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「統一率」って知っていますか?

  • 2023年4月4日

「統一率」という言葉、知っていますか?これは、地方自治体の長や議員の選挙のうち、4月の統一地方選挙で行われる選挙の割合のことです。そもそも統一地方選挙は、4年に一度、選挙経費の節約や有権者の関心を高めることなどを目的に、1947年(昭和22年)に始まったものです。ただ、「統一」地方選挙とは銘打っているものの、「統一率」は100%を大きく下回る30%以下。その理由とは?(札幌放送局  飯嶋千尋)


北海道の「統一率」は48.89%

北海道では、道と179の市町村それぞれで首長選挙と議員選挙がありますので、その数は全体で360にのぼります。このうち、今回の統一地方選挙では176の選挙が行われる予定です。内訳は、知事選挙と道議会議員選挙に加え、市長選挙が12、市議会議員選挙が27、町村長選挙が35、町村議会議員選挙が100となっています。よって、今回の統一地方選挙における北海道の「統一率」は48.89%となっています。


「統一率」は低下傾向

選挙経費の節約や有権者の関心を高めるために、「統一」された第1回の統一地方選挙が行われたのは1947年(昭和22年)です。そのときの北海道の「統一率」は100%でしたし、全国でも100%でした。
しかし、その20年後の1967年(昭和42年)の選挙では、道内の「統一率」は63.7%に低下。さらにその20年後の1987年(昭和62年)には57.5%にまで下がっていました。
そして、「平成の大合併」後の2011年(平成23年)には、「統一率」は49.7%と、半分以下になりました。

その理由はいたってシンプル。任期途中での辞職や死去、市町村合併などがあった場合、急きょ選挙が行われて時期がずれると、統一地方選挙から外れることになります。また、2011年の(平成23年)の統一地方選挙直前には東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故が発生し、東北3県では県議選を含む多くの自治体で選挙が延期されました。「統一率」は下がることはあっても、大きく上がることはまれのようです。


北海道では「統一率」高め?!

ただ、北海道の「統一率」、48.89%という数字は全国の中でも高い水準にあります。今回の統一地方選挙での「統一率」は全国平均で27.54%。全国の都道府県の中には、首長選挙と議員選挙が1つしかない都道府県もあります。総務省のまとめ(3月10日現在)によりますと、今回の統一地方選挙で、知事選挙や市町村長選挙といった首長選挙が1つも予定されていない都道府県は富山県、岡山県、愛媛県の3県です。また、首長選挙が1つしか予定されていない都道府県は秋田県、新潟県、滋賀県、和歌山県、島根県、山口県、佐賀県、沖縄県の8県となっています。こうしたこともあり、全国で首長選挙が行われる市区町村は230と、全体の13.2%しかありません。
その一方で、北海道の179市町村では26.3%にあたる47の首長選挙が行われる予定で、北海道は全国平均を10ポイント以上、上回っているのです。


議員選挙では「統一率」は高水準

首長選挙の「統一率」は低迷する一方で、議員選挙の「統一率」は比較的高い水準が続いています。それは、地方議会は解散が少ないためです。
都道府県議会で解散があったのは、議長選をめぐる贈収賄事件により、昭和40年(1965年)に都道府県の議会として初めて解散した東京都議会と、その翌年に解散した茨城県議会のみです。これに加え、沖縄返還後に選挙が行われた沖縄県議会と、東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故により選挙を延期した福島・宮城・岩手の3つの県議会を除いて、今回の統一地方選挙では41の道府県議会で選挙が行われます。もちろん道議会もその1つ。
今回の統一地方選挙で行われる議員選挙の「統一率」は全国平均で41.72%。一方、道内の市町村では179市町村のうち127の市町村で議員選挙が行われる予定なので、「統一率」は70.9%と全国平均をはるかに上回っているのです。


なぜ、北海道の「統一率」は高いのか?

そうなると、なぜ、北海道の「統一率」は高いのか、という疑問がうまれてきます。北海道の「統一率」が高い理由、実ははっきりとは分かっていません。
地方の議会や選挙制度に詳しい北海学園大学の山本健太郎教授に聞いてみたところ、市町村合併の影響が少なかったためではないかと分析しています。

北海学園大学 山本健太郎教授
「北海道では1953年(昭和28年)の『昭和の大合併』で市町村の数が278から224に減り、『平成の大合併』では212から今の179へと再編されました。ただこの数字は、全国の都府県で自治体数が3分の1や半分に減少したのに比べて、減少幅が少ないのです。合併のあったタイミングで選挙が行われるので、統一地方選挙から外れることが増えますが、北海道では合併がほかの都府県と比べて小規模だったので、統一地方選に『残留』した自治体が相対的に多いのではないかと考えます」

2023年4月4日

 

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