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衆議院小選挙区 区割りの見直し案勧告 北海道3区・4区・5区で線引き変更へ

  • 2022年6月17日

衆議院の小選挙区をめぐるいわゆる1票の格差を是正するため、政府の審議会は6月16日、小選挙区の区割りを見直す案を岸田総理大臣に勧告しました。北海道では小選挙区の数は今のままですが、北海道3区と4区、それに5区で線引きが変更されます。

政府の「衆議院議員選挙区画定審議会」は2020年(令和2年)の国勢調査の結果などをもとに小選挙区の区割りを見直す案を決定し、岸田総理大臣に勧告しました。
それによりますと、北海道では小選挙区の数は今のままですが、1票の格差を2倍未満にするため線引きが変更されます。
具体的には、札幌市の白石区、豊平区、清田区からなる「北海道3区」は白石区の一部、北東白石連合町内会の区域が隣の「5区」に移ります。JR千歳線よりも北の厚別区に隣接する区域です。

札幌市の西区の一部と手稲区、それに小樽市など後志地方からなる「北海道4区」は今は「5区」となっている石狩市が加わります。石狩市は現在、「4区」の小樽市や札幌市手稲区と隣接しています。

札幌市の厚別区と江別市や千歳市など石狩地方からなる「北海道5区」は「3区」の白石区の一部が加わる一方、石狩市が「4区」に移ります。
16日の勧告を受けて政府は秋の臨時国会で公職選挙法の改正案を提出し、成立を目指す方針です。成立すれば新たな区割りは1か月程度の周知期間を経て導入されることになっていて、その後の衆議院選挙から適用される見通しです。


白石区も複数の小選挙区に 札幌市内で3例目

札幌市ではこれまで西区と北区が複数の小選挙区に分かれていましたが、今回の勧告では白石区も複数の小選挙区に分かれることになります。
一方、これまで札幌市以外では、総合振興局や振興局の区域はそれぞれ1つの小選挙区でしたが、勧告では石狩振興局管内で札幌市以外の市町村は、石狩市が4区、石狩市以外が5区と分かれることになります。
 

選挙区の人口は 1票の格差は

今回の区割り案によりますと、2020年(令和2年)の国勢調査に基づく人口が道内で最も多い選挙区は「北海道2区」で54万2597人、次いで「北海道3区」が52万7387人、「北海道1区」が52万3763人などとなっています。
一方、人口が最も少ない選挙区は「北海道7区」で29万2062人、次いで「北海道10区」が32万3616人、「北海道11区」が33万729人、「北海道12区」が33万2178人などとなっています。
全国で人口が最も少ない「鳥取2区」を基準に1票の格差を計算すると、道内で人口が最も多い「北海道2区」は1.980倍となり、2倍をわずかに下回ります。この「北海道2区」の1.980倍は、「福岡2区」の1.999倍や「福岡5区」の1.998倍、「宮城2区」の1.993倍などに次いで全国6番目の大きさです。
また、都道府県ごとに議員1人あたりの人口を計算すると、北海道は43万2524人となります。最も多いのは岡山県の46万5829人、逆に最も少ないのは鳥取県の27万4549人で、北海道は多いほうから数えて21番目です。

2020年(令和2年)の人口と1票の格差
北海道1区 52万3763人(1.912倍)
北海道2区 54万2597人(1.980倍)
北海道3区 52万7387人(1.925倍)
北海道4区 47万6778人(1.740倍)
北海道5区 50万7605人(1.853倍)
北海道6区 47万9670人(1.751倍)
北海道7区 29万2062人(1.066倍)
北海道8区 41万1214人(1.501倍)
北海道9区 44万2694人(1.616倍)
北海道10区 32万3616人(1.181倍)
北海道11区 33万729人(1.207倍)
北海道12区 33万2178人(1.212倍)


新たな区割り案 有権者は 選挙管理委員会は

石狩市はこれまでの5区から4区に移り、後志地方などと同じ選挙区になります。これについて石狩市で聞きました。
毎回、欠かさず衆議院選挙の投票に行くという男性は「選挙区が変われば代議士も違う。選挙区が違うと候補者をよく知らないので、しっかりと見て投票しなければいけないと思っている」と話していました。
また、60代の女性は「4区の手稲区や小樽市にはあまり行く機会がないので、そうした地域と1つの選挙区になるというのは不安があるし、ちょっと混乱しています」と話していました。
一方、40代の女性は「選挙区が変わると候補者の顔も変わってくるので、どういう人に投票することになるのかというところは興味がある」と話していました。
一方の札幌市白石区。北東白石連合町内会はJR千歳線よりも北の厚別区に隣接する区域です。この区域はこれまでの3区から5区に移ることになります。白石区は1つの区が2つの小選挙区に分かれることになります。
選挙管理委員会は1つの区の中で異なる選挙区の投票所を運営し、開票作業も別々に進める必要が出てきます。

札幌市選挙管理委員会事務局 木村真治選挙課長
「具体的な準備は法律の改正後になると思うが、衆議院はいつ解散があり選挙があるか分からないので、しっかり対応できるよう準備していきたい。選挙区が変わる市民には今後の法改正の状況などを見ながらしっかりと周知していきたい」


北海道の小選挙区 区割り見直しの歴史

衆議院の小選挙区の区割りは1996年(平成8年)の41回選挙で「小選挙区比例代表並立制」が導入されてから、北海道ではこれまでに2回、見直されています。
最初の見直しは、2003年(平成15年)の43回選挙に合わせて行われ、小選挙区の数が13から12に1つ減りました。
これに伴い、それまでは同じ選挙区だった旭川市以外の上川、留萌、宗谷の3つの地域がそれぞれ別の選挙区と統合されました。以前は、旭川市が単独で1つの選挙区を構成していましたが、この見直しで旭川市と旭川市以外の上川を合わせて上川全体で1つの選挙区北海道6区となりました。

また、留萌は空知と合わせて北海道10区に、宗谷はオホーツクと合わせて北海道12区になりました。宗谷の礼文町からオホーツクの斜里町まで、直線距離で東京と名古屋の距離にも相当する広大な選挙区はこのときに誕生しました。

その後、2010年(平成22年)、明治以来100年にわたって続いてきた「支庁」の制度が変わります。道が各地に設けている出先機関が「支庁」から「総合振興局」「振興局」に変わり、これに伴い、旧・空知支庁管内の幌加内町が上川総合振興局、旧・留萌支庁管内の幌延町が 宗谷総合振興局の管内にそれぞれ変更されました。
小選挙区の北海道10区は旧・空知支庁管内と旧・留萌支庁管内で構成されたまま変わらず、支庁制度改革の結果、幌加内町は上川、幌延町は宗谷の振興局管内なのに小選挙区は北海道10区という、地域と小選挙区の“不一致”が生じることになりました。

2回目の見直しは、前々回、2017年(平成29年)の48回選挙に合わせて行われました。このとき、大きく変わったのが札幌市です。
中央区・南区・西区で構成されていた北海道1区では、西区の一部が手稲区や小樽市など後志の地域からなる北海道4区に編入されました。具体的には、西区の発寒、発寒北、八軒、それに八軒中央の4つの連合町内会の区域です。また、東区・北区で構成されていた北海道2区のうち、北区の鉄西連合町内会の区域が北海道1区に編入されました。

有権者数でみますと、4区に移ったのは西区のおよそ7万人、1区に移ったのは北区の5000人余りでした。
札幌市の行政区が複数の小選挙区に分けられたのは、これが初めてでした。
また、札幌市以外では区割りを振興局単位とするため、北海道10区のうち、幌加内町が北海道6区に、幌延町が北海道12区にそれぞれ移りました。この結果、北海道6区は上川、北海道10区は空知・留萌、北海道12区はオホーツク・宗谷の地域となり、小選挙区と地域の“不一致”は解消されました。


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