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【福島・会津若松】130年の伝統「白虎隊剣舞」

ココに福ありfMAP 会津高校剣舞委員会
  • 2023年06月30日

会津若松市にある会津高校の剣舞委員会。その歴史は 130年以上!江戸末期の戊辰戦争で、若くして命を絶った白虎隊士を慰霊する白虎隊剣舞を継承。 春と秋に白虎隊士の墓前に剣舞を奉納してきました。この春4年ぶり、3年生にとっては最初で最後の一般公開での剣舞奉納に臨みます。

4年ぶり一般公開・春の剣舞奉納

委員会をまとめていたのが、委員長の星景太さん。 委員長は代々、先輩から指名を受け就任します。3年間続けてきた委員会。この春には特別な思いがありました。

星さん

「コロナがあって、1年・2年生の時に公の前で剣舞ができなかった。3年間、真剣に練習した成果を 誰にも見せることができず、心苦しかった。」

コロナ禍以前は一般に公開していた白虎隊剣舞。 この4年間、白虎隊士の墓前での剣舞奉納は非公開に。星さんたち3年生は複雑な思いを抱えながら練習していました。 感染状況が落ち着きをみせたこの春、ついに墓前で一般公開。 新入生を加えた新体制発足から本番まで2週間たらず。 3年生にとっては最初で最後の春の一般公開。急ピッチで練習が始まりました。

委員会室から刀や袴を持って練習へ
後輩の指導に熱が入る星さん

熱心に後輩を指導する星さん。後輩たちにはこんな思いを抱いていました。

星さん

「袴や刀かっこいいなっていう気持ちで入る1年生もいるんですけど、導入はそれでもいい。でも自分と同じ年頃の白虎隊がどんな最期を遂げたか、剣舞委員会の歴史を知るにつれ、自分が白虎隊の代わりを務めている、伝統を継ぐ存在だという気持ちと誇りを持って舞ってほしい。」

歴史の重みを感じ、全体練習後も先輩と居残り練習に励む1年生の姿もありました。こうして伝統は代々引き継がれていきます。

白虎隊剣舞とは?

白虎隊剣舞は、白虎隊の最後を描写した詩に沿って舞う。 生徒は代々伝わる解説書などから詩の意味を理解します。詩の吟じ手は1人。舞手は18人。 飯盛山から炎上した鶴ヶ城をみたとされる隊士19人を表しています。 吟と舞のタイミングをそろえ、白虎隊士の動きと心情を表現します。

歴代の先輩も指導に訪れます。60年前の卒業生・畑俊介さん。舞の1つ1つの意味、そこに込められた白虎隊士の心情を理解し、想像し、なりきることで、白虎隊士への慰霊の気持ちを強くしていくことが大切だと教えます。

本番3日前。袴に着替えて、身も心も本番さながら!重い刀を抜くタイミングなど、きめ細かい動きを入念に確認。決して見世物ではなく、白虎隊士を慰霊する大切な伝統。 「歴史を継ぐ立場になりたい」 、「会津高校の生徒しかできない剣舞で先人を慰霊したい」。 伝統を継ぐ誇りを抱きながら、生徒たちは心1つにしていきます。

いよいよ本番!

本番直前、鶴ヶ城が見える場所から全員で詩を吟じます。日頃の練習前も、白虎隊士のお墓がある方角に向かって礼をした後に詩を吟じ、白虎隊へ敬意を払っています。

 会場の飯盛山にある白虎隊霊場には大勢の人。 4年ぶりの剣舞奉納を待ちわびていました。同じ年頃で命を絶った白虎隊士に思いをはせ、心を1つに剣舞を奉納します。

星さん

「どの代よりも素晴らしい舞ができるようにっていう心構えでのぞみました。」

およそ10分間の白虎隊剣舞。 生徒たちにおしみない拍手が送られました。

星さん

「友達にも言われるんです、剣舞委員会かっこいいねって。 でも見た目じゃなくて、気持ちっていう部分でも白虎隊になる。 高校生と同じ年頃の白虎隊がしっかり会津のために戦ったっていうのは幼いころから聞いていて、その人たちになれたっていう誇りと気持ちでしっかり舞えたのでよかった。」

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