)雰囲気はすごく良くて、誰が試合に出ても、変わらない雰囲気でできるというのがすごくいいところだなと思っていて。やっぱり全員カーリングが好きで、目標に向かって一緒に戦えている雰囲気が好きです。

小山)この日本選手権はあのエディンさんがコーチになりましたがどうですか?

小谷)コーチに決まった時には、エディンさんから「何を知りたい?何を学びたい?」と聞かれましたね。ほかにもプライベートの話とかもたくさんして、コミュニケーションをとらせていただきました。具体的なことはこれからたくさん聞いていきたいと思っているんですが、スキップとしてすごく実績がある方なので、いろんなことを吸収していきたいなと思っています。

小山)スキップとしては初めて挑む日本選手権に向けては?

小谷)私自身としては以前所属していたチームの時代を含めてオリンピックに挑戦するのが2回目になるんですが、ずっと目標にしているものですし、今シーズン含めてどんどんその目標に近づいているなと思っているので、それを目標で終わらせないで、実現できるようにしていきたいです。

自分たちが絶対に優勝を掴むという強い気持ちで ~リード・小林未奈選手~

小山)これまで以上に今季は試合に出る機会が増えていますが、どんなシーズンになっていますか?

小林)フォルティウスに入って、シーズンを通して試合に出続けるというのは今季が初めてで、これまでリザーブのときも、試合に出るという準備は常にしていたので、そういった意識が今シーズンはプレーにしっかり出せているのかなと思います。リードとしては、上手くいかないこともあるんですけれど、ニューチームとして、みんなで協力してチームを作っている感じがあるので、お互いに上手く支え合いながらできているんじゃないかなと思いますね。

小山)その中で、経験豊かな近江谷選手と小野寺選手の存在はプレーしていてどうですか?

小林)本当にやりやすい雰囲気をつくってくださっていますね。意見も言える環境ですし、それを尊重しあうというか、みんなが一つの目標に向かってやっている感じがありますね。強力なスイーパーがいるということについては、うちのチームはすごく自信を持っているので、そこを信じて投げるっていうのは大事にしていきたいなと思っています。

小山)新たにスキップをつとめている小谷さんの存在は?

小林)スキップを務めるのが初めてとは思えないくらいスキップ感がありすぎて。度胸というか、落ち着きというか、すごく頼もしくて。チームとしては吉村さんから小谷さんに変わっても、しっかりフォルティウスのカーリングが継承されている感じがします。

小山)さらに今季はバイススキップ(※)もつとめられていますが、ここまでプレーされてどうですか?
※バイススキップ=スキップが投げる際にハウスで指示を出す人。

小林)個人的には、自分が投げる時よりも、バイススキップでコールをするときの方が緊張していて。自分の最後のコールが点数に繋がってしまう責任というか、プレッシャーはあるんですけれど、カーリングの一投というのは、投げる人がいて、コールする人がいて、スイープする人がいてと、4人でやっているものなので、1人が背負うのではなくて、みんなでやっているという気持ちでいればちょっと気が楽にはなりますね。ちょっと欲張りなんですけれど、今の私のポジションは投げるし、スイープもするし、コールもするしと、いろんな役割を任されているので、そこはすごく嬉しいですよね。

小山)そういった意味では船山さんは心強い存在ですよね?

小林)船山さんも長くバイススキップをやってこられていて、ハウスを広く客観的に見る力がすごくある方だと思っています。今季はさらにコーチ目線になって、これまで以上に視野が広がっていると思うので、自分たちが試合中には気がつかなかったところとかも、すぐにフィードバックしてくれるので、すごく心強い存在です。

小山)いよいよ日本選手権が始まりますが、大舞台に向けては?

小林)チームみんなで目標に向かってやってきて、自分たちが絶対に優勝を掴み取るという強い気持ちがあるので、すごく今は試合が楽しみでワクワクしています。

若き力で時代を変えるか ~北海道銀行~

 ※写真は去年の日本選手権

ジュニア時代から好成績を収めていたメンバーを中心に、2021年の12月に結成された北海道銀行リラーズ。過去にユースオリンピックで銀メダルを獲得し、大舞台でも結果を残してきた田畑百葉選手がスキップを務め、仁平美来選手、中島未琴選手、伊藤彩未選手の4人でスタートしたチームは、世界ジュニア選手権で優勝の経験がある山本冴選手を加え、去年の日本選手権に挑むとロコ・ソラーレや、中部電力など優勝経験があるチームから白星を挙げるなど、着実に成長を遂げています。田畑選手も、今大会はチームとして更なる高みを目指そうと意気込んでいます。

去年の嬉しさと悔しさがチームの成長に ~スキップ・田畑百葉選手~

小山)去年の日本選手権は優勝経験のあるロコ・ソラーレや、中部電力から勝利を挙げましたが、チームにとってはどんな大会になりましたか?

田畑)嬉しさもありつつ、悔しさもあった大会でした。トップのチームに勝てるようになってきたっていう手応えがあった嬉しさではあったんですけれど、結果として、その前の年より順位が下がってしまったので、すごく悔しかったなという気持ちでしたね。もっと上に行けたんじゃないかと思ってしまうところもあったりして、すごく悔しい大会になっちゃったので、今年はどんな相手にもしっかり勝ち切るカーリングをしたいと思っています。

小山)今年の日本選手権はオリンピックへとつながる大会ですが、どんな思いでむかえていますか?

田畑)今回の日本選手権は、私たちのチームだけじゃなくて、ここに出てくる全てのチームがそのイタリアのオリンピックを視野に入れてくると思うので、私たちもしっかりとギアを上げて、初戦からいいゲームをしていかないといけないと思っています。

小山)山本選手が加わって2年目のシーズンですが、今年のチームはどうですか?

田畑)この1年、ずっと一緒にやってこられたので、去年の日本選手権よりも、チーム5人全員で仕上がってきている感覚がありますね。自分が最後に投げる時に、『山本選手のスイープがあるから大丈夫だ』というふうに思えているで安心して投げられています。山本選手はスキップの経験もあるので、チームとして作戦のレパートリーが増えたということに関しても、頼りになる存在ですね。

小山)今季、特にチームとして力を入れてきたことはどんなことですか?

田畑)チームみんなで話す時間を増やして、試合ではコミュニケーションを通して良いショットを決めるというところを一番に求めてやってきていますね。その中で、大会の1試合目、1エンド目からしっかりといいスタートを切るというところを目指してやっていきたいですね。いい流れに乗ることが出来れば、そのままの流れで勝負をしていけるっていうところが自分たちの強みだと思っています。

小山)今回の日本選手権は、慣れ親しんだ札幌のリンクで戦えるということについてはどうですか?

田畑)いつも練習しているホームリンクで試合が出来るというところは、本当にアドバンテージでしかないと思っています。きっと地元の方や、職場の方も応援に来てくれると思うので頑張っていきたいです。

小山)改めて、今年の日本選手権はどんな大会にしたいと思っていますか?

田畑)ここで優勝して、オリンピックのアドバンテージをとりたいというのはもちろんなんですけれど、結果だけを気にしすぎても、ガチガチになってしまうと思うので、まずは1試合1試合、チームとして上がっていくこと。決勝に向けて調子を上げていく、ピーキングを合わせるというところを1番大事にしたいなと思っています。今シーズンは、良い意味で考えすぎず、 出来ることを氷上でやるっていうところにフォーカスをしながらも、結果を得るために、みんなで楽しみながらカーリングをやれたらいいかなと思っています。

北海道以外にも実力のあるチームが揃った今年の日本選手権。NHKでは予選リーグからBSで中継をします!
わたしも女子は準決勝の実況を担当する予定です。オリンピックを目指す選手たちの熱い戦い、そしてカーリングという競技の奥深さや面白さをしっかりとお伝えできるように頑張ります!

<カーリング日本選手権 放送予定>
1月28日(日) BS 午後4:45〜 女子・予選リーグ
1月29日(月) BS 午前9:00〜 男子・予選リーグ
        BS 午後1:30〜 女子・予選リーグ
1月30日(火) BS 午前9:00〜 女子・予選リーグ
        BS 午後1:30〜 男子・予選リーグ
1月31日(水) BS 午前9:00〜 男子・予選リーグ
        BS 午後1:30〜 女子・予選リーグ
2月1日(木)   BS 午前9:00〜 女子・予選リーグ
        BS 午後1:30〜 男子・予選リーグ
2月2日(金)   BS 午前9:00〜 男子・予選リーグ
        BS 午後1:30〜 女子・予選リーグ
2月3日(土)   BS 午後1:30〜 男子・準決勝
        BS 午後6:00〜 女子・準決勝
2月4日(日)   BS 午前10:30〜 男子・決勝
        BS 午後2:30〜 女子・決勝

小山凌

ほかにもこんな取材をしています。
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