首都圏のマンションなどが、震度5強程度の地震で倒壊する恐れがあることがわかった。千葉県市川市の建築設計事務所の姉歯秀次建築士が、マンションの強度を計算した書類を偽造していたのだ。すでに完成している14の建物のうち12棟のマンションについて、国土交通省の調査では、耐震性が建築基準の30%から70%程度しかないという。突然、「危険」を知らされた住民たちは不安を募らせ、住民集会などを開いて対策を検討し始めているが、安全対策や補償が今後どのように行われるのか、まったく見通しは立っていない。なぜ建築士は建物の安全性の基礎ともいえる「構造計算書」を偽造したのか。そしてなぜ、民間の検査機関の調査でも偽造は見破られずに、危険な建物が出来上がってしまったのか。空前のマンションブームの影で行われていた不正の実態を追う。
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