G7ホテルの準備は?伊勢志摩サミット会場を取材
- 2023年01月18日
G7広島サミットの会場となる広島市のグランドプリンスホテル広島は、どのような準備をしているのでしょうか。そして、前回日本でサミットが開かれた三重県ではどのような準備をして首脳たちを迎えたのか、取材しました。
(NHK広島放送局 記者 福島由季)
去年12月、広島市の「グランドプリンスホテル広島」がG7広島サミットの会場に決まりました。このホテル、7年前には、外相会合の会場となりました。
会合には、当時、外務大臣だった岸田総理大臣も出席しました。ホテルでは、スイートルームを、4部屋から2倍の8部屋に。ロビーには、日本らしさを感じてもらおうと、満開の桜や嚴島神社の大鳥居の模型を展示しました。当時、提供した料理をアレンジしたメニューを、ホテルのレストランで販売していて、問い合わせが増えているといいます。
中吉桂子さん
やはり首脳が来られるので非常に緊張感もあります。これまで培ってきましたおもてなしの力を最大限に発揮して万全な受け入れ態勢で協力していきたいと思います。
では、前回の開催地では、どのような準備が進められたのでしょうか。7年前の伊勢志摩サミットの会場となったホテルでは、東京ドーム2つ分の敷地に建つ3棟の施設で開催されました。
スタッフの前田淳さんは、玄関で、首脳たちの出迎えを担当しました。
前田淳さん
とにかく準備がもう大変で、初めての経験ですからそこが大変でしたね。距離感であるとか、所作といいますか、そういったものもしっかりと正しくできるように意識してやりました。
ホテルが最も力を入れたおもてなしの1つが「料理」です。総料理長の、樋口宏江さんによりますと、料理の提供を国から正式に依頼されたのは、開催のわずか3週間前。サミットならではの工夫が必要だったといいます。
樋口総料理長
提供の時間ですとか、皿の数も決まっていましたし、会議をしながらの食事ですので食べやすさが優先される食事でした。
伊勢エビにあわび、あおさのソース。メモをとりながら食事できるよう1口サイズにして、フォークだけで食べられるようにしました。松阪牛など地元の食材を積極的に使い、三重県の食の魅力をアピールしました。
樋口総料理長
もともと伊勢エビですとか、松阪牛などは全国の方にとてもよく知られている食材だったと思いますので、そういうものはそういうものでまた改めて皆さん認識されたでしょうし、そうでないものについては、皆さん新たにご存じになるきっかけになったのかなと思います。
サミットは地域の観光や産業にプラスの効果をもたらしたといいます。首脳たちに贈られた「ラペルピン」と呼ばれるアクセサリーには特産の真珠が使われて話題に。
三重県が全国の生産量のおよそ6割を占める「あおさ」も人気が高まり、価格は開催前のおよそ3倍に上昇したということです。サミットが開催された2016年、志摩市を訪れた外国人観光客は、前の年から1割以上増加。新たに5つの言語で観光案内のパンフレットを作りました。
地元の観光協会は、サミットは地域の魅力を発信する機会として前向きに取り組む価値があるといいます。
志摩市観光協会西尾新会長
宮島とか原爆ドームとか平和公園とか有名な所以外でもたくさんいい所ありますよね。そういう所はぜひPRしていただいてチャンスだと捉えていただいていろんなチャレンジをされればいいのかなと思います。
広島サミットでも地元の食材を積極的に使おうという声が出ています。どんな料理になるのかも注目です。