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【詳細】衆議院選挙 道内12小選挙区は与党が7議席で過半数獲得 比例も与党が上回る

  • 2021年11月1日

10月31日に投票が行われた第49回衆議院選挙。道内12の小選挙区は自民・公明両党が7議席を獲得し、野党を上回りました。比例代表と合わせて選挙結果を詳しくみていきます。

 

北海道の戦い 与野党の獲得議席数は

道内12の小選挙区は、自民党が6議席、立憲民主党が5議席、公明党が1議席を獲得しました。
自民党は選挙前の5議席から1議席増やしました。
立憲民主党は選挙前の6議席から1議席減らしました。
公明党は1議席を維持しました。
与野党の勢力は選挙前、自民・公明両党が6議席、立憲民主党が6議席と伯仲していましたが、今回の選挙で与党が過半数の議席を獲得し、野党を上回りました。

また、小選挙区と比例代表を合わせた道内20の議席のうち、過半数を与党が獲得しました。
選挙前、与野党の議席は小選挙区、比例代表ともに同数で勢力は伯仲していましたが、今回、与党が過半数の議席を獲得し、野党を上回りました。


北海道1区 立憲民主党の道下氏が再選 自民党の船橋氏は議席失う

北海道1区は、立憲民主党の前議員で社民党道連合が支持した道下大樹氏が2回目の当選を果たしました。
北海道1区の開票結果です。
▼道下大樹(立民・前)当選 11万8286票
▼船橋利実(自民・前) 10万6985票
▼小林悟(維新・新) 3万5652票
立憲民主党の道下氏が自民党の船橋氏らを抑えて、2回目の当選を果たしました。

道下氏は十勝の新得町出身の45歳。
道議会議員を経て前回・4年前の衆議院選挙で初当選しました。
かつて秘書を務めた元北海道知事の横路孝弘氏を選挙対策本部長に据え、横路氏と一緒に街頭演説を行うなど地盤を引き継いだ選挙運動を展開しました。
選挙戦では「クリーンな政治」を掲げ、政治への信頼を取り戻すと繰り返し訴えました。
また、多様性が尊重される社会に向けて選択的夫婦別姓の導入や、LGBTと呼ばれる性的マイノリティーの人たちなどの権利保護も掲げました。
そして立憲民主党や共産党の支持層を固めたほか、無党派層にも支持を広げ、2回目の当選を果たしました。

道下氏は「選挙戦は横一線の厳しい戦いだったが多くの皆さまに支援を広げていただいた。この勝利は私個人の勝利ではなく、皆さまの勝利だと思っている」と述べました。
そのうえで、「選挙戦のなかでいただいた意見や要望を一日も早く政策に反映させるために、全力をあげていく」と述べました。
一方、船橋氏は「当選を勝ち取るという強い思いの中で、選挙戦をともに戦い抜いていただいたにもかかわらず、私の力不足です。私の訴える力が弱かったということだと思いますので、しんしに受け止めたい。皆さまに感謝の思いとおわびを申し上げます」と述べました。
 

北海道2区 立憲民主党の松木氏が6選 補欠選挙に続き議席獲得

北海道2区は、立憲民主党の前議員でれいわ新選組が推薦し、社民党道連合が支持した松木謙公氏が6回目の当選を果たしました。
北海道2区の開票結果です。
▼松木謙公(立民・前)当選 10万5807票
▼高橋祐介(自民・新) 8万9745票
▼山崎泉(維新・新) 4万1076票
立憲民主党の松木氏が自民党の高橋氏らを抑えて、6回目の当選を果たしました。

松木氏は札幌市出身の62歳。
2003年(平成15年)の衆議院選挙で初当選し、民主党政権では農林水産政務官などを務めました。
ことし4月の補欠選挙では、自民党が候補者擁立を見送るなか、野党統一候補として当選を果たしました。
今回も共産党は候補者を擁立せず、松木氏に一本化しました。
選挙戦で松木氏は、新型コロナウイルスの感染拡大で疲弊した家計を支えるため、消費税の減税などを訴えました。
そして立憲民主党や共産党の支持層を固めたほか、無党派層にも支持を広げ、6回目の当選を果たしました。

松木氏は「皆さん一人ひとりのおかげです。選挙中のキャッチフレーズ『幸せの土台づくり』を実現できるように頑張りたい」と述べました。
そのうえで、「年金の問題もだが、コロナ対策を万全にしないといけないし、消費税減税も訴えていきたい。気候変動の問題も待ったなしなので、このことを中心に政治活動を頑張りたい」と述べました。
一方、高橋氏は「すべて私の不徳の致すところです。本当に皆さまのご支援はありがたいものでした。皆さまからいただいた力を糧に、次を目指して精進して参りますので、引き続き、ご支援いただきますようお願い申し上げます」と述べました。
 

北海道3区 自民党の高木氏が3選 激戦制して衆議院議員に返り咲き 立憲民主党の荒井氏は比例で初当選

北海道3区は、自民党の元議員で公明党が推薦した高木宏壽氏が3回目の当選を果たしました。
北海道3区の開票結果です。
▼高木宏壽(自民・元)当選 11万6917票
▼荒井優(立民・新)比例当選 11万2535票
▼小和田康文(維新・新) 3万2340票
自民党の高木氏が立憲民主党の荒井氏らを抑えて3回目の当選を果たしました。4年ぶりの返り咲きです。一方、荒井氏は小選挙区では及びませんでしたが、重複立候補した比例代表で復活当選しました。

高木氏は札幌市出身の61歳。
銀行員や警察官を経て道議会議員を2期務めたあと、2012年(平成24年)の衆議院選挙で初当選しました。
前回・4年前の選挙では荒井氏の父、聰氏に選挙区で敗れ、比例代表での復活当選もなりませんでした。
雪辱を期した今回の選挙戦では、新型コロナウイルスの影響を受けた事業者や中小企業の支援を強化することや、防災・減災のためのインフラ整備に取り組むと訴えました。
その結果、自民党と公明党の支持層を固めたほか、無党派層からも一定の支持を得て、3回目の当選を果たしました。

高木氏は「皆さんとともに激戦を勝ち取ることができました。4年間の浪人生活で、地域を回り現場の声を聞いて来たので国政に反映させていきたい。北海道は経済が疲弊しているのでしっかり立て直していきたい。また、中長期的に安心して暮らせる社会にしていきたいし、そのために努力をしていきたい」と述べました。
 

北海道4区 自民党の中村氏が4選 1対1の与野党対決制す 立憲民主党の大築氏は比例で初当選

与野党対決の構図となった北海道4区は、自民党の前議員で公明党が推薦した中村裕之氏が4回目の当選を果たしました。
北海道4区の開票結果です。
▼中村裕之(自民・前)当選 10万9326票
▼大築紅葉(立民・新)比例当選 10万8630票
自民党の中村氏が立憲民主党の大築氏との1対1の対決を制して、4回目の当選を果たしました。一方、大築氏は小選挙区では及びませんでしたが、重複立候補した比例代表で復活当選しました。

中村氏は後志の余市町出身の60歳。
道議会議員を経て、2012年(平成24年)の衆議院選挙で初当選して以来、3回連続で当選し、岸田内閣で農林水産副大臣に就任しました。
選挙戦では高速道路の整備や食と自然を生かした観光の発展、1次産業の振興などに力を尽くすと訴えました。
期間中は安倍元総理大臣や麻生副総裁など党幹部らが相次いで応援に駆けつけ、支持の拡大を図りました。
その結果、自民党や公明党の支持層を固めたほか、無党派層の多い札幌市など都市部でも得票を重ね、4回目の当選を果たしました。

中村氏は「大変厳しい選挙戦だったが、支援者に支えていただいて一騎打ちの戦いを勝利することができた。ありがとうございます」と話しました。
そのうえで、「しんしに取り組んできたことが形になっていて、そうしたところを認めていただいたのだと思う。皆さんのおかげと感謝しながら皆さんのために精一杯頑張るので、ご支援、ご助力をいただきたい」と述べました。
 

北海道5区 自民党の和田氏が3選 立憲民主党の池田氏は議席失う

北海道5区は、自民党の前議員で公明党が推薦した和田義明氏が3回目の当選を果たしました。
北海道5区の開票結果です。
▼和田義明(自民・前)当選 13万9950票
▼池田真紀(立民・前) 11万1366票
▼橋本美香(共産・新) 1万6758票
▼大津伸太郎(無所属・新) 8520票
自民党の和田氏が立憲民主党の池田氏らを抑えて、3回目の当選を果たしました。

和田氏は大阪府池田市出身の50歳。
自民党の町村信孝元衆議院議長の娘婿で、大手商社に勤務したあと、町村氏の死去に伴う2016年(平成28年)の補欠選挙で初当選しました。
選挙戦で和田氏は、内閣府政務官として新型コロナウイルス対策に最前線で取り組んだことや、男性に育児休業の取得を促すための法改正など実績をアピールしました。
また、国とのパイプ役となって、農産品の競争力強化のための予算を確保するなどと訴えました。
そして自民党や公明党の支持層を固めたほか、無党派層からも一定の支持を得て、3回目の当選を果たしました。

和田氏は「皆さんの力のおかげで勝利をつかむことができた。北海道の経済を回復させるため、元商社マンとして徹底した現場主義を信条に国会で頑張っていきたい」と述べました。
一方、池田氏は「今回の結果を受け止め、『必ず次こそは』という気持ちで挑んでいきたい。今回は本当に申し訳ございませんでした」と述べました。
 

北海道6区 自民党の東氏が初当選 立憲民主党の西川氏は議席得られず 与野党対決は自民党が制す

北海道6区は、自民党の新人で公明党と新党大地が推薦した東国幹氏が初めての当選を果たしました。
北海道6区の開票結果です。
▼東国幹(自民・新)当選 12万8670票
▼西川将人(立民・新) 9万3403票
▼齊藤忠行(N党・新) 9776票
自民党の東氏が立憲民主党の西川氏らを抑えて、初めての当選を果たしました。

東氏は名寄市出身の53歳。
旭川市議会議員を経て、道議会議員を合わせて16年余り務めました。
北海道6区は立憲民主党の前議員が引退し、新人どうしによる事実上の与野党対決の構図となりました。
選挙戦で東氏は、地域の発展のためには政権与党の国会議員が必要だとして、みずからが国とのパイプ役になると強調しました。
また、農作物のブランド化を推し進め、基幹産業の農業の振興を図ることや、医療・福祉分野での都市部との格差の解消などを訴えました。
選挙戦では旭川市の今津寛介市長が応援に入ったほか、農協や経済団体などから支援を受け、組織力を生かした運動を展開しました。
その結果、自民党や公明党の支持層を固めたほか、無党派層などにも支持を広げ、初めての当選を果たしました。

東氏は「この勝利は、上川地方を変えなければならないとの思いで支持してくれた道民のおかげです。地域の振興のため、それぞれの分野の発展のため、汗を流していく決意です」と述べました。

一方、西川氏は重複立候補した比例代表でも復活当選できず、落選しました。
西川氏は旭川市出身の52歳。
国際線のパイロットなどを経て、2006年(平成18年)からことし8月まで4期およそ15年にわたって旭川市長を務めました。
立憲民主党の前議員、佐々木隆博氏の引退に伴い、党選挙区支部の要請を受けて任期途中で市長を辞職し、立候補しました。
西川氏は中心市街地の再開発など市長時代の実績を強調するとともに、東京や札幌などとの格差是正や、旭川空港を拠点とした地域の活性化などを訴えました。
しかし、組織力を生かした運動を展開する自民党の東氏に及ばず、小選挙区で敗れました。
そして重複立候補した比例代表北海道ブロックでも議席を確保できず、落選が決まりました。
西川氏は「私の力不足で残念な結果になった。期待に応えられず、心からおわび申し上げます」と述べました。
そのうえで旭川市長としての新型コロナ対策などへの対応が逆風になったのではないかという記者団の質問に対し、「市長としてできる最大限のことをしたので後悔はない。ただ、選挙の結果に影響したのであれば、しっかり受け止めなければいけない」と述べました。
 

北海道7区 自民党の伊東氏が5選 野党候補に大差つける

北海道7区は、自民党の前議員で公明党が推薦した伊東良孝氏が5回目の当選を果たしました。
北海道7区の開票結果です。
▼伊東良孝(自民・前)当選 8万797票
▼篠田奈保子(立民・新) 4万5563票
▼石川明美(共産・新) 1万2913票
自民党の伊東氏が立憲民主党の篠田氏らを抑えて、5回目の当選を果たしました。

伊東氏は旭川市出身の72歳。
道議会議員や釧路市長などを経て2009年(平成21年)の衆議院選挙で初当選し、農林水産副大臣などを歴任しました。
現在、党の道連会長を務めています。
選挙戦では新型コロナの感染拡大で疲弊した経済の立て直しや地域医療の充実のほか、赤潮被害の原因究明と漁業者への支援などを訴えました。
伊東氏は企業や農協、漁協などの団体から幅広い支援を受け、自民党や公明党の支持層を固めたほか、無党派層からも一定の支持を得て、5回目の当選を果たしました。

伊東氏は「一番、最初に取り組みたいのは赤潮対策だ。新型コロナウイルスから脱却し、『アフターコロナ』を見据えた医療体制の構築や疲弊した北海道経済の回復にも取り組みたい」と述べました。
一方、篠田氏は「立候補したことで、有権者に選択肢を示せたことは大きな意義だったと感じている。今の政治ではいけないという多くの声は決して無視できないので、今後もこの地域の方々の厳しい状況を受け止め、できる限りのことを行っていきたい」と述べました。
 

北海道8区 立憲民主党の逢坂氏が5選 1対1の与野党対決制す

 1対1の与野党対決となった北海道8区は、立憲民主党の前議員で社民党道連合が支持した逢坂誠二氏が5回目の当選を果たしました。
北海道8区の開票結果です。
▼逢坂誠二(立民・前)当選 11万2857票
▼前田一男(自民・元) 10万1379票
立憲民主党の逢坂氏が自民党の前田氏を抑えて、5回目の当選を果たしました。

逢坂氏は後志のニセコ町出身の62歳。
ニセコ町長を3期務め、2005年(平成17年)の衆議院選挙で、比例代表北海道ブロックで初当選しました。
現在、党の道連代表を務めています。
逢坂氏は政府の新型コロナウイルス対策は不十分だとして、事業者への支援の拡充や生活困窮者への現金給付が必要だと訴えました。
また、人口減少への対策として子育て環境の整備や所得の向上に取り組むと訴えました。
選挙戦の様子を連日、SNSに投稿し、若い世代への浸透も図りました。
その結果、立憲民主党や共産党の支持層を固めたほか、無党派層からも幅広い支持を集め、5回目の当選を果たしました。

逢坂氏は「まず新型コロナ対策を間髪いれずに行う。業種に関係なく事業者に支援を行うことや、生活困窮者への現金給付などを政府に要請していきたい」と述べました。
また、道南地方について、「地域を元気にしてほしいという声が多く寄せられた。地域でお金が回る地域循環型経済を目指す。農作物などの『一次産品』を地場で加工し、地場で販売して、これまで外に払っていたお金を地域内で使って循環させる」と述べました。
一方、前田氏は「力及ばずだった。若い次の世代に方々に申し訳なかった」と述べました。
 

北海道9区 立憲民主党の山岡氏が3選 1対1の与野党前議員対決制す 自民党の堀井氏は比例で4選

1対1の与野党対決となった北海道9区は、立憲民主党の前議員で社民党道連合が支持した山岡達丸氏が3回目の当選を果たしました。
北海道9区の開票結果です。
▼山岡達丸(立民・前)当選 11万3512票
▼堀井学(自民・前)比例当選 10万6842票
立憲民主党の山岡氏が自民党の堀井氏との1対1の対決を制して、3回目の当選を果たしました。一方、堀井氏は小選挙区では及びませんでしたが、重複立候補した比例代表で復活当選しました。

山岡氏は東京都出身の42歳。
NHKの記者を経て、2009年(平成21年)の衆議院選挙で、比例代表北海道ブロックで初当選しました。
9区では3回続けて自民党の堀井学氏に敗れましたが、前回・4年前の選挙では比例代表で復活当選しました。
選挙戦で山岡氏は、政府の新型コロナウイルスの対応を批判するとともに、資金繰りが厳しい経営者への支援や消費税の一時的な減税などを訴えました。
その結果、立憲民主党や共産党の支持層を固め、無党派層からも幅広い支持を集めたほか、自民党支持層の一部からも支持を得て、3回目の当選を果たしました。山岡氏は選挙区で初めての議席獲得です。

山岡氏は「地域の代表として選んでいただき、万感の思いだ。もっと役に立つ、もっと国民の暮らしに向かい合う国会議員として働いていきたい」と述べました。
また、共産党が立候補を取り下げ野党の候補が一本化されたことにも触れ、「多くの方のご努力の中で1対1で戦うことができた。その期待にも応えられるよう活動していきたい」と述べました。
 

北海道10区 公明党の稲津氏が5選 1対1の与野党前議員対決制す 立憲民主党の神谷氏は比例で再選

1対1の与野党対決となった北海道10区は、公明党の前議員で自民党と新党大地が推薦した稲津久氏が5回目の当選を果たしました。
北海道10区の開票結果です。
▼稲津久(公明・前)当選 9万6843票
▼神谷裕(立民・前)比例当選 8万2718票
前回と同じ顔ぶれとなった対決は、公明党の稲津氏が立憲民主党の神谷氏を抑えて5回目の当選を果たしました。一方、神谷氏は小選挙区では及びませんでしたが、重複立候補した比例代表で復活当選しました。

稲津氏は芦別市出身の63歳。
道議会議員を経て、2009年(平成21年)の衆議院選挙で、比例代表北海道ブロックで初当選しました。
その後、2012年(平成24年)からは北海道10区で3回連続で当選し、厚生労働副大臣などを務めました。
選挙戦で稲津氏は、経済対策として新たな「Go Toキャンペーン」を実施することや、18歳までの子どもを対象に1人あたり一律10万円相当の支援を行うことなどを訴えました。
公明党は北海道10区を最重点区と位置づけ、公示日には山口代表が駆けつけたほか、岸田総理大臣も応援に入り支持を呼びかけました。
その結果、公明党や自民党の支持層を固めたほか、無党派層などにも支持を広げ、5回目の当選を果たしました。

稲津氏は「新型コロナの蔓延防止のために最前線に立ってきたことを訴えた。今後、補正予算を組むなどして、新型コロナ後を見据えた経済対策に取り組んでいきたい。さらに与党の力を生かして、子育て世代のための給付金の支給や下落した米価の対策も行っていきたい」と述べました。
 

北海道11区 立憲民主党の石川氏が再選 1対1の与野党対決制す 自民党の中川氏は比例で3選し衆議院議員に返り咲き

1対1の与野党対決となった北海道11区は、立憲民主党の前議員で社民党道連合が支持した石川香織氏が2回目の当選を果たしました。
北海道11区の開票結果です。
▼石川香織(立民・前)当選 9万1538票
▼中川郁子(自民・元)比例当選 8万5336票
前回と同じ顔ぶれとなった対決は、立憲民主党の石川氏が自民党の中川氏を抑えて2回目の当選を果たしました。一方、中川氏は小選挙区では及びませんでしたが、重複立候補した比例代表で復活当選しました。

石川氏は横浜市出身の37歳。
アナウンサーを務めたあと、前回・4年前の衆議院選挙で初当選しました。
選挙戦では夫で十勝の足寄町出身の元衆議院議員、石川知裕氏とともに選挙区を回って運動を進めました。
石川氏は新型コロナの影響を受けた農家の支援などに取り組んできた実績を強調したほか、生活が苦しい人たちに食料を支援することで食品ロスの削減にもつなげたいと訴えました。
その結果、立憲民主党や共産党の支持層を固めたほか、無党派層からも幅広い支持を集め、2回目の当選を果たしました。

石川氏は「皆さんの支援で厳しい選挙戦を何とか切り抜けることができた。保守が強い地盤なのでそう簡単ではないと覚悟していたが、想像以上に分厚い壁だった。コロナ禍の長期化で一次産業も大きな影響を受けている。支援が必要な人に行き渡るように現場の皆さんの声をしっかり届けたい」と述べました。
 

北海道12区 自民党の武部氏が4選 野党候補を引き離す

北海道12区は、自民党の前議員で公明党が推薦した武部新氏が4回目の当選を果たしました。
北海道12区の開票結果です。
▼武部新(自民・前)当選 9万7634票
▼川原田英世(立民・新) 5万5321票
▼菅原誠(共産・新) 1万4140票
自民党の武部氏が立憲民主党の川原田氏らを抑えて、4回目の当選を果たしました。

武部氏はオホーツクの斜里町出身の51歳。
自民党幹事長などを務めた父・勤氏の秘書などを経て、2012年(平成24年)の衆議院選挙で初当選し、岸田内閣で農林水産副大臣に就任しました。
選挙戦では新型コロナウイルス対策として病床の整備や国産の治療薬の開発を促進させることや、大規模な経済対策を実施し日常を取り戻すと訴えました。
組織力をいかした選挙活動を進め、自民党や公明党の支持層を固めたほか、無党派層からも一定の支持を集め、4回目の当選を果たしました。

武部氏は「責任重大だが、気持ちを引き締めて北海道の発展に力を尽くす。コロナを乗り越えて生活を取り戻すために全力をあげていく」と述べました。
一方、川原田氏は「この結果に言い訳はありません。しかし、今ある課題は変わらないので、これからも信念を曲げることなく政治活動を続けたい」と述べました。
 

道内小選挙区の投票率は58.79% 戦後3番目の低さに

道選挙管理委員会によりますと、道内の小選挙区全体の確定投票率は58.79%と、前回・4年前の選挙に比べて1.51ポイント低くなり、戦後3番目の低さとなりました。

 

比例代表北海道ブロック 与党が野党を上回る

定員8の比例代表北海道ブロックは、自民党が4議席、立憲民主党が3議席、公明党が1議席となりました。選挙前は与党と野党が4議席ずつを分け合い勢力が伯仲していましたが、今回は与党が野党を上回りました。

比例代表北海道ブロックの各党と政治団体の得票数は、▼自民党が86万3300票、▼立憲民主党が68万2912票、▼公明党が29万4371票、▼日本維新の会が21万5344票、▼共産党が20万7189票、▼れいわ新選組が10万2086票、▼国民民主党が7万3621票、▼政治団体の「支持政党なし」が4万6142票、▼「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」が4万2916票、▼社民党が4万1248票でした。

比例代表北海道ブロックで当選したのは次の方々です。
自民党は、名簿順位1位で前議員の鈴木貴子氏、名簿順位2位で前議員の渡辺孝一氏、名簿順位3位で小選挙区と重複立候補した前議員の堀井学氏と元議員の中川郁子氏です。
立憲民主党は、いずれも名簿順位1位で小選挙区と重複立候補した新人の大築紅葉氏、新人の荒井優氏、前議員の神谷裕氏です。
公明党は、名簿順位1位で前議員の佐藤英道氏です。

《自民党・鈴木貴子氏》
自民党の名簿順位1位で前議員の鈴木貴子氏は4回目の当選です。
鈴木氏は帯広市出身の35歳。
日本維新の会の鈴木宗男参議院議員の長女で、NHKのディレクターを経て2012年(平成24年)の衆議院選挙で新党大地から立候補し落選しましたが、その後、繰り上げで初当選しました。
これまでに防衛政務官などを務め、岸田内閣で外務副大臣に就任しました。
今回の選挙で鈴木氏は、父親のかつての地盤である北海道7区からの立候補に意欲を示していましたが、公認調整の結果、前回の選挙に続いて比例単独での立候補となりました。
鈴木氏は「道内のすべての皆さんに感謝申し上げる。子育て世代の声を政策に反映させるなどして、鈴木貴子の可能性が北海道、そして日本の可能性だと皆さんにそう思ってもらえる仕事をやっていきたい」と述べました。

《自民党・渡辺孝一氏》
自民党の名簿順位2位で前議員の渡辺孝一氏は4回目の当選です。
渡辺氏は美唄市出身の63歳。
2002年(平成14年)から岩見沢市長を務め、3期目の途中で辞職して2012年(平成24年)の衆議院選挙で初当選しました。
防衛政務官などを歴任し、現在、総務政務官を務めています。
渡辺氏は北海道10区の公明党との候補者調整で、初当選の選挙以来4回続けて比例単独での立候補となりました。
渡辺氏は「今回の選挙では、コメの価格の問題を含めて空知に大変厳しい風が吹いたが、各地で皆さんから温かい支援をいただいた。新型コロナで打撃を受けた経済や地域の問題が山積している。人口減少や少子高齢化、公共交通の足をどうするのかなど、各地で起きている問題の整理をしなければならないと痛感している。皆さんの声をどう国で反映させるか、一生懸命やっていく」と述べました。

《自民党・堀井学氏》
自民党の名簿順位3位で前議員の堀井学氏は4回目の当選です。
堀井氏は室蘭市出身の49歳。
スピードスケートの選手として1994年(平成6年)のリレハンメルオリンピックで銅メダルを獲得しました。
その後、道議会議員を経て、2012年(平成24年)の衆議院選挙で初当選し、外務政務官などを務めました。
選挙戦で堀井氏は、新型コロナウイルスのワクチンの確保や医療提供体制の整備、それに新型コロナで苦しむ飲食業や観光業への支援の強化などを訴えました。
堀井氏は、重複立候補していた北海道9区では立憲民主党の山岡達丸氏に敗れ議席は確保できませんでしたが、自民党の名簿順位3位で同一順位になっている候補者の中では選挙区の惜敗率が高く、比例代表で復活当選しました。
堀井氏は「小選挙区で勝利することを考えていたが、届かないという可能性も胸に抱いていた。4市14町全ての地域の皆さま方に票を積み上げていただいて、何とか比例という枠を使って議席を守ることができたと思う」と述べました。
そのうえで、「これからカーボンニュートラルに挑戦するという意味で、大改革が必要な企業が胆振・日高に集積している。しっかりと役割を果たして責任を全うしていきたい」と述べました。

《自民党・中川郁子氏》
自民党の名簿順位3位で元議員の中川郁子氏は3回目の当選です。
中川氏は新潟県出身の62歳。
故・中川昭一元財務・金融担当大臣の妻で、2012年(平成24年)の衆議院選挙で初当選し、農林水産政務官などを務めました。
選挙戦で中川氏は、高規格道路や港湾などを整備し物流体制を強化することや、地元の食材を使った宇宙食の開発など宇宙産業への投資を拡大すると訴えました。
また、鈴木宗男参議院議員が代表を務める新党大地の推薦も受けました。
中川氏は、重複立候補していた北海道11区では議席を確保できませんでしたが、自民党の名簿順位3位で同一順位になっている候補者の中では選挙区での惜敗率が高く、比例代表で復活当選。4年ぶりの国政復帰を果たしました。

中川氏は1日午前4時40分すぎに選挙事務所に姿を見せ、支援者らとバンザイをして喜び合いました。
中川氏は「皆さんのおかげで北海道最後の当選者になることができました。北海道で一番働くつもりで頑張ります。本当にうれしいです」と述べました。
そのうえで、「これからが勝負だと思います。コロナ対策や赤潮被害、経済対策や農業もいろいろと問題を抱えているので責任は重大だと思います。公約は全部果たしたいと思います」と抱負を述べました。


《立憲民主党・大築紅葉氏》
立憲民主党の名簿順位1位で新人の大築紅葉氏は初めての当選です。
大築氏は小樽市出身の38歳。
イギリスの大学を卒業後、フジテレビに入り、政治部の記者を務めました。
2人の子を育てる大築氏は子育てや教育に充てる予算が少なすぎるとして、児童手当の拡充など子育て支援策を中心に訴えました。
また、若さをアピールし、「新しい世代から新しい政治を」というキャッチコピーで、SNSなども駆使して支持を呼びかけました。
大築氏は、重複立候補していた北海道4区では議席を確保できませんでしたが、立憲民主党の名簿順位1位で同一順位になっている候補者の中では選挙区の惜敗率が高く、比例代表で復活当選しました。
大築氏は「小選挙区でわずかに届かなかったのは、私の力不足です。立候補を表明してから2か月で10万票以上の票を投票してくださり、感謝しかありません。悔しくてたまりませんが、地域の皆さんの声を国に届けていくために汗をかいていきたい」と述べました。


《立憲民主党・荒井優氏》
立憲民主党の名簿順位1位で新人の荒井優氏は初めての当選です。
荒井氏は札幌市出身の46歳。
ソフトバンクなど民間企業に勤務したあと、私立高校の校長などを経て、現在は学校法人の理事長を務めています。
父・聰氏の引退を受けて今回、初めて立候補しました。
選挙戦で荒井氏は、校長を務めた経験などから教育の充実や子どもの貧困の解消、子育て支援の強化などを訴えました。
荒井氏は、重複立候補していた北海道3区では議席を確保できませんでしたが、立憲民主党の名簿順位1位で同一順位になっている候補者の中では選挙区の惜敗率が高く、比例代表で復活当選しました。
荒井氏は「選挙戦を振り返ってみてもすごく自信がありましたが、ただ、何かがもう一つ届いていなかったとこの結果を見て思いました。比例復活は、荒井優個人というより立憲民主党への熱い支持だと思うので、その思いを受け止めたい」と述べました。

《立憲民主党・神谷裕氏》
立憲民主党の名簿順位1位で前議員の神谷裕氏は2回目の当選です。
神谷氏は東京都出身の53歳。
国会議員の秘書を務めたあと、前回・4年前の衆議院選挙で北海道10区から立候補し、公明党の稲津久氏に513票差で敗れたものの、比例代表で復活当選しました。
同じ顔合わせとなった今回、神谷氏は安倍政権以降の経済政策で格差が拡大したとして、所得の再分配などを通じて生活が苦しい人たちを支援すると訴えました。
また、農林水産業の振興や安定した雇用の創出などにも取り組む考えを示しました。
神谷氏は、重複立候補していた北海道10区では議席を確保できませんでしたが、立憲民主党の名簿順位1位で同一順位になっている候補者の中では選挙区の惜敗率が高く、比例代表で復活当選しました。2回続けての比例復活です。

《公明党・佐藤英道氏》
公明党の名簿順位1位で前議員の佐藤英道氏は4回目の当選です。
佐藤氏は宮城県出身の61歳。
道議会議員などを経て、2012年(平成24年)の衆議院選挙に北海道ブロックの比例単独の候補として立候補し、初当選しました。
これまでに農林水産政務官や衆議院の農林水産委員会の理事などを務め、現在は党の国会対策委員長代理などを務めています。
佐藤氏は「全道の皆さまの力強い、真心のご支援で勝利できました。コロナ禍で弱った北海道、特に農林水産業などの切実な声を国に届けてきたことが評価いただけたのだと思う」と述べました。
そのうえで、「一日も早く国会に戻り、北海道、さらには日本の経済再生のために身を粉にして働きたい」と述べました。

定員8の比例代表北海道ブロックは、自民党が4議席を確保しました。
自民党が前回・4年前の選挙で獲得したのは3議席で、今回の選挙で議席を1つ増やしました。
自民党が比例代表北海道ブロックで獲得した議席の数としては、いまの「小選挙区比例代表並立制」が導入されて以降、最も多くなりました。
 

北海道の前議員で3人が議席失う

今回の選挙では、前議員合わせて3人が議席を失いました。
このうち、自民党の前議員、船橋利実氏は立候補した北海道1区で敗れ、比例代表での復活当選もならず、議席を失いました。
立憲民主党の前議員、池田真紀氏は立候補した北海道5区で敗れ、比例代表での復活当選もならず、議席を失いました。
また、比例代表北海道ブロックに比例単独の候補として立候補した国民民主党の前議員、山崎摩耶氏も議席を失いました。

 

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