クローズアップ現代

毎週月曜から木曜 総合 午後10:00

Menu
2020年5月12日(火)
新型コロナ 突然の重症化の脅威 ~命を救うために何が必要か~

新型コロナ 突然の重症化の脅威 ~命を救うために何が必要か~

「最初は風邪程度と、それほど心配せず自宅で過ごしていたが、突然、苦しそうになって一気に悪化していった…。」新型コロナウイルスで家族を失った遺族が語る、無念の思いだ。今、大きな問題となっているのが、急激に重症化し、命の危機に陥る人が相次ぐ状況。どんな症状が出てきたら注意が必要なのか?これまでに分かってきた症状やメカニズムから探っていく。そして、重症化を見逃さず、命を守るための、医療現場の模索を追う。

※放送から1週間は「見逃し配信」がご覧になれます。こちらから ⇒https://www.nhk.jp/p/gendai/ts/WV5PLY8R43/

出演者

  • 大曲貴夫さん (国立国際医療研究センター 国際感染症センター長)
  • 武田真一 (キャスター) 、 合原明子 (アナウンサー)

気づきにくい “幸せな低酸素症”

主に重症患者の治療に当たる、埼玉県内の大学病院です。
副院長の讃井將満医師がいま懸念しているのが、自覚がないまま進行する“happy hypoxia” “幸せな低酸素症”と呼ばれる症状です。

讃井將満医師
「この方もそうですけど、自宅で療養されていた方ですけど、息が苦しくなって半日ぐらいで悪くなる。」

重症化して酸素不足に陥っているにもかかわらず、呼吸困難などを伴わないため、“幸せな低酸素症”と言われるこの症状。自宅療養中に相次ぐ、突然の重症化を招く一因になっていると讃井医師は考えています。

肺炎の多くは、上気道でウイルスや細菌が増殖。せきなどの症状が出た後に肺まで達し、炎症を引き起こします。

ところが、新型ウイルスの場合、上気道の症状が目立たないままに、肺の奥までウイルスが達するケースがあるといいます。肺炎も最初は範囲が狭く、炎症も軽いため目立った症状は現れません。

自覚症状が出たときには、すでに肺炎は重症化。酸素不足に気付かないうちに悪化することがあるのが特徴だというのです。

民間の調査会社が行ったアンケートでも、重症患者を診た医師38人中30人が急に重症化した患者がいると回答しています。

讃井將満医師
「実際は体が悲鳴をあげているが、それに本人がなかなか気づきにくい。だから、さらに危ない。(進行した時には)もう手遅れかもしれない。ギリギリですよと。」

“免疫の暴走”で肺以外にもダメージ

さらに、“サイトカインストーム”と呼ばれる免疫の暴走によって重症化するメカニズムも見えてきました。

先月中旬に入院した80代の男性。
自宅療養中に突然倒れ、緊急搬送されてきました。入院当初は広い範囲で炎症が起き、特に画面左側で白くなっていた男性の肺。11日後には白い部分が減り、肺炎は快方に向かっていました。

讃井將満医師
「ほぼほぼ良くなっています。『助けられるかもしれない』と思っていました。」

ところが、その後、急激に症状が悪化。数時間後に亡くなりました。

亡くなった男性の孫
「『もしかしたら治るかも』というのがあったので、本当にあっという間のことすぎて、今でも、まだ心の整理がつかない。」

検査の結果、男性は、腎臓や肝臓の機能を示す数値が正常値の3倍以上に悪化していました。


肺炎が改善する中、なぜ他の臓器が悪化していたのか。
讃井医師が考える“サイトカインストーム”のメカニズムです。
ウイルスが侵入した肺。ウイルスを攻撃するため、免疫細胞の活動が活発になります。この免疫細胞が正常な細胞まで攻撃してしまうのが免疫の暴走、“サイトカインストーム”です。

免疫の暴走が腎臓や肝臓などでも起き、多臓器不全に陥って、死に至ったのではないかと讃井医師は考えています。

讃井將満医師
「ここで1個、肺炎があります。それが体の中をめぐるわけです。その他の臓器にダメージを与える。だんだん細胞が死んでいってしまうので、最終的に急激に亡くなったのかなと。一筋縄ではいかないところがある。」

亡くなった男性の孫
「わからないウイルスなので、だからこそ本当に怖い。肺が良くなっても、他のところが全然だめになっちゃうと、本当に苦しかっただろうなと思って。悔しいですね、本当に。」

多臓器不全のカギか…血管障害

肺以外の臓器で、なぜ さまざまな症状が出るのか。
全身に張り巡らされた「血管」が関わっているという見方も広がっています。

アメリカの大学病院で、ピーク時には150人以上の重症患者を診てきた石川源太医師です。

マウントサイナイ病院 石川源太医師
「ウイルスの侵入期、早期から全身性の炎症期へ移行していくという過程で、もしかすると血管が非常に大事な役割を担っているのではないか。」

石川医師は、「ウイルスの侵入期」のあと重症化していき、「全身性炎症期」に至ると考えています。その移行期に重要な役割を果たすのが「血管」だというのです。

石川医師の考えるメカニズムです。まず、肺に侵入したウイルスが血管を通り、他の臓器へ移動。血管の内側にある血管内皮細胞に侵入します。

すると、これらの細胞を免疫細胞が攻撃。このとき“サイトカインストーム”が起き、他の正常な細胞も攻撃を受けます。

さらに、ウイルスが侵入した細胞の周辺に血小板などが固まり、血栓ができます。これが血液の流れを阻害します。

同様のことが他の臓器でも発生し、多臓器不全に陥ると考えています。

マウントサイナイ病院 石川源太医師
「全身の臓器があっという間に傷害されてしまうことを考えると、やはり血管内皮細胞であったり、血管というところで何らかのことが起こっていると考えています。全身性の炎症期に移行するのを防ぐという考え方が、現時点では非常に大事かなと思います。」

「1~2年の記憶がない」髄膜炎の怖さ

さらに、ウイルスが直接 脳の髄膜を襲ったと見られるケースがあることも分かりました。

感染した20代男性
「正直、この1~2年の記憶がちょっと飛んでいるので。」

新型ウイルスに感染した20代の男性です。
症状は回復しましたが、記憶を失っています。

感染した20代男性
「(意識が戻ったとき)コロナも、もちろん、今 世間で騒がれているのも知らない状態。」

男性は2月27日に発熱。その後、通院はしたものの、自宅で療養を続けていました。しかし、突然倒れ、訪ねてきた家族に発見されます。検査の結果、陽性が判明。脳の髄液にウイルスが入り込み、髄膜炎になっていることが分かりました。

ICUでの治療の結果、意識は取り戻しましたが、脳に後遺症が残ってしまったのです。

取材班
「お仕事のことは覚えていたり?」

感染した20代男性
「仕事関係は全く何も覚えていない。自分が仕事で何をやっていたのか、最初は仕事の勤務場所も全く思い出せなくて、違う会社の名前を言ったりとかしていたみたいで。」

治療に当たった森口武史医師は、鼻から入ったウイルスが直接、脳を覆う髄膜を襲ったと考えています。

炎症が確認されたのは肺と脳の髄膜だけで、心臓や腎臓、腸に異常はありませんでした。さらに、鼻の奥の、脳ににおいを伝える神経の周りに炎症が見られ、そこからウイルスが侵入したのではないかと指摘します。

山梨大学医学部附属病院 森口武史医師
「ウイルスの侵入経路になりそうだったところが副鼻腔しか考えられなくて、そこにやはり炎症が起きている。本当に髄液の中からウイルスの存在を証明した1例目なんだろうと、すごく驚きました。」

森口医師は、こうしたケースは多くないものの、急激な重症化につながる可能性が高いと警鐘を鳴らしています。

見えてきた突然の重症化のメカニズム。
スタジオで、さらに深掘りします。

なぜ起きる? 見えてきたメカニズム

武田:新型コロナウイルスに感染して重症化した要因としては、肺炎が重くなって呼吸不全になるケースが多いんですけれども、そのほかに、肝臓や腎臓が機能不全に陥るケースも挙げられています。VTRで紹介した重症化のメカニズムです。まず、気が付かないうちに肺炎が重症化する、いわゆる“幸せな低酸素症”。国立国際医療研究センターの大曲さんも、こういった症例に思い当たることがあるそうですね。

ゲスト 大曲貴夫さん(国立国際医療研究センター 国際感染症センター長)

大曲さん:あります。入院されてきたときには比較的 軽いかぜのような症状が1週間、10日ぐらいで、それこそ1日、2日のうちに急にわっと状態が悪くなって、息が苦しくなって、レントゲンで写すと肺が悪くなっているという方はいらっしゃいました。ですので、直前までは、それほど症状もひどくないけど、急に悪くなるというような例は確かにあります。

武田:それが、もしかしたら“幸せな低酸素症”の可能性もあるということですね。

大曲さん:そう思います。

武田:そして、鼻からウイルスが侵入して髄膜炎になったと診断されたケースもあったということです。これまで、主に気管支や肺に感染するとされてきたわけですけれども、こういったことが起きると本当に怖いなと思いますが、この報告は、どう捉えればいいのでしょうか。

大曲さん:起こり得る話だろうなと思います。実際かぜのような症状で始まるわけですよね。鼻水が出たり、のどが痛くなる。ということは鼻の粘膜、やわらかいところがやられているわけです。そして、もう一つは「においがきかなくなる」という症状が出る方がいらっしゃった。あれは結局、鼻のところの神経が傷んでいるということを意味するわけです。ですので、感染して鼻の神経、においの神経のところへ行って、そこから脳まで行っているということは、そこで感染を起こしていることは十分起こり得ると思います。

武田:そして、“サイトカインストーム”による血栓の形成や多臓器不全。これは今、世界中の臨床現場や研究室から報告が上がっている段階で、断定的なことはまだ言えないということですけれども、どう捉えていらっしゃいますか。

大曲さん:実際コロナの患者さんで、肺もひどくやられるんですが、それ以外の臓器や血液の所見も悪化することがよく分かってきました。調べてみると、いろいろな異常があるんですけれども、炎症の引き金を引くような「サイトカイン」というようなものが非常に高く上がるということが分かってきました。それが、いわゆる“サイトカインストーム”といわれるものですね。これが続くといろいろな臓器が傷んでいきます。多臓器不全という状況に陥ります。ただもう一つは、先ほどもありましたけども、“サイトカインストーム”との関連はなかなか難しいですが、血管自体がどうも傷んでくるんじゃないかという話もあります。血管を裏打ちする血管内皮という細胞があるんですけれども、最近、そこにウイルスが入り込んで感染していることもあるということが分かってきたんですね。そうすると結果、血管に強い炎症が起こります。それが原因で、そこで血が固まりやすくなって血栓ができる。血の巡りが悪くなって、もろもろの問題、例えば脳梗塞のようなものが起こるということも分かってきている。

武田:生活習慣病などで血管にリスクをお持ちの方もいらっしゃると思うんですが、そういった方は要注意ということが言えるのでしょうか。

大曲さん:そうかもしれないなと思っています。そもそも、この新型コロナの感染症で重症化する方に関連する因子というものを調べていくと、確かに血管に関係するものがいろいろあります。高血圧であるとか、心臓の血管の問題、あるいは糖尿病。糖尿病というのは血管を傷める病気ですよね。あとは、喫煙というものあります。喫煙だって血管にいいことはないわけです。そうした、ある意味、生活習慣で起こる病気の結果、血管が傷んでいると。だからこそ、そういう方々の血管にはコロナのウイルスが入りやすくて悪くなりやすいのかもしれないということは、推論としては十分に成り立つと思います。

期待される治療薬

合原:そういった重症化を抑えるために、期待されているのが薬です。VTRで登場した石川源太医師は、このように症状の移り変わりを示しています。

まず、発熱や乾いたせき、頭痛などが見られる「ウイルス侵入期」。その後、肺炎などの呼吸不全が起きる中等症の時期を経て、「全身性炎症期」へと移行していきます。この全身性炎症がひどくなると重症になると考えています。
例えば、レムデシビルやアビガンなどの「抗ウイルス薬」はウイルスの侵入や増殖を抑えるのが狙いです。そして、アクテムラのような「免疫抑制薬」は全身に広がった炎症を抑えると考えられています。

さらに先週、この両方の効果が期待される薬が臨床試験に入りました。

それが、「フサン」。30年以上前から、すい炎などの治療に使われてきた薬です。

東京大学大学院医学系研究科 宮園浩平教授
「1つの薬で“ウイルスの侵入・増えるのを抑える”と同時に、“体の中で起こっている異常な反応を抑える”2つの役割があるのが特徴。」

ウイルス侵入期では、フサンを点滴することで、新型コロナウイルスがさまざまな細胞に侵入することを防ぐ効果が期待できるといいます。さらに、全身性炎症期においても、フサンには血液が固まるのを防ぐ作用があるため、血栓を出来にくくし、重症化を防ぐ可能性があるとしています。

現在、すでに患者への試験的な投与も始まっていて、データの検証が急ピッチで進められています。

東京大学 井上純一郎特命教授
「30年程度 臨床で使われている薬で、副作用はそんなにないと予想されるので、それも非常に大事なこと。臨床研究の中でうまく効果があれば、重症化を防げるということで、ものすごく良い薬になると考えています。」

合原:今紹介しました「フサン」のほかにも、ぜんそくの治療薬「オルベスコ」も両方の効果が期待されています。

大曲さん、国の治療薬開発の研究班の責任者も務められていますが、治療薬の研究は今どこまで進んでいますか。

大曲さん:まずは緊急事態でしたので、急ぐための方法としては、もともと日本にある、ほかの目的で使われているお薬をコロナに使えないかということで使ってみるということが行われてきました。それは、臨床試験という形で、いわゆる「プラセボ」といわれる、効果が何もない薬もどきのものと比べる。それで効果があるかどうかを見るということがやられてきました。実際こうしたお薬を臨床の現場で使って、患者さんに不利益がないか、効果はどうかというところをちゃんとをデータを集めて解析をするという形で取り組みは行われてきています。現状では、少し事実が集まってきたかなというところです。

合原:今後、どういったことを大切に研究していきたいですか。

大曲さん:1つは、こうやって病気自体にいろいろな時期があることが分かってきましたので、どの時期にどのお薬がいいかということを明らかにするということと。あとは、やはり1個1個丁寧に技術を拾っていって、効果の有無に関しては慎重に見極めていくということが非常に重要だと思っています。

武田:厚生労働省によりますと、今ホテルや自宅で療養している軽症の患者は、先月末の時点でおよそ3000人。
そこで突然 重症化し、命を失う人を出さないために、懸命の取り組みが始まっています。

どんな兆候が? “酸素飽和度”に注目

現在120人ほどの軽症者を受け入れている都内のホテルです。
日々の問診で、ある数値に注目しています。

東京都医師会の医師
「今って、酸素濃度 測れます?」

血液中の酸素濃度を意味する「酸素飽和度」です。

「98%というのがSpO2(酸素飽和度)ですね。」

肺から体内に取り込まれた酸素は血液で全身に運ばれます。平常時の酸素飽和度は94%以上と言われています。
ところが、肺や血管などに異常が生じると酸素飽和度は低下。このとき、息苦しさなどの自覚症状がない例もあり、酸素飽和度が異変を察知する手がかりになります。

現在、重症化のリスクを考え、万全を期す意味で基準としているのが94%以下。

東京都医師会の医師
「154番の方、サチュレーション(酸素飽和度)96%、発熱なし。」

ホテル対応を指揮する 東京都医師会 大桃丈知医師
「『沈黙の肺炎』というのが頭の中にインプットされているので、(酸素飽和度の数値が)1コンマ下がっただけでも何かあるかもしれない。その緊張感は大変大きいものがある。」

いま、ホテルに派遣されているのは小児科や消化器科など、感染症の専門ではない開業医たちです。

東京都医師会 猪口正孝副会長
「(陽性になって)1週間から10日くらいは非常に容体が変化してくる危険性がある。」

突然の重症化を防ぐため、酸素飽和度の確認に加え、丁寧な聞き取りを徹底するなど模索が続いています。

渋谷区医師会 西川文則理事
「突然、急変する方もいますので、少しでも私たち医師会の会員たちが協力できるよう、助けになれればいいなと。」

よろよろ歩く 肩で息する…どんな兆候が

先月末の時点で、全国の感染者のうち自宅で療養する人は およそ2000人。

重症化のサインを いかに見過ごさないかが大きな課題となっています。

千葉県市川市では、医師が直接自宅療養者のもとを訪ね、重症化の前に現れる兆候をいち早く捉えようとしています。

50代女性
「きょう死ぬのか、あした死ぬのか、重症化するのを待っているような状態。本当につらいんですよ、自宅療養していても。」

訪問した医師
「夜、苦しくなって眠れないとか、ゼーゼーハーハーが止まらないとかはなさそうですか?」

「よろよろ歩く」「顔色が悪い」「肩で息をする」「会話の返事ができない」など、電話だけでは確認しづらい症状。これこそが、重症化を見抜くために必要なサインだと言います。

東京ベイ・浦安市川医療センター 救急・集中治療科部長 船越拓医師
「急に具合が悪くなる前の前駆症状というか、前兆を恐らく何か呈しているという方が多いと思う。自宅にいたがゆえに、助けられた命を落としてしまうということは、僕らとしては絶対に避けなければいけない。」

いま130人以上の自宅療養者を抱える千葉県。しかし、すべての地域で個別に訪問するには限界があります。
県の医療調整本部では、地域の医師たちが最新の症例や治療法などを情報交換。救える命を救うための体制整備を進めています。

千葉県対策本部事務局 医療調整本部 松本尚医師
「自宅待機者をいつもウオッチしている保健所とか、もっともっと長期戦になればなるほど手厚くしなきゃいけない可能性がありますし、そこに医師がどれくらい関与できるかっていうことも必要になってくる。」

重症化を見逃さないための兆候は、ほかにもあります。
それは…。


武田:厚生労働省も先月下旬に、軽症者が重症化する前兆となる緊急性の高い症状を公表しました。「唇が紫色になっている」「急に息苦しくなった」、それから、「もうろうとしている(返事がない)」など、13の症状が挙げられています。大曲さん、これは1つの目安になるかと思うんですけど、こういった症状をどうご覧になりますか。

大曲さん:もしかかった方、そのご家族の方はぜひ1回全部見ていただきたいんですけれども、どれもすごく危ない症状なんですね。コロナであろうがなかろうが、こういう症状が出たときには必ず、すぐに病院に行かなきゃいけないというような症状ですので、このようなことに気づいたら助けを求めていただきたい。ただ、なかなか知らないと分からないですからね。ぜひ1回確認していただければと思います。

武田:繰り返しますけれども、こういった症状が出れば、すぐに医療機関に連絡をするということですね。

合原:そして、血液中の酸素飽和度を測る「パルスオキシメーター」。VTRのホテルでも使われていましたが、医療機関でも不足しているそうです。扱いには専門的な医学知識も必要で、一般家庭での使用は控えてほしいということです。

命を守るためにすべきことは?

武田:そして、私たちはいま何が必要かということですけれども、こちらをご覧ください。日ごとの感染者数のグラフです。これを見ますと、確かに新たな感染者数は減ってきていまして、少し安心するところもあります。

しかし、一方で、これは重症化して人工呼吸器を装着している患者さんの数なんですが、こちらはあまり減っていないんです。大曲さん、まだ油断はできない状況なんですね。

大曲さん:日ごとの感染者数のグラフを見ると減っているように見えますけど、実際にまだ人工呼吸器がついている方はたくさんいらっしゃいます。この病気は長いんです。特に重症になった方は、よくなるまでの期間がすごく長くかかります。おととい退院された僕の患者さんは、たしか1か月以上 人工呼吸器で闘っていたんですね。日本の病院には、まだ人工呼吸器でコロナと闘っている患者さんが多くいらっしゃるという状況です。

武田:ということは、重症化した後の医療体制をしっかり確保するためにも、まだまだ私たちは油断するべきではないということですね?

大曲さん:ちょっとでも緩めるとすぐにまたコロナはぶり返してきますので、そうならないように、みんなで気を引き締めてやっていければと思います。

武田:大曲さん、きょうはお忙しいところありがとうございました。