コロナ禍も、人生の荒波も乗り越えて、永遠に君をいとしいと――
【NHK FM】
2021年4月17日 午後10時~午後10時50分(全1回)
聴き逃しサービス ※配信期間は放送から1週間
演出の小見山です。三田佳子さんとのお付き合いは、昭和までさかのぼります。
昭和61年の大河ドラマ「いのち」で、演出として初めてお手合わせをしていただきました。大河ドラマで現代を描くのは、当時としては大冒険でした。地域医療を志す女医の半生を描いた「いのち」、その主人公・高原未希を演じた三田さんにとっても大きなプレッシャーだったと思います。でも、見事にその役を演じきった。私は一スタッフではありましたが、その姿に感銘いたしました。それから35年。再び演出として三田さんと対峙できることを誇りに思います。
竹山洋さんの書下ろしを、小見山佳典さんが演出するラジオドラマは久し振りです。
前回は2018年のFMシアター「友はいずこに」。
出演者は私一人。全編何役もひとり芝居で演じるという冒険でした。
今回の「レオナルド・ダ・ヴィンチの恋人」は、贅沢なほどの出演者の数でしたが、なんと想定外の歌唱場面が!
竹山・小見山コンビの要求は、常に厳しいのです(笑)。
同い年の石橋蓮司さんとは、2010年の映画「人間失格」以来の共演です。二人とも長い役者人生で、初めて夫婦の役でガップリ組んだお芝居ができた事が嬉しかったです。
子供もなく、結婚して40年の夫婦の心のゆらぎや微妙な愛情交換がとても面白く、シリアスなやり取りが妙にコミカルであったり。そして、それがまた実にリアルであったり。
ベテラン揃いのスタッフに支えられての収録は1日がかりでしたが、時を忘れてのめり込みました。
(主演・三田佳子さん)
そして、最後のシーンにOKが出た時は、石橋さんと声を揃えて「楽しかった!!」。
ラジオドラマならではの奥深さときめ細かさを感じていただければ嬉しいですね。
【出演者】
三田佳子 石橋蓮司 今井悠貴 塩田朋子 冠野智美 石住昭彦 ひがし由貴
神農直隆 小飯塚貴世江 高畑こと美 田中奈緒子 木村美穂
【作】 竹山洋
【音楽】 小六禮次郎
【あらすじ】
もうすぐ70歳を迎える夫婦。人生の第4コーナーを回って、ゴールはもうそこと思っていたが、意外と先は長い。コロナは世の中を変え、人々に生き方を変えろと迫る。でも、どう変えるべきかは教えてくれない。
67歳の頼子(三田佳子)と夫の秀治(石橋蓮司)は結婚して40年になる。秀治は作家だが、小説はここ数年書いていない。コロナ禍で毎日家にいる。頼子は、仕事もなく、金もなく、誇りもない、そんな夫を見ていると、大声で呻き声をあげたくなる。頼子は、この憂鬱な日々から逃れたいと思った。
ベランダのレオナルド・ダ・ヴィンチというバラは、天才ダ・ヴィンチにあやかって、素晴らしい作品が書けるようにと秀治が買ってきた。バラを選定する夫を見て、頼子は離婚すると宣言する。頼子は恋をした。小さなイタリアンの若きシェフ・中村(今井悠貴)だ。中村は、朴訥で礼儀正しかった。67歳の自分が24歳の青年に心ときめくなんて想像もしていなかった・・・。
投稿者:スタッフ | 投稿時間:08:39 | カテゴリ:オーディオドラマ