クローズアップ現代

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2019年6月18日(火)
保釈か 勾留か どう考える?日本の司法

保釈か 勾留か どう考える?日本の司法

保釈か、勾留か。日本の司法制度が大きく揺れている。日産ゴーン前会長の事件では勾留が100日を超え、海外メディアから激しい批判を浴びた。こうした中で、今、被告の保釈を支援する活動が活発化し、保釈される人の割合も増加している。その一方、保釈中の被告が逃亡したり、事件を起こしたりするケースも相次ぐ。初めて取材が許された東京地検のある部署は被告の追跡に追われている。日本の司法制度のあり方はどうあるべきなのか?密着ルポをもとに考えていく。
※緊急地震速報で中断したため、6月22日(土)午前1時40分(金曜深夜)に改めて放送します。

出演者

  • 髙井康行さん (弁護士・元東京地検特捜部検事)
  • 江川紹子さん (ジャーナリスト)
  • 武田真一 (キャスター)

なぜ3年も勾留 奪われた時間

勾留が長引いたことで、人生が大きく狂わされた人がいます。歯科医師の佐保輝之さんと、妻のひかるさんです。事実上の無罪判決が出るまで、3年にわたって身柄を拘束されました。

佐保輝之さん
「本当に苦しみましたね。」

2人は7年前、高齢の母親を殴って死なせたとして逮捕されました。裁判では“暴れる母親を止めようとしただけだ”と主張した佐保さん。しかし、母親が暴れた理由を十分に説明できず、1審では傷害致死の罪で懲役8年の判決が下されました。

佐保輝之さん
「怒りしかなかったですね、判決を聞いた時は。」

判決が出るまで、一貫して容疑を否認した2人。推定無罪の原則の下、保釈を求め続けました。勾留された被告は起訴された後、弁護士などを通じ、保釈を請求することができます。裁判所が認めると、保釈金を納め、外に出ることができます。佐保さんは逃亡の意思はなく、未成年の2人の子どもがいることも訴えましたが、保釈は認められませんでした。

佐保輝之さん
「これが拘置所。ずっと壁に向かって一日中座っている。世間がどんどん遠くなっていく。また1年たって、夏が来たっていう。先の見えない不安は、常につきまとっていました。」

2人は勾留中、手紙のやり取りを禁じられ、無罪につながる情報を得られませんでした。裁判の審理が終わった後、佐保さんは勾留中に受け取れなかった手紙を目にしました。1年以上前に届いていた報道機関からの手紙には、母親が暴れた理由は攻撃性を伴う認知症のせいではないかと記されていたのです。

2審では、認知症で暴れる母親を止めようとしたことが認められ、佐保さんは事実上の無罪判決を得ました。

佐保輝之さん
「身柄が拘束されていなかったら、もっと早く知っていればと、本当に悔しい思いをしました。」

3年に及んだ勾留は、佐保さんから家族との大切な時間を奪いました。

佐保輝之さん
「顔を見た時は、(子どもたちは)いつの間にか大人の顔に。一番多感な時期でその時に、僕だけではなくて、妻までも一緒にいなくなって、子どもだけが残されたということですから。」

妻 ひかるさん
「ただ3年間離れていた。そんなんじゃないんですよね。」

歯科医師として勤務していた大学病院を解雇され、仕事まで失った佐保さん。日本の司法制度には大きな問題があると感じています。

佐保輝之さん
「自分たちがいつ巻き込まれるかわからない。巻き込まれた時に大変なことになってしまいますから、(勾留の問題を)わがこととして想像してもらいたい。」

海外から批判も “ゴーン事件”検察・裁判所は

勾留が長引く日本の司法制度。その在り方が問われたのが、日産・ゴーン前会長の事件でした。海外から批判された、100日を超える身柄の拘束。

フランスの弁護士は、“日本の司法制度は人権意識が欠けたものだ”と厳しく批判します。

ゴーン前会長の家族の弁護士 フランソワ・ジムレ氏
「推定無罪と言っておいて、100日以上も拘置所に入れることは許されません。なぜ勾留する必要があるのでしょうか。日本の司法制度を知り、非常にショックです。」

事件は、勾留が欠かせないとする検察と、裁判所との認識の違いを浮き彫りにしました。当初、検察は保釈は認められることはないと考えていました。

検察幹部(当時の取材より)
「ゴーン被告は影響力があり、証拠隠滅のおそれが高すぎる。保釈?ないない。」

保釈は、弁護側の主張する被告の権利と、検察側の主張する保釈のリスクを比べ、裁判所が判断します。これまで裁判所は、検察側の訴えを重視する傾向がありました。ところが裁判所は、弁護側が示した証拠隠滅を防ぐ対策も考慮。被告の権利を重視し、保釈を認めたのです。

裁判所が下した異例の保釈判断。検察内部には衝撃が走りました。

検察幹部(当時の取材より)
「絶対に認められない。裁判所はこれまでの判断と一貫性がない。こんな判断が定着すると、日本の司法制度が崩壊する。」

裁判所幹部(当時の取材より)
「検察と適正な距離感を保つべきだという流れは強く大きくなっている。検察の主張をすべて認めるのではなく、あるべき姿に立ち返りたい。」

増える“保釈” 舞台裏で何が

保釈される人の割合は、この10年で倍増。今、全国で保釈を積極的に求める動きが加速しています。
弁護士の中原潤一さんです。中原さんはこの日、勾留されている被告との面会に向かいました。窃盗などの罪で起訴された20代の被告の保釈請求の準備のためです。

面会を終えた中原さん。保釈を請求する際、逃亡や証拠隠滅のおそれはないと訴えるための誓約書を受け取っていました。

弁護士 中原潤一さん
「一刻も早く彼を外に出してあげることが、正義にかなうのではないかと思います。」

(電話)

「奥様はどのような件で逮捕されてしまったのでしょうか?」

今、保釈を支援する団体には、被告の家族などから相談が次々と寄せられています。この団体では、保釈金が用意できない人に立て替えを行っています。

(電話)

「保釈金220万の送金が完了しましたので。」

「(保釈中は)どちらにお住まいになる予定でしょうか。」

申し込みの件数は年間8,000件以上。この10年で、およそ4倍に増加しています。

日本保釈支援協会 齋尾憲幸専務理事
「これだけ保釈に対して関心が集まるのは、正直、想定外の展開でした。」

この団体の支援を受けて、保釈されたばかりの被告に話を聞くことができました。先月(5月)保釈された、40代の元会社経営者です。経済的に困窮し、特殊詐欺に受け子として関わり、詐欺未遂の疑いで逮捕されました。

保釈された元会社経営者
「犯罪に加担してしまったことを、非常に情けなく思います。」

あとひと月、勾留が続いていれば、家賃の未払いで自宅を失うところでした。保釈されたことで、今は社会復帰に向けて就職活動を進めています。

保釈された元会社経営者
「保釈されて外に出てきているので、きちんとやり直したい。二度と同じような過ちを犯さないで生きていきたい。この景色が見られて良かったです。」

変わり始めた日本の司法。あなたはどう考えますか?

いま何が問題なのか?海外では?

ゲスト 江川紹子さん(ジャーナリスト)
ゲスト 髙井康行さん(弁護士・元東京地検特捜部検事)

武田:今夜は、ジャーナリストの江川さんと、元検事の髙井さんをお招きしました。勾留が長期に及ぶ日本の司法をどう見るのか、お2人が挙げたキーワードは、江川さんは「人質司法」、髙井さんは「合理的な理由があった」。

まず江川さん、「人質司法」とは?

江川さん:刑事司法の一番大事な役割は、無実の人を罰しない、えん罪を出さないことだと思うんですよね。ただ、否認しているとなかなか外に出してもらえないという現実があって、認めれば出してもらえることになると、自分の記憶とは違うことでも認めてしまって、早く出してもらおうというようなことが出てきて、それがえん罪を生む。郵便不正事件は、まさにその典型だったと思いますけれども、それ以外にも、実際に長期勾留をおそれて、虚偽の自白をしてしまったという人もいます。実際にどれぐらい長く入れられるのかというと、例えばコンビニで1万円を盗んだということで起訴された人が、否認したら300日も入れられた。結局、彼は無罪になるんですけれども、そういうようなこともあるというのが実態で、この状況を何とかしなければいけないと思っています。

武田:そして髙井さんは「合理的な理由があった」。どういう理由でしょうか?

髙井さん:まず、今、江川さんがおっしゃったような、一種の病理的現象があったということは、私も否定はしないです。ただし、全般論として考えると、どういうことかというと、当時、検察官は非常に細かい事実まできれいに立証しないと、なかなか有罪が得られないというふうに考えているわけです。これを俗に「精密司法」といいますが。そうすると、立証する対象が広範に渡り、数多くなると。当然、それに対して罪証隠滅のおそれがそれぞれ出てくる。ですから、どうしても検察としては、証拠隠滅のおそれを前広に考えざるを得ないんですね。その結果、検察官の公判における立証が終了するまでは保釈に反対するということが多かったんです。当時は検察官のそういう判断を、比較的、裁判所が尊重したということもあって、結果的に検察官の公判における立証が済むまでは保釈がきかないという事態になっていたと。そういう背景がありますので、それはそれなりに、原則的には「合理的な理由があった」という考えなわけです。

江川さん:ただ、そうすると、検察の立証が終わるまで、本人は弁護士とアクリル板越しにしか打ち合わせができなかったり、あるいは、接見禁止といって、弁護士以外とは会えない処分が付いてしまったりすると、弁護士しか会えないわけですよね。その弁護士が、非常に能力的に問題だと感じた時に、弁護士しか会えないので、「あなた、やめてくれ」「別のいい弁護士を連れてこい」とは言えないわけですね。家族と連絡ができれば、せめて相談できると。

髙井さん:弁護人の問題はちょっと置いといて、当時は、弁護人の反論は検察官の立証が全部済んでから行えばよかったんです。ですから、当時も検察官の立証が終わった段階で、次は、弁護側の反証の段階に入りますから、その時には防御権をきちっと使えるように、検事も裁判所も保釈に応じていたというのが当時の扱いなんです。

江川さん:ただ、今だって全員がもちろん保釈されているわけではなくて、否認しているがために、なかなか保釈が認められないで、弁護人との十分な打ち合わせができないというようなことも実際あるわけですね。それから、ゴーンさんの場合は、大使が会いに来てくれましたから、そういう人たちと相談していろんなこともできたけれども、結局日本人だとそれもできないで、ずっと中に閉じ込められていて、VTRに出た方のように、手紙が来ても見せてもらえないということで、被告人が自分の防御権を非常に制約された状況になってしまっていると。

武田:一般の人はなかなか自分を守ることが難しかったんじゃないかと。

髙井さん:それは弁護人の問題で、弁護人がしっかりしていれば、それは十分に守られると考えられているし、実際守られていると思います。弁護人が無能だという前提に立てば別ですよ。

江川さん:弁護人だっていろいろじゃないですか。検察官もいろいろだけれども、そういうような時でも、被告人がちゃんと自分の身を守れる、「じゃあ、この人に頼もう」とか「別の人に頼もう」とか、そういうような選択ができるような状況は必要だと思うんですね。

武田:そのためにも保釈は、原則として認められるべきだと。

江川さん:もちろん事件にもよるんでしょうけれども、基本は、身柄は外にいて活動できるのが原則だと思うんですね。

髙井さん:江川さんでも、罪証隠滅のおそれがある者も保釈しろというご意見ではないですよね。

江川さん:それは言っていません。ただ、その程度の見方が、検察がそう言ったら、すぐに認めてしまうというのが、かつての裁判所だった。それでいいんですかということで、少しずつ変えましょうというふうになっていっているんだと思うんですね。

武田:なかなか議論が尽きないんですけれども、もう1つのリスクを見てから、またさらに議論を続けたいと思います。あるリスクも見えてきましたが、どう向き合えばいいんでしょうか。

追跡!東京地検“トクシツ” 保釈に“リスク”も

今回初めて取材が許された、東京地検の特別執行担当、通称「トクシツ」。トクシツは、保釈中に逃亡した人や、刑を免れようとする人の身柄確保を担っています。活動の詳細を明かさないことを条件に、密着しました。

東京地方検察庁 横田正久検務主任検察官
「こちらにあるのが装備品です。」

トクシツの職員は全員専従。危険が伴う現場で、特殊な装備を使いこなす訓練を受けています。

東京地方検察庁 横田正久検務主任検察官
「検察庁の中でも特別執行担当だけが、こういった防刃チョッキや特殊警棒を1人1つ備え付けられています。」

逃亡の報告が入ると、トクシツがまず行うのが、徹底した情報収集。捜査機関との連携や、事件関係者との接触などで、被告の所在を割り出していきます。

「無線チェック終了。」

この日は、刑を免れようと逃亡した人の情報が入りました。
今、トクシツが出動する場面が増えています。これまでなら、保釈が認められなかったような被告が保釈され、逃亡するケースが出ているといいます。

東京地方検察庁 横田正久検務主任検察官
「暴力団関係者、薬物の常習者についてまで、裁判所が保釈を許可するというケースが増えています。」

今年(2019年)3月、ある詐欺事件の被告が逃亡したケースがありました。被告らが「グルメンピック」というイベントの開催をうたい、およそ200人から出店料5,000万円余りをだまし取ったとされる事件。

従来であれば、組織的な詐欺は罪が重く、保釈が認められにくい事件でした。裁判所も当初は認めませんでしたが、その後、証拠隠滅のおそれが低くなったとして保釈を許可しました。しかし、被告は逃亡。判決の日に現れず、裁判は中断を余儀なくされたのです。この事件で被害に遭った飲食店経営者です。被告が裁かれないままになっていることに、強い憤りを感じています。

被害にあった飲食店経営者
「なんで保釈を認めたのかなというのがまず疑問なので、当然逃げる気で逃げてるわけですから、そこらへんは憤りは隠せない。」

保釈中に被告が事件を… なにが?

さらに、逃亡だけでなく、保釈中の被告が事件を起こすケースも出ています。奈良県宇陀市で消防団員を務める、藤本和之さんです。

「なんでこんなに燃えてんだろう。」

2年前、自宅周辺で空き家ばかりを狙った火事が相次ぎ、消火活動に追われました。

消防団員 藤本和之さん
「真っ赤でしたね、手のつけられない状況でした。ここも燃えたとき空き家だった。明らかに放火じゃないかと言われてた。ここも燃えたとき空き家だった。」

放火容疑で逮捕されたのは、40代の元市職員の男。ほかにも、自動車のタイヤをパンクさせる事件を複数起こしていたことも分かりました。検察の反対にもかかわらず、去年(2018年)5月、保釈されました。
ところがその2か月後、再び市内で2度にわたって火をつけ、再逮捕されたのです。

放火の被害にあった住民
「怖いですよね、やっぱり。マネする人が出てきたんだという認識だった。(男が)家に戻ってるということを知らなくて。」

消防団員 藤本和之さん
「誰が責任とるの?という話ですよね。安易な保釈はやめてほしいですね。」

検察は、誤った保釈の判断が増えれば、リスクが高まると懸念しています。

東京地方検察庁 久木元伸次席検事
「裁判所は基本的に適正な(保釈の)判断をされていると感じています。中には(逃亡や再犯)事案があり、そういうものがあまり増えてしまうと、皆さんの理解や信頼が得られなくなってしまうのではないかと。」

裁判所は何を重視? きっかけは「裁判員制度」

変わり始めた日本の司法。その変化の中で、裁判所が重視していることは何なのか。東京地方裁判所の幹部が取材に応じました。
保釈を認める傾向が強まったきっかけは、10年前に始まった裁判員制度だといいます。参加する市民に分かりやすい裁判を実現するため、事前に裁判官と検察、弁護側が打ち合わせを行う仕組みが新たに導入されました。そのため、被告が弁護士と十分に相談できるよう、保釈を認める流れが生まれたのです。保釈を判断する上で、推定無罪の原則をより重視するようになったといいます。

東京地方裁判所 伊藤雅人所長代行
「もしかしたら無罪になる可能性もある人も含まれている。そういう人の身柄拘束を、例えば1年間続けておくことが本当に妥当なのですかという問題意識ですね。支障がない限り、早く保釈した方がいいですよねと。」

日本の司法、何をどこまで変えなければならないと思いますか?

増える「保釈」 “安心”とどう両立?

武田:保釈のリスクですけれども、保釈される人が全体的に増えている中で、保釈中に再び事件を起こしたとして起訴される人の数は、10年前の85人から246人と、3倍近くに増えています。

どうやって安心と両立させていけばいいのか、このことも大きなテーマですし、私たち市民が社会全体の問題としてどう向き合っていけばいいのか、お2人にそれぞれキーワードを書いていただきました。まず髙井さんは、「バランス」。

髙井さん:この保釈の早期化という流れは、もう変わりません。なぜならば、公判前整理手続裁判員裁判に伴う公判前整理手続がある以上は、早期の保釈をせざるをえない。そうなってくると、罪証隠滅や逃走、中には再犯の事例も、これからもっと増える。そうなってくると、保釈の早期化というのは被疑者側、被告人側の人権に配慮したということですから、当然、被害者側の人権というものも重視しなければバランスがとれない。この刑事司法制度というのはバランスの上に成り立っているわけですから、被告人側の権利を重視するとなれば、被害者側の権利も重視するということが必要で、そのためには、例えば保釈をする時に、被告人にGPSをつけさせるとか、あるいは保釈する時には必ず被害者にそれを通知する。必要があれば制限住居も通知する。特に性犯罪についてはそういうことが必要ですし、あるいは、保釈の意見を検事が書く時に、必ず被害者の意見も聞いた上で書くとか。あるいは保釈中の再犯については、法制度を変えて、法定刑を下限も上限も倍にするというような対策をとって、バランスをとらないと、刑事司法が被害者側の国民の信頼を失うということになりかねないと思います。

武田:江川さんは、「『身柄拘束』はそれ自体が『罰』」。

江川さん:これは、郵便不正事件で、えん罪で160日間も拘束された村木厚子さんがおっしゃっていたことなんですけれども、身柄拘束されるというのは、それ自体がもう刑を受けているのと一緒だということなんです。司法というのは、推定無罪、無罪を推定してやらなければいけないのに、こんなふうに刑罰の先取りみたいな形になってしまっているのがいいのかどうかということを考えなければいけないと思うんですね。
じゃあ、やった場合にはどうなのかという話になると思うんですけれども、先ほどの保釈中の再犯数で多いのは、覚醒剤と窃盗ですよね。そういうデータを、まずはきちんと明らかにする。

武田:この中身を明らかにするということですね。

江川さん:覚醒剤とか窃盗を常習的にやってしまうような人たちというのは、仮に刑務所に入れても、それで解決するわけではなくて、できるだけ早く治療などの対策につないでいくことが大事で、例えば早く保釈して病院の治療を受けるようにするとか、そうした実態に即した、きめ細かい対応がより求められるのではないかと思います。

武田:推定無罪の原則というのはあくまで堅持しながらも、それ以外のさまざまな不具合については、お互いにいろいろな政策を動員してバランスをとっていかなければならないということですね。

江川さん:そうですね。そのバランスという意味では、検察側と被告人側のバランスも、もう少し考えなければいけないんじゃないかと思います。

武田:社会全体で、私たち市民一人一人が我がこととして考えるべき問題ではないでしょうか。