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2021年12月2日(木)

“核のごみ”と住民の分断
~私たちに問いかけるのは~

“核のごみ”と住民の分断 ~私たちに問いかけるのは~

原子力発電を続ける限り出る“核のごみ"。去年、北海道・寿都町で、その最終処分場建設に向けた調査が始まった。電力会社が出資するNUMOは、住民の理解を深める取り組みもしているが、住民同士が歩み寄っているとは言いがたい状況だ。国が設置を定める「対話の場」には、反対する住民の多くが出ておらず、出席を促す仕組みもない。国の政策により深まる住民同士の溝をどのようにして埋めるのか考える。

出演者

  • 真山仁さん (作家)
  • 井上 裕貴 (アナウンサー) 、 保里 小百合 (アナウンサー)

※放送から1週間はNHKプラスで「見逃し配信」がご覧になれます。

暮らしの負の遺産"核のごみ" 最終処分場はどこに

井上:原子力発電を行うと必ず出る、高レベル放射性廃棄物。いわゆる"核のごみ"。現在、全国の原発などで保管されている使用済み核燃料は、1万9,000トンに及んでいます。日本は脱炭素に向けて原子力発電所の再稼働を進める方針を示しているため、今後も増え続けます。
"核のごみ"は、使用済み核燃料を再処理し、廃液をガラスに溶かし込んで固めたものです。放射線がとても強いので、近くにいれば20秒ほどで死に至ると言われています。

国がこの"核のごみ"の処分場所として想定しているのが、地下300メートルより深い場所に埋める地層処分です。3段階の調査を行って、20年以上かけてその場所を選定することにしています。まず「文献調査」。さまざまなデータや情報分析を行います。北海道の寿都町と神恵内村(かもえないむら)で、全国で初めてこの調査が行われています。次はボーリングなどで地層を調べる「概要調査」。さらに「精密調査」では地下施設を造ります。

今、世界では最終処分場建設に向けて大きく動き出しています。フランスは精密調査の段階です。20年にわたる調査や議論を経て、近く最終処分場の建設が始まると見られています。さらに、フィンランドでは15年前から処分場の建設が進んでいて、数年以内に処分が開始される予定です。

日本は今、調査のスタート地点にいるわけですが、取材で見えてきたのは交付金を巡る住民の対立や、合意形成の難しさです。

"核のごみ"と20億円 文献調査めぐる分断

投票率84%に達した、北海道・寿都町の町長選挙。調査撤回を掲げて敗れた、越前谷由樹さん。現職の1,135票に対し900票を獲得しました。

再選を果たした、片岡春雄町長。僅差となった選挙結果を受け、慎重な再スタートを切る姿勢を見せました。

寿都町 片岡春雄町長
「けさ、さわやかに目が覚めるのかなと思いましたけど、さわやかではありませんでした。"核のごみ"に対する心配の声も相当ある。しっかり謙虚に受け止める」

片岡町長が文献調査に応募したのは、去年10月。肌感覚では賛成が多いと、応募を決断しました。

梶山 経産相(当時)
「エネルギー政策に大変なご理解とご協力いただいてますことに感謝申し上げます」

最大のねらいは、調査で得られる「交付金」です。国は、文献調査を受け入れれば最大20億円、概要調査に進めばさらに70億円を交付することにしています。次の段階に進まなくても返還の必要はありません。

住民たちには調査受け入れの動きがほかの自治体にも広がり、必ずしも最終処分場の建設までは至らないと説明しました。

<住民説明会>

片岡春雄町長
「"核のごみ"を持ってくる議論をしているわけではございませんので、寿都が最初に手を挙げたとしても、これから必ずたくさんの地域から手が挙がる。必ず挙がります」

町民
「挙がらない」

片岡春雄町長
「必ず挙がります。だから最初に手を挙げる勇気が必要だっていうんです。黙ってたらなかなか挙がりませんよ。挙がらないという人は、断言できますか」

町民
「できるできる」

片岡春雄町長
「挙がったらどうするんですか」

片岡町長が反対の声を押し切ってでも応募に踏み切ったのには、町の厳しい現実があります。寿都町の主力産業、漁業は年々水揚げが減少。20年前、4,000人だった人口は2,800人まで減りました。自治体として、全国で初めて導入した風力発電。年間4億円の収益を生んできましたが、2年後には国の優遇制度が終わり、大きく減ることになります。片岡町長は、交付金で町が潤えば住民の理解も進むと考えていました。

片岡春雄町長
「きれい事言って理想論だけでおまんま食べられませんし、これから今の基幹産業の漁業、水産加工、ここだけで当然生きていけない。別な産業も口で言うほど簡単ではない。簡単にカネなんて生まれませんよ」

文献調査に応募したことで、1年目に支払われた交付金は10億円。スポーツ施設や保育園の運営などに4億円が使われたほか、5億円を基金として積み立てました。

さらに調査への理解を求めるため、近隣町村にも7,500万円を配分。一方で、受け取りを拒否する自治体も相次ぎました。

寿都町内にも、交付金に頼る町づくりに反発する町民は少なくありません。

町民
「風評被害はありませんと町長は断言しました。全くかみ合いません。町長が言ってるのは支離滅裂で」

観光客向けに特産のカキを売りにした飲食店を経営する、吉野寿彦さん。一度交付金を受け取れば、後戻りできなくなると考えました。

吉野寿彦さん
「寿都町自体は、水産、加工、製造、まだまだ死に体ではなくて、ちゃんと生きてるんですよ。(交付金に)依存しちゃうってことは、思考停止、そのままずっと続きますよ。そうしたら若手の人も事業やる人もいなくなる。確実、ほんとに核の町そのものになっていきます」

交付金は町にとって本当にプラスになるのか。選挙戦でも争点になりました。

<町長選挙 政策発表会>

片岡春雄町長
「(人口が減れば)当然、町税が減収になる。地方交付税も減収になる。調査に伴う交付金が地域振興に寄与することで雇用創出につなげ、人口減少の歯止めをかけるとともに、10年先20年先の希望の持てる町につなげたい」

越前谷由樹 候補
「財政悪化を理由に、"核のごみ"引き受けを条件として、国の交付金を求めることは私はおかしいと思います。他町村と比較すると、明らかに大きくふくれあがった、膨張した予算を執行しているものですから、財政が行き詰まると考えられる」

私たちの暮らしを支える電力。国は今後、原発の再稼働を進め、その割合について現在の6%を2030年度には20~22%へ拡大する方針です。

その上で避けて通れないのが、"核のごみ"。これまでも過疎に苦しむ全国の自治体で、文献調査を受け入れる動きがありました。しかし、住民の反対などで実施まで進んだところはありませんでした。

"核のごみ"に揺れる町 問われる"対話の場"

文献調査を実施する全国初の自治体となった、寿都町。文献調査では、住民の「合意形成」を進めることも目的の1つです。

その実行部隊が、原子力発電環境整備機構=NUMO(ニューモ)。3月、現地事務所を開設しました。国の法律に基づき、電力会社の出資で作られた組織です。

NUMO 伊藤眞一理事
「私どもの事業に関するお問い合わせ、ご質問にお答えできるように、いろんな仕事にあたる予定でございます」

現地で陣頭指揮を執るのは、東京電力から出向した末木克久所長です。

この日は、次世代を担う子ども向けにイベントを企画していました。

動画も使い、分かりやすく解説します。

説明
「地層処分ではさっきのガラス固化体を分厚い鉄の入れ物に入れて、さらにその周りを固めた粘土でしっかりと覆う。人口バリアで覆ったガラス固化体を、地下300メートルより深い場所に埋める」

イベントに参加したのは、小学生2人。"核のごみ"を封じ込めるために使う砂を用いて学んでもらいます。

NUMOは、地域の活性化も役割の1つと考えています。役場では、町おこしの提案を積極的に持ちかけます。

NUMO寿都交流センター 末木克久所長
「応援歌みたいなのを作るっていうのとか。例えば小田和正さんとか、小室哲哉さんとか、このへんに作ってもらう。完全に個人のツテで『やってもらえません?』みたいな」

末木克久所長
「実現可能かどうかはさて置きですが、まずはこういうのどうですかっていうことでアイデアを出して、本当に何が出来るのか見えてくると思っている」

しかし、NUMOの活動に警戒感を持つ人も少なくありません。吉野さんは、最終処分場の建設を目指すNUMOが、町に入り込むことに不信感を持っていました。

吉野寿彦さん
「これだけ反対している人も多い中で、どうしても切り崩しはだんだん出てくると思いますよ。結局、国策っていうか国だって執行権を持たせて、それだけやって今回のこのカモは逃がしたくないでしょ、絶対」

どのように住民の合意形成を図るのか。今回、NUMOのトップが取材に応じました。

NUMO 近藤駿介理事長
「やはり顔が見えるということも大事なんで。NUMOの顔は絶対見たくない人もいるかもしれないけど、それほど見られない顔をしてないというのを含めて、フェイストゥフェイスの会話のコミュニケーションができる場をつくるということもとても大事」

しかし、住民の理解は進んでいません。国が設けることを定めている、「対話の場」。メンバーは、町議会議員や産業団体の代表など、町が指名した20名です。

第1回目の対話の場。調査を推進する立場の町と、NUMOが主催していることに反対する出席者から疑問の声が相次ぎました。

<第1回対話の場 4月>

「地層処分の理解を深めるということがこの会の目的なんだって。すでに地層処分に向かうっていうね、そういう対話の場でしかない」

「NUMOの人方ね、どれだけ寿都の深いところを知ってるんだろうか。他人のところから勝手に来てね、寿都町の経済やいろんな産業発展の問題をがちゃがちゃにしてほしくない」

一方、調査に賛成する人からは、議論が本題に進まないことにいらだちの声が上がりました。

「もうそろそろ終了時間ですよ。何にも進んでない、この対話集会が。これってどうなんですかね」

「賛成の人は当然、発言できないから言わないだけの話であって。そうなんですって、黙っててくださいよ。人の意見聞いてるとき黙ってなさいって。いくらあなたと知り合いだって、それは許さないよ」

開始から2時間半。"核のごみ"について、議論が交わされることはありませんでした。

第2回目以降、反対する人たちの多くは対話の場に出席しなくなりました。文献調査に反対する住民は、これからも声を上げ続ける姿勢です。一方で、片岡町長は文献調査が終わる来年以降、次の概要調査に進みたい考えを示しました。

片岡春雄町長
「この概要調査というのは可能性を知る意味で、悪い調査じゃないんでしょうかと。それをやることで国は70億円つけますと。人間ってやっぱりいい意味での欲を持つ必要があるわけですから」

"核のごみ"と住民の分断 今後のゆくえは

井上:ゲストは作家の真山仁さんです。原子力をテーマに、数多くの著作を執筆されています。真山さん、"核のごみ"を巡って寿都町がまさに二分している状況ですけど、この状況はどう見ましたか。

真山仁さん (作家)

真山さん:感情的になっていますよね。いろんな疑問はあるんですけど、VTRを見ているかぎりはそんなにお金が要るのかというのがまず1つあるんです。こういう方法を取ってまで町にお金が要るんだという説明を、町長がまずするべきですよね。逆に言うと、それが納得できれば反対をする人も変わるんですけど、逆に反対する人が何でそんなにお金が要るんだということをもっと質問するべきなのかなというのがあります。
もう1つは、映像を見ていると「お金」という話ですけど、この手の話は例えば日本のためとかっていう「大義」。一つ哲学が大事なんですけど、そこが全然こちらに伝わってこない。今、世界は脱炭素といって、分かりやすく言うと火力発電をやめましょうとしているわけですよね。そうすると日本の場合は原子力発電を動かすしかないと。10年前に原発事故を起こしてますから、世界で最も原発に対してアレルギーがある国です。だからそういう意味では、今まではなかったことにしていた「原発のごみ」をちゃんと見つめ直しましょうというタイミングでこの問題が出てきているというのは、町の騒動大変だねという問題ではないと思います。

井上:真山さんのお話や、番組を最初からご覧になりたい方は以下のリンクからご覧ください。

取材しました、小樽支局の小田切記者です。小田切さん、この寿都町長は次の概要調査に進みたいという意向を示していると思うのですが、町長は最終的に処分場、建設まで進むつもりなんでしょうか。

小田切健太郎記者(NHK小樽支局):その点、片岡町長は明言は避けています。最終処分場の選定には最低でも20年かかります。町長は今後、調査を進めていく中で最終的に建設まで進むかどうか、この先の世代も含めて時間をかけて考えていきたいとしています。

井上:真山さん、町長の胸の内は分からないですが、ただ途中でやめますという選択肢もあるわけじゃないですか。これは例えばほかの自治体にとってはどういう影響があると思いますか。

真山さん:途中でやめても、国から抗議がなかったりするとおいしい話になります。お金をもらうだけもらって、途中でやめればいいわけですよね。ただもちろん、町の分断は深刻になるのも見てると思うので、お金を取るのか、町全体の意思統一を取るのかという別の問題がたぶん出てくると思います。

井上:これだけ分断を生んでいると、候補地として名乗り上げるのは難しくなりますよね。

真山さん:そうですね。だからやはりなぜお金が要るのかということを、まず地元の人に説明するところから始めないと。例えば「夕張のように破綻するんだ、このままいくと。お金が要るから何とかみんなここは乗り切ろう」みたいな感じだったら、もしかしたら説得できるかもしれないんで。

井上:小田切さん、次の概要調査ですけれども、進むにはどういう手続きがあるんですか。

小田切:寿都町では文献調査が終わる来年以降、次の概要調査に進むかどうかを問う住民投票を行うことにしています。片岡町長は、そこで賛成が多ければ概要調査に進みたい考えです。ただ、町長選挙で片岡町長に投票した人の中にも処分場の建設には慎重な住民も多くいました。また、概要調査に進むには都道府県知事の同意も必要です。北海道の鈴木知事は現時点で反対の意向を示しています。なので、先行きは不透明です。

井上:真山さん、これまでのプロセスもしかり、今後の住民投票もしかりですけど、対話の進め方としてはどういうことが大事になってくるのでしょうか。

真山さん:両方ともこう着状態、感情的になっているんですけど、やはり反対派の人は特にずっとテーブルについて自分たちの聞きたいことをもっともっと踏み込んで質問して、相手に答えてもらわないといけません、それが1つです。もう1つは、いわゆる迷惑施設と呼ばれているところで重要なポイントがあって、安全と安心という考え方なんですね。安全ってどういうことかというと、たくさんデータを例示して分析して確率計算をして、何なら天井に資料が積み上がるような。例えば、原発を誘致したときってやっているんですよね。

井上:安全を担保するのがデータということですね。

真山さん:はい。安全というのは、データで完全に証明できることを言うんですね。ところが地元の人はそれはどうでもいいと。私の目を見て「安心だ」って言ってくれと、そしたら「いいよ」っていうのが原発を誘致したときに結構エピソードとして残っているんです。つまり重要なのは、信頼関係なんですね。データよりも、このデータを踏まえて本当に私もここに何なら住みますよと。だから、みんなで安心を守りましょうというためにやはり対話が要るんです。

井上:あとは住民の信頼関係もそうだと思うんです。特に地域は顔が見える関係じゃないですか。そういう中で分断を生みたくないとなると、激しい対話は避けたがると思うんです。その辺はどう進めたらいいと思いますか。

真山さん:例えば最近いろんなNPO、NGOができて、例えば弁護士とかもそうですけど、完全に町の中で対立してるのがあると第三者が入ってきて、ちょっと冷静になりましょうと。われわれが上手に皆さんの意見の交換をするためにお手伝いをしますみたいなことが欧米では当たり前なんですけど、日本でも少しずつできてきている。だから、これは例えば番組をご覧になっている法律家の方とかそういう活動をされている方が、「われわれが間に入って、いわゆる当事者だけではない議論にしませんか」というふうに持ちかけることが、もしかするとこの問題を少し緩和できるかもしれないですね。

井上:小田切さん、今の真山さんから海外の話も出ましたけど、実際処分場の建設が決まっているところもあるわけですが何が違うんですか。

小田切:多くの地域で調査をすること、そして時間をかけて選んだことが挙げられます。例えば最終処分場の建設が進むフィンランドでは、最初に国内100か所以上を候補地として選んで、このうち5か所でボーリング調査を実施してようやく1か所に絞り込みました。そして建設が始まったのは、処分場の選定開始から33年後でした。この間、住民と対話を重ねて理解を求めてきた、理解を深めてきました。

井上:真山さん、冒頭でおっしゃっていましたけど、特定の地域だけの問題ではなくて原発の恩恵を確かに受けてきているという中でどういうことを考えないといけないですか。

真山さん:フィンランドの例を見るかぎり、こういう大事な問題はいち地域ではなく、国民みんなで考えようと。何が国のためなのかと。そのために何をすればいいんだろうかという、まずそこをちゃんと理解を深めてきているはずなんですね。それが大義なんですよ。なので、「北海道で勝手に手をあげているんでしょう、私は知らない」。「でも、原子力発電の恩恵は日本中の人が受けてるんじゃないの」。つまり、日本でもっと大きな深刻な問題になるかもしれないことは、国民みんなで考えようと。そういうところから始めるということを、やはりやらなきゃいけないんだと思いますね。

井上:冷静にそこは考えて、脱炭素社会を目指すにしても日本の産業を考えるにしても、どういうことが大事なんですか、考えていく上で。

真山さん:日本はサービス業、確かに増えてきましたけど、現実輸出では完全に製造業が日本を支えているわけですよね。製造業が多いというのは、やはり電力がたくさん要る。さらに新幹線、リニアモーター、もしくはタワーマンションみたいな電力に依存している社会がたくさん日本中にあるわけですよね。それをわれわれはどう見るのか。だからもうこんなぜいたくはやめようと。不便があってもいいよというところから始めるのか、それともこの生活を守りたいとなるのであれば、やはり"核のごみ"をどうするかを決めて、原発をもっと動かしましょうということにならざるを得ない。今、ものすごい重要なターニングポイントが来ているんですよね。

井上:そうですよね。触れておきたいのが、この調査開始から埋め終わるまで100年と。さらに、その放射能が安全なレベルに下がるには10万年かかるといわれている。この点、仮に埋められたところ、私たちはもうたぶんいないわけですよね、そのとき。そうすると今、議論を最善尽くしたという何か証明を残しておかないと、負の遺産だけではなくて、負の世代と言われかねないのではないかなと思うんですけど。

真山さん:今までにたくさん「負の世代」だと、若い人は今の若い人ですら言っているわけですよね。やはり大人の義務は、これ以上負の遺産を未来に残さない。そのためには、なぜ決めたのか。なぜこの100年、われわれは我慢してこの"核のごみ"をここに埋めることにしたんだということをちゃんと伝えてあげなきゃいけない。ムードとか、そういうことばで終わらせてはいけないと思いますね。

井上:やはり3.11で電力というのは無限ではないということを突きつけられたと思うんですけど、そういう意味でも今後日本としてはどういうことを改めて向き合っていかなければいけないと思いますか。

真山さん:恐らく日本は世界でいちばん電気に関して重要度が高いと、空気のように思っていると思うんですね。本当はそういう時代は終わっていると。つまり、われわれはどこを我慢して、どこで電力をたくさん使うのかみたいなことを考えなきゃいけないと思います。

井上:まさに今、考えるときということですね。作家の真山仁さんにお伺いしました。ありがとうございました。


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