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郡山・安積ラジオ放送所は、日本初のラジオ電波塔?

  • 2024年04月05日

視聴者のみなさんから寄せられた身近な疑問を徹底調査する「しらべてmeet!」。

今回のテーマは、郡山市にお住まいの「あんころもち」さんからいただいた「郡山市にあるNHKのラジオ放送所が日本で最初に建てられたラジオ電波塔というのは本当?」です。

NHKのラジオ施設についての調査依頼ということで、福島放送局・送受信技術の半澤が全力で調べてみました。
疑問をいただいた電波塔というのがこちら。

『安積ラジオ放送所』です。
NHK福島放送局からの信号を中継して、みなさんの元にラジオをお届けする施設です。

この塔が建設されたのは、いまから59年前の1965年。来年がラジオ放送開始100年ですのでそれほど古いわけではありませんが、実はこの塔は福島のラジオ放送に画期的な役割を果たしています。
さらに今回、古い資料をいろいろ調べてみたところ、郡山市にかつてあった「別の鉄塔」の存在が明らかになりました。

私たちは、調査のため安積ラジオ放送所に向かいました。

日本初とのうわさ・・・

疑問を寄せてくれたあんころもちさんです。
物心ついた頃からあったというこの放送所に、親しみを感じているそうです。

あんころもち
さん

「ここには小学校の遠足で来たのが初めて。その頃は住宅地ではなく 山を切り開いたばかりだった。そのときはこういう大きいのがないとラジオの放送はできないと思っていました」

さて、あんころもちさんの疑問は、この安積ラジオ放送所が日本で最初に建てられたラジオ電波塔というのは本当か?でした。
あんころもちさんは「日本初」という情報を、過去にインターネット上で目にしたといいます。
 

半澤

今回、私たちは現存している全国のラジオ鉄塔の建設年代を調べてみました。
「その結果が、安積ラジオ放送所の鉄塔は日本で初めて…では、なかった」ことが分かりました。
実は同じタイプのアンテナは、これよりも先に全国あちこちで建てられていました。
建設時の貴重な写真が残っていました。
工事は、建物の上に、長さおよそ5メートルの鉄柱を1本ずつ積み上げていく工法。21本もの鉄柱が使われました。

建設当時の様子 

半澤

福島の放送施設の歴史を調べる中で、今回の疑問を解くカギとなる、別のラジオ鉄塔の存在が明らかになりました。
きっかけは、あるNHKのOBから送られてきた古い資料でした。

あった!日本初のラジオ電波塔!

半澤

そこには「日本で最初に立った」の文字が。
実は、昭和15年に郡山市池ノ台に建設されたNHKのラジオアンテナが、てっぺんに輪が付いたタイプの鉄塔としては、日本初だったことが分かりました。
この鉄塔、今はもうありませんが、郡山市に確かに「日本初」のアンテナが存在していたのです。

一連の調査結果をお伝えしたあんころもちさん。数十年来のラジオのファンだといい、

あんころもち さん

「これからも地域のシンボルであり続けてほしい」
「安積ラジオ放送所は、県内にある全部のアンテナの一番の先輩だと思う。これからも通信とラジオ放送の見守り役として頑張ってほしい」

と、応援の言葉をいただきました。
あんころもちさん、ありがとうございました。


今回の結論です。
『安積ラジオ放送所は日本初のラジオ電波塔ではないが、郡山市にはかつて“日本初”の電波塔が存在した。』

半澤

今回、ラジオ放送所の歴史をひもといてみて、鉄塔の進化によって私たちが手にしている小さなラジオでも、放送が聞けるようになったことを感慨深く思いました。なにより、ラジオが大好きというあんころもちさんの鉄塔への愛着が、放送に携わる者の1人としてとてもうれしく感じました。


番組では、皆さんからの疑問質問を募集しています。以下のURLからどうぞ!
しらべてmeet!投稿フォーム 

  • 半澤 隆顕

    NHK福島放送局

    半澤 隆顕

    放送所のメンテナンスを担当
    福島県内の山中に出没することが多い

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