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2020年9月10日(木)

逆境こそ飛躍のチャンス
~コロナ禍のリーダーと社員たち~

逆境こそ飛躍のチャンス ~コロナ禍のリーダーと社員たち~

新型コロナウイルスの影響で、売り上げ大幅減というどん底にある飲食業。逆境を乗り越えるため、今まで成長を支えてきたトップダウンの経営から、社員一人一人を主人公にしようと大転換する会社がある。社長と社員が本音をぶつけ合い、改革案を探ろうというのだ。さらに、逆境こそ、人材が大きく育つチャンスと考え、あえて試練を与え、人づくりに取り組む会社もある。危機に打ち勝つ手がかりはどこにあるのか、苦しみもがく現場から探っていく。

出演者

  • 中村朱美さん (ⅿinitts代表取締役/佰食屋)
  • 武田真一 (キャスター)

社員が主人公になれ “リボーン会議”で会社改革

大阪にある、従業員200人のお好み焼きチェーンで、特別プロジェクトが始まりました。現場のリーダー10人が集められた、“リボーン会議”。社員みずからが改革の主人公となって、会社をよみがえらせることがねらいです。

高級感のあるお好み焼きをコンセプトに、外食一本でチェーン展開してきたこの会社。ここ数年、インバウンドで業績を伸ばしてきましたが、ことし(2020年)の売り上げは去年(2019年)の3割。危機を乗り越えるため、社長はあえて現場に任せる“リボーン会議”を立ち上げたのです。

お好み焼きチェーン 社長 中井貫二さん
「今の延長線上で、この会社は絶対にありえない。変えていかないといけない。トップダウンでダーンというより、みんなで意見を出し合い、話し合う場を作りたかった。」

今までの路線からどう転換するのか。まず提案されたのは、これまでの高級感とは別に、新たに低価格のお好み焼きを売り出すことでした。

社員
「ターゲットは学生、30歳ぐらいまでのワーカー。チープであっても、かっこいい、居心地がいい、を目指して。」

ところが、厳しい指摘が上がります。大手コーヒーチェーンや化粧品ブランドの日本進出に関わってきた、事業立ち上げのプロが招かれていたのです。

経営コンサルタント 黒石和宏さん
「(採算性が)そもそも甘い。2年で回収するとか、1年で回収するとか、1年で回収できなかったらすぐクローズするとか。それぐらいフットワークの軽いモデルをもっと作らないと意味がない。」

ほかにも、外食一本をやめ、冷凍食品やデリバリーの新規事業も提案されました。

社員
「(工場が)あの規模でもし格安で入るのであればベストだと思うので。」
「冷凍生地もキャベツも作らないといけない。冷凍工場ではそれもやりますので、そのあたりを今後どうしましょうか。」

黒石和宏さん
「もうちょっと慎重に見たほうがいい。数字(投資額)が大きいので、それに対して営業活動をどうするのか。その辺をミックスで動かないと、これだけのプロジェクトはもっとディープに掘ったほうがいい。」

現場のトップ、源氏雄三さん。この日はほとんど発言していませんでした。今の状況で、新たな事業を立ち上げるのは難しいと考えていたからです。

お好み焼きチェーン 本部長 源氏雄三さん
「会社がなくなるかなくならないかの状況。そんな夢物語できるのか、そんなことを考えている場合なのかと。」

20年前、アルバイトとしてこの会社に入り、現場に立ち続けてきた源氏さん。

源氏雄三さん
「お客さんは?」

「今ゼロになりました。」

売り上げが大幅に減った今、本部長として日々店舗を回っています。

源氏雄三さん
「どう?」

社員
「まだまだですね。」

みずから社員にお好み焼きをふるまい、連日、現場の生の声を聞いて歩いています。

社員
「耐えるときというか。」

源氏雄三さん
「もう店閉めたいやろ?」

社員
「閉めたいとは思わない。」

疲弊した現場に、新たな事業をおこすエネルギーはないと源氏さんは感じていました。

源氏雄三さん
「考えつかない、みんな。何していいかわからない。僕もわからない、どうしていいか。」

危機の今こそ人材作り あえて試練を…社員は?

危機の中こそ、強い人材を育てるチャンスだと動き出している会社もありました。大阪にある社員87人のたこ焼きチェーン、社長の永尾俊一さんです。

ここ数年、インバウンドの波に乗り、売り上げを大幅に伸ばしてきましたが、ことしは去年の3割にとどまっています。

たこ焼きチェーン 社長 永尾俊一さん
「去年の今頃はずっと行列ができて、テイクアウトのお客様と、中で召し上がるお客様と2列に並んでいた。」

今は何とかふんばり、会社を存続させるとき。そう考える一方、逆境を乗り越えた先のことも見据え、この機会に社員にあえて試練を与え、それに立ち向かうことで成長してほしいと考えていました。

永尾俊一さん
「どんなピンチがきても、しっかりとこの街と共に生き残っていく。そういう心のタフさを会社の従業員に。ちょっと厳しいテストを出されるけど、それをクリアしていけばやっていけるんだと。」

危機的な状況の中、永尾さんから新商品の開発を託された社員がいます。入社5年目の辻村有希さんです。開発するのは、たこを使った釜めしです。課題は、できるだけ短い調理時間で味を引き出すこと。特に、たこのだしを引き立てるというお米がうまく炊けずにいました。

新商品開発担当 辻村有希さん
「何も無いゼロから1を作り出す仕事。全然思いつかないので、家に帰る途中も(会社に)行く途中も歩きながら考えている。」

この日は、社長による試食会。しかし…。

永尾俊一さん
「前回よりは芯は減っている。けど、まだ芯が多少部分的に残る。」

課題だった、お米の硬さは解消されていませんでした。

永尾俊一さん
「最後の熱意。絶対に日本一のものを作る、お客さんに感動を与えるという2人の熱意。もっとできないかとか、もっとこうできないかと。」

さらに、客に提供する体制も整えられていませんでした。

永尾俊一さん
「お料理学校ごっこやってるんじゃない。200人前、これで作れるか?お客さんが、わざわざ道頓堀に食べに来てもらって、5人だけ、10人だけで終わるの?根本的に商品開発のベースのところがくるってる。」

厳しいことばをかけられた辻村さん。何のために自分はこの仕事をしているのか、何のための商品開発なのか、考えていました。開発に挑むさなか、入社する前、社長が語っていたことばを思い出していました。

辻村有希さん
「自分がどう仕事をして、どう強く生きていくかというところを、2時間では話し足りないぐらい話す。これは自分の情熱が足りなかったなと、もう一回、気合いを入れ直して。もし困難なことがあっても、この商品を絶対に作り上げたいという、自分の軸の情熱は欠かさないで仕事をしたい。」

“覚悟はあるのか” 本音ぶつかる“リボーン会議”

現場のリーダーたちが会社の改革案を考える、“リボーン会議”。前回から半月、結論は出ないままでした。この日は、新規事業を立ち上げる資金を生み出すため、どれほどの店舗を整理する必要があるか議論されました。

社員
「撤退候補として8店舗ほどあります。」
「原状復帰費用、敷金、保証金の返還額などを記入しています。(○○店は)現在のところマイナス3,744万円。」

77店舗のうちの8つを閉鎖するという、創業以来の大規模な縮小案。しかし…。

経営コンサルタント 黒石和宏さん
「退店候補って、どうやって決めたんですか?どういうリストで、どういう基準値にしたの?ここから3か月どうなっていくのか、半年どうなっていくのか、その辺の部分まで詰め切ってここまで出しているのか。誰も閉めたくない。誰も仲間がクビになってほしくない。そのなかで、あなたたちミドルマネージャーのリーダーたちがどういう説明をするか、どれだけシミュレーションしてきたのか。」

「事業撤退する覚悟は本当にあるのか」と問われたのです。このとき、来年(2021年)3月までに月間黒字を達成しなければ、会社の存続に影響しかねない状況でした。しかし、社長の中井さんは、従業員200人の雇用は何としても守りたいと考えていました。従業員に送ったメールでは、アルバイトも含め、「全員を命に代えても守る」と宣言していました。

社長の決意の背景には、6年前まで勤めていた大手証券会社での経験がありました。リーマンショックで、取引先の企業が倒産していくのを目の当たりにしたのです。

お好み焼きチェーン 社長 中井貫二さん
「資産運用に失敗して、僕はとんでもないことをしてしまったと。たぶん(取引先の)社長は、200人の人たちを解雇しないといけない。(自分は)やはりコロナの時期でも(従業員を)なんとか守るために、必死にアイデアを出して考えてやっていかないと。」

しかし、本当に従業員全員の雇用を守ることはできるのか。現場のトップ、源氏さんが疑問の声を上げます。

お好み焼きチェーン 本部長 源氏雄三さん
「あと半年間で(黒字化は)難しい。難しいことをしろと言われている。それだったら、人を切らないとそういうことではなく、(黒字化のために)気持ちよく辞めてもらう。それをちゃんと決めないと。」

社員
「リストラ=人を大切にしないというのは、ちょっとわからない。僕は自分のエリアにはリストラがあるかもしれないと言っている。」

源氏さんは、実は社長の方針そのものにも疑問を抱いていました。

源氏雄三さん
「社長はわかりにくい。『おまえら考えろ』的な話し方をするので、もうちょっとはっきりしゃべったほうが僕らは受け入れやすい。社長がはっきりポンポンと言ってくれたほうが、やらされ仕事ではないが、この方向だから、われわれはこうしなあかんなと、もう少し動きやすい。こんなときだから。」

中井貫二さん
「今まで千房ってそういう会社だった。会長がトップダウンでパンパンパンと決めていった。それをみんな右に習えでやってた会社。僕はそれはあかんでとずっと言っている。5年10年、あるいは20年30年たつ中で、千房がどうなっていくか。ほんまに命がけで、われわれもジャッジしないといけない。」

そして社長は、社員が提案した中で、自分はデリバリー事業を進めたいと考えていることを伝えました。

中井貫二さん
「うちの従業員がデリバリーもします、しっかりしたデリバリー対応をします。そういうのはどうなんでしょう。」

大規模な店舗閉鎖をする代わりに、何の事業を新たに始めるのか。議論は予定を大幅に超え、4時間続きました。現場に新規事業を立ち上げるエネルギーはないと考えていた源氏さん。社長と本音をぶつけ合う中で、落ち込んでいた会社の雰囲気が、少しずつ変わってきていることを感じ始めていました。

源氏雄三さん
「(会議が)終わってから謝りに行った、すぐに。『社長すみません』って。そこで20分ほど話ができたし、よかった。10年後、『あのリボーン会議があったから』ともっていきたい。すごい会議をコロナの時にして、決まったことをやって成功して、生き残ったとしたい。」

危機の今こそ人材作り あえて試練を…社員は?

たこ焼きチェーンで商品開発を任されていた、辻村さん。水の量や炊く時間をさまざまに変え、1か月以上、試行錯誤を続けていました。この日、再び社長の試食です。

たこ焼きチェーン 社長 永尾俊一さん
「ごちそうさまでした。合格、OKです。」

新商品開発担当 辻村有希さん
「ありがとうございます。」

永尾俊一さん
「泣いてないじゃん。ここで泣けよ、そうすると前の涙がうれし涙になってんなってなるのに(笑)。」

辻村有希さん
「きょうは泣きたくなかったので(笑)。」

入社して初めての、本格的な主力商品の発売が決まりました。

辻村有希さん
「常に、しった激励されている。軸がないと、何か壁があったら絶対に倒れてしまうなというのは、自分もひしひしと感じている。新たなことにチャレンジしていきたい。何か壁があったとしても乗り越えたい。」

永尾俊一さん
「すごくよくがんばった。やっぱり人作り、強く生き抜く人作り。前からやらなあかんと思ってたことを、コロナがあるからやらざるを得ない。コロナもちょっとはええなみたいな。」

社長にNO!? “リボーン会議”で大きな変化

“リボーン会議”を推し進めてきたお好み焼きチェーン。大きな変化が生まれようとしていました。この日、現場のトップ・源氏さんが、社長に直訴します。

お好み焼きチェーン 本部長 源氏雄三さん
「結論から言いますと、考えたんですけど、撤退の方向で考えていただけないでしょうか。保険とか事故とか考えたときに、あまり前向きではなかった。」

社員の提案の中で、社長が一番推していたデリバリー事業について、現場は採算性など多くの問題があると考えていると伝えたのです。

お好み焼きチェーン 社長 中井貫二さん
「今やるべきことはリスク分散。」

一方、社長は、経営者としての観点から必要だと考えていました。

中井貫二さん
「いろんな業態をもっておく。また有事が来たときに、何かあったときにちゃんとリスク分散できている状態を、今作っておかないといけない。」

源氏雄三さん
「やってみたらという話はあるんですけど、今そんなことをやっている場合ではないという話になってしまいます。社長の思いはわかるのですが、厳しいというところです。」

議論は2時間におよび、結局、社長は現場を知る源氏さんの意見を受け入れました。そして、社員が提案していた冷凍食品の事業を拡大することが決まりました。

源氏雄三さん
「働く従業員が、このコンセプトでやっていけるかどうか。新しい事業が成功する成功しないは、やはり働く従業員がどれだけモチベーションを上げてかっこよく働けるか。」

中井貫二さん
「今回のコロナで、ある意味背中を押してもらえた。勇気をもう一度湧き起こらせてくれた。本当に厳しい状況は続いているけど、ずっと下を向いていてはだめ。前向きなことをどんどん発信して、アクセルを踏んでやっていきたい。」

残業ゼロの経営者 “危機の哲学”

逆境を乗り越える鍵は、経営者の冷静な決断だと考えるのが、きょうのゲスト、中村朱美社長です。京都で、革新的な方法で飲食店を経営してきました。

飲食店経営 中村朱美さん
「満席です。」

去年の店の様子です。この店、料理は1日100食限定。売り切れしだいお店を閉めるため、午後3時には閉店します。長時間労働が当たり前とされる飲食業界で、従業員の残業時間ゼロを実現しました。

しかし、ことし4月。新型コロナの影響で、店の売り上げは去年の2割に。4つあった店舗のうち2店舗を閉鎖。23人の従業員の半数以上を解雇することを迫られました。


武田:中村さんが働きやすい飲食業を目指す中で突然やってきた逆境。それを乗り越えるために従業員の解雇に踏み切ったわけなんですが、ただ、やはり葛藤と罪悪感があった。そして、「客観的な正当性」が必要だと思ったということなんですが、中村さん、これはどういうことなんでしょうか。

ゲスト中村朱美さん (minitts代表取締役/佰食屋)

中村さん:本当に従業員の解雇というのは、ことばでは表せないほどの葛藤がありました。もう本当に悔しくて苦しくて、そのときは毎日寝る前に泣いていましたし、しかも、みんながやめた後、私自身が残るということにすごく罪悪感がありましたので、本当にこの決断については簡単に決められるものではなかったです。

武田:でも決断した。それはなぜだったんでしょうか?

中村さん:そうですね。やっぱりこの冷静な判断というのが経営には必要だと思っていまして、いつもピンチのときは、統計と、そしてこれまでの経験則、そして数値から導き出される今後の予測というのを私は立てるようにしているんですが、どう楽観的に計算をしても、私たちの会社は恐らく4か月後に倒産してしまうという数字がもう出てしまっていたんです。倒産をするというのが分かっていて、解雇せずに頑張っていくのが正しいのか、それとも、半分閉めてしまったら半分は持ち直せるということが予測できていたので、それを導くのかという最終(的に)、その2つの選択肢になったときに、少しでも従業員の人数を助けられるんであれば、少し助けるという方向を私は選ばさせていただきました。

武田:誰に辞めてもらうかという判断の中で、客観的な正当性というものを重んじられたということなんですね。

中村さん:そうですね。最終的にじゃあ誰が残るのかというふうになったときに、通常の会社であれば、もしかすると店長クラスとか、ある程度の役職者を残すのかもしれませんが、やはり客観的な正当性が必要だなと思いましたので、私たちのお店では、お肉がさばける、あるいはお肉をスライスするスライサーが使えるといった技術の面を重んじまして、みんなにその条件というのをちゃんと示した上で、最終(的に)残るメンバーの選別というのが行われました。

武田:本当に大変だったと思うんですけれども、そのコロナ禍の中で中村さんが改めて気付いたことがあるそうです。それが「“低空飛行する経営”に原点回帰」「飲食業界のホワイト化」。“低空飛行する経営”とはどういうことでしょうか?

中村さん:もともと、実は2年ぐらい前から、割と日本には災害が本当にたくさんやってきていて、そのときから飲食業界を含め、世の中のサービスとか商品というのが、飽和状態にあるというのをすごく感じていましたので、これから災害がどんどん起こる日本においては、より目標数値を下げて低空飛行をする、そして黒字化を維持するという経営手法が必要じゃないかなというのは思っていました。今回はそうすることで、私たちはちょっとずつ、実は佰食屋というボリュームを下げていったことで低空飛行を目指していたからこそ、新たにこのコロナ禍においても、最終的にはうまく元に戻る力が残っていたかなと思います。

武田:飲食業界、なかなか厳しい労働環境だと言われていますけれども、やはりホワイト化はその中でも目指せるというふうに確信されたわけですね。

中村さん:はい。今回、どうしても夜の時間の自粛要請というのが非常に長い期間ありましたので、本当に昼間に働かざるを得ない状況を作った、作られたことによって、みんなこれまで働き方改革というのになかなか取り組めなかったものが、強制的に取り組まざるを得なくなったことで、飲食店がよりホワイトに働ける光が、実は新たに見えたんじゃないかなというふうに感じています。

武田:逆転の発想で、そういう発見もあったということなんですね。そして、経営者としての中村さんの信念ですけれども、まず「“負の感情は経営には不要」。これは、どういうことですか?

中村さん:悲しいとか怒りとか、例えば、誰かのせいにしたくなるということは本当にあると思うんですが、そういうふうに言っていても物事は何もよくならないですし、前進しないということなので、私自身の負の感情というのは、いつも経営においては必要ないと心の中に閉じ込めて、今、何を作業として仕事として一歩ずつ進めるのか。その先のことだけを考えて進むようにはしています。

武田:なかなかつらいと思うんですけれども、そこは経営者としては頑張りどころですね。

中村さん:そうですね。本当に心を1つ、横に置いてしまうという作業は、苦しいときは本当につらいですけれども、つらい決断もすべて責任を引き受けるという覚悟でやっていかないといけませんので、すべて自分が責任を取るという気持ちで前に進んでいます。

武田:きょうは奮闘する経営者と社員の皆さんの姿をお伝えしたんですけれども、中村さんは飲食業は絶対に復活できると信じていらっしゃる?

中村さん:はい。飲食業はこのコロナ禍において、緊急事態宣言が起こっていた中でも、やっぱりテイクアウトで需要があったり、デリバリーがあったり、本当にたくさんのお客様にまだまだ喜びを感じていただける業種だなというのを、逆に改めて強みを感じました。ですので、ぜひその強みを多くの企業、飲食店がもっともっと前に出せるように頑張れば、きっと絶対に復活できるというのを感じた時期でもあったと思います。

武田:中村さんご自身も復活できると。今、手応えはどうですか?

中村さん:そうですね。もう今、本当に多くの方に応援していただいて、少しずつコロナ前に戻るような形で、私たち佰食屋は今、復活を目指して頑張っているところで、きっと来年には笑顔でみんな働けるんじゃないかなと思っています。