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2021年3月30日(火)

変異ウイルス拡大
“第4波”にどう備えるか

変異ウイルス拡大 “第4波”にどう備えるか

変異ウイルスはいったいどこまで広がっているのか…。日本各地の下水を定期的に分析することで浮かび上がってきた水面下での拡大の実態。クラスター分析で見えてくる「感染力が高い」とされる変異ウイルスの新たな脅威。子どもへの感染の広がりは…。変異ウイルスが猛威を振るう海外では何が起きているのか。“収束の切り札”ワクチンは相次ぐ変異に有効なのか。国内外の最新知見から“第4波”にどう備えていけばよいのか、考える。

※放送から1週間は「見逃し配信」がご覧になれます。こちらから

出演者

  • 賀来満夫さん (東北医科薬科大学 特任教授)
  • 井上 裕貴 (アナウンサー) 、 保里 小百合 (アナウンサー)

変異ウイルス拡大 リバウンド各地で いったい何が

保里:国内の新規感染者数ですが、リバウンド傾向が顕著となっています。30日の大阪では、432人の感染が確認されるなど第4波が懸念されています。

井上:変異ウイルスの影響なのかと、気になっている方もいらっしゃると思います。最新知見をもとに、とことんお伝えしていきます。

変異ウイルス拡大 下水から検出…水面下での広がり

変異ウイルスは、思っていたよりも早く日本に入り込んでいた可能性が見えてきました。北海道大学の北島正章さんです。全国各地の下水を分析し、変異ウイルスの兆候をつかもうとしています。

今月、思わぬ事実が明らかになりました。

北海道大学 助教 北島正章さん
「こちらが(去年)12月4日に採取した、流入下水です」

去年12月4日に国内で採取したサンプルから、イギリスで最初に確認された変異ウイルスの遺伝子が検出されたのです。国内で初めて確認された12月25日より、3週間も前のサンプルでした。

さらに、検出された新型コロナウイルス全体のうち、変異ウイルスが占める割合は12月4日では5.9%でしたが、1月には12.4%にまで増えていました。

北島正章さん
「衝撃的な結果でした。この時点(12月4日)で変異株の感染が広がっていたと考えないと、説明がつかない」

変異ウイルス拡大 "感染力高い"子どもへの感染も

従来のものと比べて、感染力が高いといわれている変異ウイルス。表面の突起、スパイクたんぱく質の一部が変異し、ヒトの体内にある受容体と結合しやすくなったと考えられています。

全国の感染状況を分析する、国立感染症研究所です。

「兵庫県ですけども、新たに85人が変異株の確認がされました」

今月に入って変異ウイルスの感染報告が相次ぎ、26都道府県で549人に上っています。

中でも注意深く分析を進めているのが、これまで感染しにくいとされてきた子どもへの影響です。国内で確認された新型コロナウイルスの感染者およそ46万人のうち、10代以下の割合は9.4%です。一方、変異ウイルスに限るとその割合は26.4%に上っています。

まだ報告例が少ないため比較はできないとしつつも、子どもへの影響を注視していく必要があるといいます。

国立感染症研究所 感染症疫学センター 鈴木基センター長
「子どもが特別感染しやすいわけではなく、どの年代でも同じように感染する可能性がある。これまでの株は子どもが感染しにくかったということに比べると、子どもでも感染する可能性があるという点で、従来のものとは少し性質が違うのではないか」

各地で、子どもが関係したクラスターも出ています。その1つが、静岡県・浜松市の小学校にある、放課後児童会です。1日30人ほどが利用していました。

ここでは、常に窓を開けて換気。食事の際は、原則会話は禁止。部屋に入るときは手洗いと消毒をするなど、感染対策を徹底してきたといいます。

異変が起きたのは、3月5日。発熱を訴えた職員の1人が、変異ウイルスに感染していることが判明しました。海外渡航歴はなく、感染経路は不明でした。

その後、さらに2人の職員の感染も明らかになります。10日、保健所が児童41人を検査したところ7人の感染が確認されました。感染は、学校の教員らにも波及します。11日、感染した児童の担任が体調不良を訴え陽性に。1週間ほどで、合計10人の感染が明らかになりました。さらに、同じ頃児童らの家族・知人などにも広がります。13人の感染が確認され、合計33人に上ったのです。

感染症の専門家は、子どもは重症化のリスクは低いものの、感染を広げる一つの要因になり得ると指摘します。

東京医科大学 濱田篤郎教授
「子どもに感染することで、子どもを介して家庭内に感染が広がる。(子どもが)感染源になり得る。子どもだけだとそんなに症状は出ないが、家庭内に持ち込まれることで、高齢者がかかると重症になる人も変異ウイルスの感染で増えてくる」

これまでは大人への対策が中心でしたが、今後は子どもへの注意も必要だといいます。

濱田篤郎教授
「学校、幼稚園、保育園でも流行が起こる可能性が予測される。海外では、休校措置の対応をとる国もある。今後(新たな)措置も必要になる」

変異ウイルス拡大 "重症化リスク高まる"医療崩壊の懸念

変異ウイルスの中には、重症化のリスクが高まるものがあるという研究も出ています。主に重症者の治療に当たる、神奈川県の病院です。

先週、変異ウイルスに感染した男性患者が搬送されました。当初は軽症で別の病院に入院していましたが、呼吸機能が急激に低下し命に関わる状態でした。陣頭指揮に当たる藤谷医師は、今はまだベッドに余裕がありますが、今月発表された海外の論文を見て危機感を強めたといいます。イギリスで最初に確認された変異ウイルスの場合、死亡するリスクが従来のウイルスに比べ、64%高くなるという研究結果が報告されたのです。重症化する人が急速に増えれば、再び医療が崩壊する懸念があるといいます。

救命救急センター長 藤谷茂樹医師
「第4波が始まる兆しが、見えてきた気分を持っています。緊急事態宣言が解除されて、急に(患者が)増え始めた。その中に変異株がどれぐらい混じっているのか未知の部分があるので、これから本当に危機感を抱いて治療していかないといけない」

変異ウイルス拡大 深刻化する感染のリバウンド

ウイルスの変異が確認された国では、想定外の事態が起きています。1日の感染者が9万人を超える、ブラジル。死者は1日3,000人以上に上り、墓地には連日多くのひつぎが運び込まれています。医療体制は、崩壊の危機にひんしています。

母親と2人で暮らしていた、30歳の男性。感染が判明してから10日以上、集中治療室が空くのを待っている間に呼吸不全を起こして亡くなりました。

母親
「息ができなくなっていくのを、何もできずに見ているだけでした。もう生きる気力がありません」

去年10月、感染者は一時減少しましたが、その後再び増え続け過去最悪の状況になっています。

深刻なリバウンドの背景に、何があるのか。午後8時以降の外出が禁止されている、サンパウロ州。しかし連日、若者を中心に数百人規模のパーティーが開かれていました。

警察の厳しい取り締まりにもかかわらず、人々の行動は制限しきれていません。

参加者
「リスクは知っているよ。でも人生にはパーティーが必要なんだ」

感染対策が徹底されない中で、変異ウイルスが急速に広がっていると専門家は見ています。

サンパウロ小児科学会 感染症部門 マルセロ・オオツカ副会長
「変異ウイルスは従来のウイルスより強い感染力を持っていて、ブラジル全土に広がっています。残念ながら変異ウイルスの脅威を理解せず、感染対策を拒否する一部の国民が、感染を拡大させているのは間違いありません」

変異ウイルス拡大 検出されにくい新たな変異も…

フランスでは、通常のPCR検査では検出されにくい変異ウイルスが見つかりました。先月以降、西部ブルターニュ地方の病院で亡くなった7人の患者。このうち6人はPCR検査では陰性でしたが、その後血液や呼吸器の詳しい検査を行ったところ陽性であることが分かったのです。

新たな変異ウイルスの遺伝子解析を行った ヴァンサン・ティボ医師
「鼻やのどなどの上気道でウイルスがほとんど増殖していないため、ウイルスが検出できなかった可能性があります。さらにはウイルスがすぐに肺に入ったため、(鼻やのどなどの)上気道での感染を見逃してしまった可能性もあるのです」

保健当局は、同じ病院の患者など200人以上に感染の疑いがあると見て、感染力の強さや重症化のリスクについて調査しています。

ブルターニュ地方保健当局 ステファンヌ・ムリエーズ局長
「感染力を把握するのは、簡単ではありません。このウイルスがさらに変異するのか、監視する必要があるものなのか、調査で明らかになるでしょう」

変異ウイルス拡大 ワクチンは変異に対抗できるのか

ウイルスの変異に、ワクチンは対抗できるのか。アメリカでは研究が進んでいます。コロンビア大学の、デビッド・ホー教授です。

ホー教授は、イギリスと南アフリカで確認された変異ウイルスに対して、ファイザー社とモデルナ社のワクチンの働きがどれだけ影響を受けるのか詳しく調べました。その結果、南アフリカで最初に確認された変異ウイルスに対して、ファイザーのワクチンはウイルスの働きを中和して抑える効果が従来のウイルスに比べおよそ10分の1に減少。モデルナのワクチンは、およそ12分の1になったとしています。ホー教授は「ワクチンが効かないと言っているのではない」としたうえで、ウイルスの変異に対応する新たな戦略が必要だと指摘します。

米 コロンビア大学 デビッド・ホー教授
「変異ウイルスに対するワクチンの有効率が、低くなる可能性があるのです。今後のワクチン戦略はより複雑になるため、幅広い種類のウイルスに対して機能するワクチンの開発が必要です」

変異ウイルスに幅広く対応できるワクチンは作れないのか。ユニバーサルワクチンの開発を進める、セントルイス大学の取材が特別に許されました。既存のワクチンによって作られる抗体は、変異ウイルスと結び付きにくくなり、ウイルスの働きを弱める効果が低くなることがあります。

セントルイス大学のワクチンは、体内にあるT細胞という免疫細胞を活性化させ、幅広い変異ウイルスに対して効果を発揮させようというのです。

米 セントルイス大学 ダニエル・ホフト教授
「われわれには、あらゆるコロナウイルスに有効なワクチンを開発できる根拠があります。できるだけ速く開発を進めていきます」

変異ウイルス拡大 ワクチンは?新たな脅威は?

井上:ここから、主に3つ迫っていきます。まず、相次ぐ変異にワクチンは有効なのでしょうか。また、この感染力の高さがどんな脅威をもたらすのでしょうか。そして、これまでの感染対策で果たして立ち向かえるのか。皆さんも気になっているところを、専門家とともに考えていきます。

まずは変異ウイルスです。ご存じの方もいると思いますが、国内で感染が確認されているのは、イギリスで確認されたウイルスなど3種類です。感染力は、どれも従来のウイルスよりも高くなっています。特に、イギリスで確認されたウイルスは最大で7割ほど高くなるとの研究もあります。そして、重症化したり死亡したりするリスク。これもイギリスで確認されたウイルスでは、これまでよりも高いのです。また、南アフリカでも病院内での死亡率が20%高まる可能性が指摘されています。
感染症対策の専門家の賀来さんに来ていただいています。賀来さん、今見たように高い感染力、そして重症化リスク、この両面をどう見ていますか。

賀来満夫さん (東北医科薬科大学 特任教授)

賀来さん:この変異ウイルスは、人の細胞にくっつきやすくなっているわけです。ということは、いろんな体の中の細胞にくっつくわけです。例えば肺の中だけではなく、血管の中、あるいは神経組織の中、そういった中でいろんな臓器に炎症が起こってきます。特に血栓です。血の小さな塊ができて、そういうことで血管が詰まってしまうのです。なので多臓器不全というように、重症化してくる可能性が高くなります。

井上:全身に影響があるということですが、その感染源、感染をうつす側はどういった強さがあるのでしょうか。

賀来さん:口の中にも、たくさんのウイルスが増えています。そういった中で、会話することで多くのウイルスが外に出てきます。ですから、人にうつしやすくなるというようなポイントもありますね。

保里:そうした中で気になってくるのが、ワクチンについてです。お伝えしたユニバーサルワクチンについては、まだ開発に時間がかかるということなのですが、この変異ウイルスに対してワクチンは対抗していけるのでしょうか。

賀来さん:ユニバーサルワクチンは、まだ時間がかかるんです。現在日本でも使われているワクチンは、イギリス型には効果があるということが言われています。南アフリカ、ブラジル型は少し効果が弱くなるかもしれないです。ただ、変異というのはずっとこれからも続いていくわけです。いろんなタイプが出てくる。そういう中でしっかりとワクチンを使った方の抗体を調べて、どれぐらい変異株に効くのか。それをしっかりと調べていく、検証していく必要があると思います。

井上:日本はまだまだこれからですからね、接種も。

保里:その過程にあるので、今後注視していかなければいけないということですね。

賀来さん:そうですね。

保里:さらに、従来のウイルスではかかりにくいとされてきた子どもも、この変異ウイルスには大人と同じようにかかる可能性も見えてきました。実際、国内ではわかっているだけでもお伝えした浜松の放課後の児童会、そして埼玉の児童施設で集団感染が起き、さらに新潟県の保育所でも子どもを含むクラスターが発生した疑いがあります。

賀来さん、分かっているだけでもこういった事例が出てきているわけですね。

賀来さん:現在関西で感染が急増していますけど、そこでは学校での感染も確認されています。子どもに感染が広がるというのは非常に大きなポイントで、子どもは家庭の中に帰ってきますから家庭内感染が起こってきます。お父さん、お母さんにもかかるかもしれない。おじいさん、おばあさんにもかかるかもしれないというようなことで、例えば学級閉鎖だとか、学校閉鎖といったような、より強い対策も今後必要になってくる可能性はあると思います。

井上:VTRで、濱田先生も感染源のリスクを指摘されていましたが、実際、子どもがかかることの難しさ、どういうことが出てくるのでしょうか。

賀来さん:やはり子どもはなかなかマスクも着けにくいし、着けたくないし、手洗いもなかなかしたくない。でも子ども向けに、手洗いが大切なんだ、マスクを着けることがとても大切なんだというように、子どもでも分かるような啓発、分かりやすいことばで子どもが感染対策を行っていけるような対策が必要になってくると思います。

保里:子どもはワクチン接種の対象にもなっていない状況なので、こういった啓発をしていかなければいけないということですね。

井上:子どもにも広がっていくということなのですが、いかに感染拡大を防いでいくか、検査が重要になってきます。政府はこれまで陽性になった検体の5%から10%程度抽出してきて行った、変異ウイルスかどうかを調べる検査を40%に引き上げようとしているのです。

ただ、そこには壁があることもわかってきました。

変異ウイルス拡大 対策の最前線 実態把握に壁が…

変異ウイルスの確認例が、41にとどまっている東京。変異ウイルスの検査を何とか増やそうと、先月から国は民間の検査機関に協力を依頼しました。しかし、一筋縄ではいかない実態が見えてきました。

「1日に1万件前後の数を、一旦ここのフリーザーに全数収納する」

この会社には毎日、首都圏の自治体や医療機関からPCR検査のためにおよそ1万2,000の検体が集まります。このうち、陽性と確認された100件から300件程度の検体の再検査をすることになったのです。問題となったのが、予想以上の手間でした。

「ない。ないよ。あ…」

「ありました?」

「合っている」

検査員たちがリストを手に、作業に追われています。毎日1万2,000の検体の中から陽性のものだけを探し出し、抜き取る作業が必要になったのです。

「作業は結構、大変ですね」

その後、改めて一つ一つの検体を別の容器に詰め替えて再検査していきます。

「手伝いに来てくれている、山岡さんです」

この会社ではマンパワーを補充するため、暫定的にほかの部署の社員を動員して対応しています。しかしこの先、感染が広がったり、次々と新しい変異ウイルスが登場したりすると、どこまで対応できるか会社は不安を抱えています。

民間検査機関 山口敏和執行役員
「国内でもどんどん、変異の種類が変わっていくと思う。そこは、いたちごっこ。早期から準備をしないと、追いつかない」

変異ウイルス拡大 封じ込め成功 その独自戦略とは

変異ウイルスの拡大を抑えるために、今、何をしなければならないのか。これまで封じ込めに成功しているのが、和歌山県です。

和歌山県 福祉保健部 野㞍孝子技監
「変異株につきまして、3名、陽性を確認した」

県内で変異ウイルスが初めて確認されたのは、今月16日。県は警戒を強め陽性となった検体をすべて再検査することで、変異ウイルスを徹底的に洗い出しています。その結果、2週間で37人見つかりましたが、クラスターの発生は抑え込んでいます。感染した人の隔離体制も手厚くしました。

野㞍孝子技監
「変異株なんで、きょうやけど入院を早く。お願いします」

変異ウイルスの確認を受けるとすぐに病院の担当者に連絡を取り、準備を急いでもらいます。入院は個室を基本とし、加えて室内の空気を外に出さない、陰圧室にします。ウイルスの拡散を徹底的に防ぐためです。

野㞍孝子技監
「(変異ウイルスは)一旦持ち込まれると、非常に増えるという可能性を秘めている。囲い込みですね。早期発見して、できるだけ。感染の規模を抑えることが非常に重要やと思う」

さらに県は、変異ウイルスの抑え込みのスピードを上げるため、新たに2つの対策を打ち出しました。その一つが、抗原検査キットの一斉配布です。県はおよそ6,000万円をかけて、クラスターのリスクが高い、県内2,100か所以上の高齢者施設などに検査キットを配布。体調に少しでも異変があれば僅か15分程度で感染が分かるため、いち早く端緒がつかめます。

そしてもう一つの対策が、ウイルスの遺伝情報を解析する機器の導入です。これまでは国立感染症研究所に遺伝情報の解析を依頼し、追跡調査をしてきました。しかし、結果が得られるまでには数週間かかっていたのです。

新たな機器は2,100万円かかりますが、自前でできれば数日で結果が分かるため、対策のスピードアップにつながります。

野㞍孝子技監
「より迅速性というのは、やはり求められると思う。そういう対応をするために、できる予防線は予防線で張る。これが重要だと思う」

変異ウイルス拡大 "第4波"にどう備えるか

井上:先ほど入ってきたニュースで、東京で新たに7人の変異ウイルスの感染確認という情報が入ってきました。賀来さん、こうした気がかりな情報だったり、各地でのリバウンド傾向が見えてきていると思うのですが、今後は検査においてどのような問題が出てきそうでしょうか。

賀来さん:今、関西でN501Y・イギリス型が流行しています。東京でも初期にはこのN501Y型があったのですが、クラスター対策を行って封じ込め、今は本当に少ないのです。感染が急増している仙台では、伝ぱ力はN501Yより弱いのですがE484Kと言われている新たな変異ウイルスが急拡大しています。やはり今注目しないといけないのは、西日本で流行しているタイプ、あるいは東日本で流行しているタイプ、変異型の地域特性といったものがある可能性があります。

井上:今後、国内での変異ウイルスのせめぎ合い、これはなぜ分布を知ることが大事なのでしょうか。

賀来さん:それぞれの変異型の伝ぱ性が違うかもしれないので、もし東日本でN501Yというタイプが増えてきたらより強い対策を取っていく必要がある。E484Kも、もっと調べていくとやはり感染性が高いかもしれません。そういったように、この変異型のタイプをしっかりと調査すること、モニタリングすることが必要だと思います。

保里:変異ウイルスが拡大していくことを踏まえた上で私たちは、これまでどおり感染対策を徹底していけばいいのか。それとも、一変していくことになるのでしょうか。

賀来さん:いや、これまでどおりの対策をより強く徹底していただきたいです。マスクをしっかりとフィットすること。手洗いをより小まめにすること。今の対策をしっかりと、とっていただきたいと思います。

保里:賀来さん、ありがとうございました。

井上:クローズアップ現代+は放送に加えて、インターネットでの情報発信も強化していきます。詳しくは、関連記事をご覧ください。