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出張シラベルカ前編 ~眠りについて~

  • 2024年1月19日

視聴者から寄せられた疑問・質問を調べるシラベルカ。ふだんはNHKのHPやシラベルカのLINEで質問を募集していますが、子どもたちからはなかなか質問が届きにくいということもあり、今回は「出張シラベルカ」として子どもたちの質問をじかに聞きに行ってきました。
(NHK札幌放送局 映像制作 三砂安純) 

小樽市立塩谷小学校に伺いました

今回取材に協力してくれたのは小樽市立塩谷小学校。校舎からは塩谷海岸を見下ろせ、背後には塩谷丸山がそびえ立つ、海と山に囲まれた自然豊かな場所で全校児童47人が元気いっぱいに学校生活を過ごしています。今回は6年生12人に質問を聞いてきました。

千葉 涼介くん
「塩谷でできた紅塩谷というブドウはどれくらい知られていますか?」

藤井 奏多くん
「アイヌっていう言葉の語源を知りたい。」

山田 優奈さん
「なぜ小学校の鉛筆の芯はBから2Bなの?」

初めて見る大きいカメラに少し緊張気味でしたが、みんなそれぞれ素朴な疑問を教えてくれました。いろんな質問が出ましたが、今回調べる質問は…?

藤井 光咲さん

平均何時間ぐらい睡眠時間があるのか?

質問してくれたのは藤井光咲さん。毎日8時間ぐらい眠っているとのことですが、小学6年生だとどれくらい眠るのがいいのか知りたいとのことでした。

眠りについて調べるためにやってきたのは北海道大学。睡眠のリズムなどを研究している山仲勇二郎准教授に話を聞きました。

山仲准教授 
「小学6年生におすすめしているのは9~11時間ぐらいの睡眠時間です。6年生は背がぐっと伸びたり、勉強や習い事もたくさん増えてきたり、新しいことに挑戦したりする時期です。きちんと睡眠をとることで記憶が定着したり、運動でも新しい動きが出来たりするようになります。」

ただ、冬ならではのある理由が、睡眠の悩みの種になっているかもしれないと教えてくれました。

山仲准教授
「北海道は夏と冬を比べると冬だと朝起きたときにまだ暗い。僕たちの体の中には体内時計があって朝の光を浴びてリセットしているんですが、その光を浴びるタイミングが冬のほうが1~2時間遅くなってしまい、自然と冬は夏に比べると起きるのが遅くなってしまうのです。」

気持ちよく眠って朝すっきり目覚めるコツは?

そこで深く眠るためのコツと朝すっきり目覚めるコツを教えてもらいました。まずは眠る前に出来ることです。体を眠りやすい状態にするためには「お風呂は眠る1~2時間ほど前に入ること」「テレビやスマートフォンを眠る直前まで見ないようにすること」が大切だということです。

また、眠る前に布団から湯たんぽを出すことや電気毛布の電源を切ることがポイントです。山仲先生によると、深い眠りにつくためには体の中心部の体温を下げることが大事だということです。布団の中が暖かすぎると体温の熱が逃げていかなくなり、眠っている間に体の中心部の体温が下がりにくくなってしまいます。そうすると眠りが浅くなってしまい、たくさん眠ったはずなのにぐっすり眠れなかったということになってしまうと教えてくれました。

それ以外にも、起きる時間を自分に言い聞かせて眠ることも朝すっきり目覚めるためには効果的だということです。

山仲准教授
「起きなければいけない時間を眠る前に言い聞かせてから眠ると、自分が思った時間のちょっと前から目を覚まさせるセロトニンなどのホルモンが増えてきて、パッと目が覚めてすぐに活動ができるような状態になってくれます。」

山仲先生は朝起きたときにできることも教えてくれました。

山仲准教授
「できるだけ朝起きた時にたくさん光を浴びる。外の光がまだ暗いなというときにはお父さんとかお母さんのスマホの光でもいいし、部屋もできるだけ明るくするっていうのもおすすめです。私たちの体にはブルーライトで体内時計をリセットするという仕組みがあります。ですので、夜間や長時間パソコンを使うときなどにブルーライトをカットする眼鏡をかけるというのはいいけれど、朝とか午前中はあまり使わないほうが体のリセットがしやすいと言われています。」

ほかにも、大人も共感するこんな質問があがりました。

学校がある日は眠いのはなぜ?

吉田真菜さん
「学校がある日は眠いのに学校がない日は眠くないのはどうしてなのかなと思います。社会の歴史の授業は好きだから目が覚めるんですけど、理科は苦手なので眠くなります」

この疑問についても山仲先生に教えてもらいました。

山仲准教授
「休みの日など、好きなことをたくさんしているときには目が覚める物質としてドーパミンとかオレキシンとかセロトニンっていう物質が脳の中にたくさん出てきてくれてあまり眠くなりにくいんです。ドーパミンという物質がふだんは目を覚まさせるスイッチをずっと押していてくれるけれど、つまんなくなってくるとそのスイッチから手が離れて眠くなってしまうのです。」

そこで、もしも学校で眠くなったときの対処法を教えてもらいました。山仲先生によると、
「外を見て景色を変えること」「体を伸ばしたり動かしたりすること」「水で顔を洗うこと」など、五感を刺激することで眠気を覚ますことができると教えてくれました。山仲先生自身も、日中眠くなってしまったときには「散歩」をしてさまざまな刺激を受けることで眠気を覚ますようにしていると教えてくれました。

さらに、学校で眠くならないとっておきの方法を教えてもらいました。

山仲准教授
「先生のことを大好きになって、先生を見ていると楽しくてわくわくしちゃうようにするときっとあまり眠くならないかな」。

調べた内容を吉田真菜さんに伝えに行ってきました。

吉田真菜さん
「今日は休日だーっていうことで、朝早く起きちゃうんだなと思ったし、学校はあまり好きじゃない時がたまにあるので、そこが眠くなる原因なんだなと知りました。教科を好きになることは出来ると思うので実践したいなと思いました。」

鳥谷部直人先生
「眠くなるのは先生のせいだということがよく分かりました。これから好きな教科が増えるように、そして好かれるように頑張ってみます。」

厚生労働省の検討会は健康のために推奨する睡眠時間を世代ごとに示した「睡眠ガイド」をまとめています。この中で中学生・高校生は8〜10時間、成人は6時間以上を目安に睡眠時間を確保するよう推奨しています。恥ずかしながら私も朝起きるのが苦手でしたが、取材した次の日から、いい睡眠を確保できるよう実践しています。ぜひ、睡眠に悩んでいる大人のみなさんも実践してみてはいかがでしょうか?

「後編」はこちらから!

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