4年に1度、アメリカのリーダーを決める大統領選。異例の混戦となっている最大の要因は、共和党で支持率トップを走る不動産王、ドナルド・トランプ氏の存在だ。政治経験は全くなく、オバマ政権を「弱腰」と真っ向から批判、「偉大なアメリカの復活」を掲げる。難民やイスラム教徒に対して差別的な発言を繰り返しているが、白人の保守層で特に所得が低い労働者層からの支持が根強い。共和党主流派はトランプ氏に対抗する候補者の一本化に苦労し、トランプ氏の勢いを止めることが出来ずにいる。一方民主党も、支持率トップを走るクリントン氏を、2位のバーニー・サンダース氏が猛追。最低賃金の引き上げや格差解消など“社会主義的”な政策を訴え、こちらも比較的所得が低い若者層からの支持を獲得している。“エスタブリッシュメント”と呼ばれる既成政治への批判が高まる中、アメリカ国民は最終的にどのような選択をするのか。最大の山場・スーパーチューズデーを前に加熱する選挙戦を追い、アメリカ社会の底流で起きている変化を読み解く。
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