跡を絶たない児童虐待。身体的虐待、育児放棄に続き、これまで見えにくかったもうひとつの虐待・性的虐待の実態が少しずつ明らかになってきた。児童相談所への相談件数はこの10年で3倍に増えたが、これも氷山の一角と見られている。家族などから虐待を受けた子どもは、「被害を訴えると家庭が壊れる」と口を閉ざし、周囲の無理解も重なって実態が見えにくいためだ。問題を誰にも言えず抱え込むため、心を深く傷つけ、PTSDなどに苦しんでいる。いち早く加害者と分離するのが保護の原則だが、経済的な理由などから母親が加害者との関係を断ち切りにくいといった難しさもある。被害者の証言などで性的虐待の実態を伝えるとともに児童相談所の取り組みを追い保護の課題を検証する。
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