ページの本文へ

NHK北海道WEB

  1. NHK北海道
  2. NHK北海道WEB
  3. 番組スタッフ
  4. 時を超え、響く ジャミロクワイ伝説の名曲 誕生の秘密

時を超え、響く ジャミロクワイ伝説の名曲 誕生の秘密

  • 2024年3月15日

1996年、世に放たれたその曲。「Virtual Insanity」はイギリス出身のアーティスト・ジャミロクワイ最大のヒット曲だ。収録されたアルバム「Travelling Without Moving」は全世界で800万枚を売り上げ、最も売れたファンクアルバムとしてギネス世界記録に認定。そしてなにより、彼が動く床の上(実際は壁が動いている)で戯れるように踊るミュージックビデオは、カップラーメンのCMで見たことがある人も多いのではないだろうか。 

ほっかいどうが #14
「ジャミロクワイの見た地下街」
(再)4月29日(月・祝)午後6:05~6:20<総合>
※北海道ブロック
※NHKプラス見逃し配信あり

込められたのは未来への憂い

90年代は、テクノロジーが世界を変容させる、きっかけの時代。
Windows95の発売によりパソコンが爆発的に普及。そこからインターネットにアクセスし、現実以外にもう一つの世界ができた。さらに世界初のクローン羊・ドリーの誕生など、遺伝子工学も発展。

そんな中ジャミロクワイは、新たなテクノロジーを追い求める人間の欲望を狂気と捉え、それをヴァーチャル・インサニティと表現した。

And now that things are changing for the worse,(すべてが悪い方向へと向かっているのさ)

Futures made of Virtual Insanity(未来はヴァーチャル・インサニティ)

be govern'd by this love we have For useless, twisting, our new technology(無駄に技術をねじることが どうしても好きらしい)

 

この曲はテクノロジー自体を否定しているわけではない。それが誤った方向に使われることに警鐘をならしているのだ。ChatGPTが世に現れ、多くの人間の仕事を奪い始めている。ゲノム編集により生まれる子供の目や肌の色を選べる、いわゆるデザイナーベビーが誕生する未来も近い。

そんな今だからこそ、より強くこの曲は響く。

 

Virtual Insanityは札幌で生まれた?

ファンの間では少しだけ有名な話だが、実はこの曲、札幌で書かれたという噂がある。

何年か前の札幌公演で 街に出たけど誰も外を歩いていなかった
一体みんなどこにいったのか 近くの老婦人に尋ねたんだ
そしたら案内するからって どんどん階段を下りていって
なんと地下に街があった!
その時の印象をホテルの部屋でまとめてみたのが
皆が知ってるこの曲なんだ

[1999年東京ドーム公演「Virtual Insanity」曲前の発言より]

しかし・・・
近年のジャミロクワイのインタビューや、アルバムのライナーノーツでは札幌ではなく仙台だと語っている。果たしてどちらなのか。番組では日程・天気・地下街の存在と3つの観点から検証を行い、ひとつの真実が浮かび上がった。

 

ジャミロクワイが見た未来はどんなだっただろう?

階段を降りたら何千人もの人がいた。まったく違う世界が広がっていたんだ。
これぞ未来だと思った。

[Jamiroquai公式YouTubeでの発言より]

 

今回、東京五輪の開閉会式の振付を務めた世界的ダンサー・平原慎太郎(小樽出身)が、ジャミロクワイが見た未来をダンスで表現する。
テクノロジーが進化した便利な世界。その中で何かを失い葛藤する人々。地下街ですれ違う一人一人に想いを馳せ、踊る。

未来は、狂気か、それとも・・・

 

■ほっかいどうがページはこちら

 

ページトップに戻る