ページの本文へ

NHK北海道WEB

  1. NHK北海道
  2. NHK北海道WEB
  3. ほっとニュースweb
  4. 【詳報】室蘭市長選挙 現職の青山剛氏が新人2人を抑え4回目の当選

【詳報】室蘭市長選挙 現職の青山剛氏が新人2人を抑え4回目の当選

  • 2023年4月24日

現職に新人2人が挑んだ室蘭市長選挙は、無所属の現職、青山剛氏が4回目の当選を果たしました。(NHK北海道選挙取材班)

室蘭市長選挙の開票結果です。
▼青山剛(無所属・現)当選、1万5622票。
▼小田中稔(無所属・新)、1万2733票。
▼川畑悟(無所属・新)、6303票。
現職の青山氏が、元市議会議員の小田中氏と元道議会議員の川畑氏の新人2人を抑えて4回目の当選を果たしました。

青山氏は札幌市出身の45歳。
室蘭市議会議員を経て2011年(平成23年)の市長選挙に立候補して33歳で初当選、現在3期目です。

選挙戦で青山氏は3期12年の実績を強調し、「住み続けたいまち室蘭」をキャッチフレーズに、子育て世帯への支援や港を中心とした産業の振興、公共施設の再編などを進め、まちの魅力を向上させると訴えました。
そして、経済団体や大企業の労働組合による組織的な支援を受け、自民党や公明党の支持層から幅広い支持を集めたほか、無党派層にも支持を広げ、4回目の当選を果たしました。
投票率は52.12%と、これまでで最も低かった前回・4年前の選挙の58.74%を6.62ポイント下回り、過去最低となりました。


青山氏「ものづくりの力や魅力発信を」 小田中氏「市民と一致団結してよりよい室蘭を」

青山剛氏は、「3期12年の市政について一定の評価をいただいたと思う。物価高・エネルギー高で市民も影響を受けているので、国や北海道とのパイプをいかして、市民や事業者への対応を図りたい。また室蘭港は歴史のある港であり、洋上風力などを通じて、室蘭のものづくりの力や魅力を内外に発信していきたい」と述べました。

一方、敗れた小田中稔氏は、「非常に残念だが、最後までの支援に感謝している。多くの市民から室蘭を変えてほしいという声が届いていた。敗因としては、知名度の不足が最後まで響いたと思う。今後、青山市長には市民と一致団結して、よりよい室蘭にしていってほしい」と述べました。


青山氏 一夜明けて

青山氏は24日午前、市内の選挙事務所を訪れ、選挙結果を伝える新聞に目を通したり、お祝いに来た支持者に対応したりしていました。
青山氏は「またしっかり皆さんのために働いていこうという身の引き締まる朝を迎えている。人口減少対策として子育て世代への支援や若者が定住できるまちづくりなど、地域が抱える課題にスピーディーに取り組みたい」と抱負を述べました。

また、NHKの出口調査で、スキー場など3つの公共施設を廃止する市の方針に対し、「反対」と答えた人が70%に上ったことについて、「将来の安心できる財政運営を考え、ご理解いただきたい。スキー場については、維持費のかからない形で雪山遊びができるような取り組みを市民と検討を重ねていきたい」と述べました。青山氏には25日に当選証書が手渡されます。

室蘭市長選挙で、現職の青山剛氏が4回目の当選を果たしたことを受けて、24日、市内の有権者に今後期待することを聞きました。
このうち80代の女性は「年金者は大変なので、年寄りの年金者にとっていいまちにしてもらいたい。私が暮らしている地域は過疎化で人がいないので、若い人がたくさん来て、仕事があるようにしてもらいたい」と話していました。
また、40代の男性は「発想を若手から変えていく必要がある。青山さんは一番若い方なので、少子高齢化などの対策をしっかりしてもらって、まちがよくなればいい。もっと市民に寄り添って声を聞いてもらいたい」と話していました。
また、市内の大学に通う10代の男子学生は「室蘭は『鉄のまち』というくらいなので工場系の職場は強いと思うが、プログラミングなど情報系の職場はあまりないと思うので増えてほしい」と話していました。


【解説】青山氏の勝因は 今後の市政は

青山氏は、経済団体や大企業の労働組合による組織的な支援を受けて、幅広い層から支持を受けました。
NHKが行った出口調査の結果を見ますと、自民党の支持層のおよそ60%、無党派層の40%あまりからも支持を得ました。

年代別では、ほぼすべての層で青山氏がもっとも多くの支持を得ました。

さらに、これまでの青山市政を「大いに評価する」、または「ある程度評価する」と答えた人はあわせて63%に上り、これまで3期12年の市政運営が評価された形です。

一方、青山市政を批判した2人の新人候補の票をあわせますと、青山氏を3400票あまり上回り、過半数となっています。36年ぶりの3人による選挙戦となったことで、批判票が分散したことも影響したと言えそうです。
こうした中での4期目の市政運営。歯止めのかからない人口減少やまちの産業の活性化など課題は山積しており、青山氏は難しいかじ取りを迫られることになりそうです。
例えば、NHKの出口調査では、青山氏が進めてきたスキー場など3つの公共施設を廃止するという市の方針については、「反対」が70%にのぼりました。

こうした市民からの声にも丁寧に対応していくことが必要になります。
また、今回の選挙戦では、市の職員でつくる労働組合が新人の小田中氏に立候補を求め、その結果、これまで青山氏を支えてきた勢力が割れる形となりました。
まちを再び1つにまとめながら、閉塞感を打破するために選挙で掲げたさまざまな対策をどう実現していくのか。4期目の手腕が問われることになりそうです。

 

前回・2019年(平成31年)までの戦いは👇

室蘭市長選挙 戦いの歴史 最近の選挙結果は

 

出口調査を詳しく分析すると👇

チョイス北海道 トップページ👇

北海道の選挙を詳しく👇

 

ページトップに戻る