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【完全版】根室海峡の魅力たっぷり!サケの聖地に暮らした1か月

  • 2023年12月1日

こんにちは! サケを持ちながら失礼します。NHK帯広局ディレクターの笹峻平です。私はこの1か月間、標津町、羅臼町、別海町、根室市をめぐってきました。この根室海峡の4つの町と市は文化庁から「鮭の聖地」の物語 ~根室海峡一万年の道程~として日本遺産に認定された場所なんです。

はじめまして! このエリアでガイドをしている「ネモ」こと齋藤智美です。私は結婚をきっかけに、夫の出身地である標津町に移住してきました。引っ越してきてから、サケとともに暮らしが続いてきたこの地の歴史に感動して、今はこのエリアでガイドをしています。

「サケの聖地」をめぐるには、何はともあれ漁港に行かないと! ということで、私が住んでいる標津町(しべつちょう)の港に笹くんを案内しました。サケの心臓を食べたり、サケ漁師がDJをしていたり、酪農家がサケに助けられたり。そんな標津町の魅力をこちらの動画でご覧ください!

サケの心臓、おいしかったです! 食感は「砂肝」、味は「レバー」でした。現地のスーパーや魚屋でも売っているので、ぜひ一度食べてみていただきたいです。標津町はピーク時に比べるとサケの漁獲量が減ったそうですが、食卓はもちろん、酪農にまでサケが関わっていることに驚きました。これぞ「サケの聖地」の底力!

続いては知床に面した羅臼町へ! ここでは暮らしている人にしかわからない、引き込まれるような魅力を伝えたくて、「羅臼を歩き続ける友人」に案内をお願いしました。6時間歩いて探索した知床の自然や木彫りの熊を集めるコレクターなど、貴重な出会いがそこにはありました。

羅臼はとにかく壮大でした! 船に乗るとヒグマやオジロワシに出会えたり、歩いていくと縄文人が暮らしていた場所があったり。そしてそんな羅臼で暮らす人のパワフルさに圧倒されました! 6時間もの散歩の最後には、体力に自信があった私でも膝が笑ってしまうほど(笑)。高林さんの羅臼への探求心に脱帽しました……!

3週目は根室市! 「サケの聖地」をめぐる中で、絶対にご紹介したかったのは「魚箱」という、サケなどの魚を入れる木箱。実は、サケの全国流通に大きく貢献したものなんです。今回は私も初めて訪れる工場だったので、笹くんと一緒に取材をしました。夢中になって、気づけば3時間弱も工場に。いや~、とっても面白かった! 魚箱の奥深い世界をどうぞ!

魚箱の歴史、面白かったですね! 年季の入った機械や、かつて使われていた印版から「サケの聖地」の解像度がぐっと高まりました。息子さんがつくっていた印版をプリントしたオリジナルグッズもかっこよかったなあ。根室市にきたら、町中で魚箱が積まれている光景に遭遇できるかも?

「サケの聖地」をめぐる旅、ラストは別海町(べつかいちょう)へ。明治時代半ば以降、サケ漁を補うように酪農が成長していった別海町。当時はまだ機械などがなく、作業は馬と一緒に行っていました。すごいのは、機械が普及した今でも馬との生活が続いていること。そんな馬好きな皆さんが開催した「馬の競技大会」の様子をお届けします!

放送には入りきらなかったのですが、酪農家は牛と生態が似ていることから馬を飼いやすいのだとか。酪農が盛んな別海町だからこそ、馬との暮らしが現代にも続いているんですね。乗るのはちょっと怖かったですが、馬から見る景色は体験したことのない目線の高さで最高でした。いつか馬に乗って風をきりたい……!

「サケの聖地」をめぐった1か月、総走行距離は3,000㎞を超えました。
1万年の歴史をもち生活のあちこちにサケが浸透している標津町、サケの恵みによってつくられる圧倒的な自然を感じた羅臼町、そして魚箱を通じて「サケの聖地」の奥深い歴史を知った根室市に、サケの不漁を補うべく馬とともに酪農と畜産を行ってきた別海町。それぞれの個性あふれる地域の魅力を少しでも感じてもらえたなら幸いです。でもやっぱりどの地域も、実際に訪れた方がもっと感動します! 北海道のディープな旅の選択肢として「サケの聖地」をぜひ訪れてみてください。最後までお読みいただき、ありがとうございました!

(本記事は2023年10月・11月放送のローカルフレンズ滞在記 「根室海峡 サケの聖地編」をまとめた完全保存版です)

2023年11月9日 ローカルフレンズ滞在記 制作班

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