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“ありのままの自然の美しさを”環境危機を伝える【インスタ画像でわかりやすく解説】

高砂淳二さん。自然写真の世界最高峰の賞のひとつを受賞した写真家です。

撮影を続ける中で、地球環境の変化を感じてきたといいます。

環境危機を多くの人に伝えるためにはどうすればいいのか、教えてくれました。

(NHK「おはよう日本」より)

※サムネイルの画像を矢印に沿ってスワイプすると、インスタグラム「地球のミライ」で投稿した画像の続きを見ることができます。

環境危機を伝えるためには“ありのままの自然の美しさを”

南米ボリビアのウユニ塩湖で撮影された1枚。鏡のようになった湖で羽を休めるフラミンゴの瞬間を記録しました。

撮影したのは、自然写真家 高砂淳二さん(60歳)。「ワイルドライフ・フォトグラファー・
オブ・ザ・イヤー」の自然芸術部門で最優秀賞を受賞。日本人初の受賞です。

高砂さんは37年のキャリアで100カ国以上をめぐり、自然が見せる奇跡のような美しい瞬間を撮影してきました。ファインダーを通じて自然と向き合う中で、高砂さんは地球環境の変化を感じ取っているといいます。

これは、カナダのセントローレンス湾の流氷の上で撮影した アザラシの赤ちゃんの写真。撮影を終えた数日後、別の場所に移動していた高砂さんは、知人から衝撃的な事実を聞きました。

「撮影場所の流氷はすべてなくなったらしい。アラザシは流氷がないと自立しないため、みんな死んでしまった」

環境危機を多くの人に伝えるためには、“ありのままの自然の美しさを記録していくこと”が
大切だといいます。

写真家 高砂淳二さん

「人はきれいな物を見ると感動もするし、このままにしておきたいという気持ちもありますよね。自然の美しさには人の心を動かす力があると考えています。美しい景色にこだわって撮影することで、少しでも多くの人に“自然を大事にしたい”と思ってもらいたいです」

“人々の暮らしを感じる”世界的写真家が撮る被災地の海

震災前、2002年に撮影されたホヤの漁師の写真。自然のもたらす恵みや優しさを記録しています。高砂さんは、海好きが高じて、海の中を撮影することから写真家としてのスタートを切ったといいます。

しかし、2011年の東日本大震災で巨大な津波が人々の生活をのみ込むように破壊。当時、高砂さんは東京にいましたが、実家が津波で被災。知人を亡くすなど、自然の恐ろしさを初めて知りました。原点である東北の海に向き合えなくなり、震災後の海に潜ることはできませんでした。

しかし、震災から9年後。目を背けたままだった被災地の海に潜る決心をします。破壊的な恐ろしさをもった「自然」も見なくてはいけないと思ったからです。すると、海の中には風化せずに震災の爪痕が…

海の中に沈んだオモチャ
海の中に沈んだオモチャ

海の中には、津波で、人々が使ったものが流されてきたと思われるものがたくさんありました。また、中には魚たちのすみかになっているものも。高砂さんは、見た瞬間に心が動きシャッターを切りました。

写真家 高砂淳二さん

「僕たちは、自然の恵みをいただいて、いろんなものに囲まれていることに感謝して生きなくちゃいけない…。だけど、いつ死んでもおかしくない、覚悟して生きなくちゃいけないということを、同時に感じたんです。自分自身も、大好きな海がこんなことをしてしまったと嘆くのではなくて、そういうのも含めて覚悟して、一瞬一瞬生きていかなくちゃいけないなと、思えるようになっていきました」

インスタグラムでも画像を公開中

インスタグラム「地球のミライ」では、環境問題や気候変動のほかSDGsの達成に向け、いま課題になっていることを写真やグラフィックで紹介しています。こちらも合わせてご覧ください。

インスタグラム「地球のミライ」※NHKサイトを離れます

インスタグラム「地球のミライ」はこちらから※NHKサイトを離れます

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みんなのコメント(1件)

感想
ユウノスケ
40代 女性
2023年4月14日
地球の未来はどうなっていくのだろうと真剣に考える。
壊れていっているように思えてならない。
でも、美しい自然は、心を癒してくれる。
それを、残してくださる方たちに、感謝を申し上げたい。
そして、自分にできるところで、美しい自然を大切にしていきたいと思う。