社会や政治に関する世論調査

自民大勝の背景と有権者の受け止め方

~「参院選後の政治意識・2013」調査から~

第23回参議院選挙では自民党が大勝し、非改選を含めて与党が過半数を確保した。この結果、衆参のねじれが3年ぶりに解消された。選挙の2か月後に実施した世論調査の結果から、自民大勝の背景などについて分析する。

▽安倍政権の経済政策について比例で自民党に投票した人の84%が『評価する』と答えるなど、自民党の勝利には経済対策への評価が大きく影響していた。▽今回初めて解禁されたインターネット選挙運動については、情報に触れなかったという人が半数以上いたうえ、触れた人の中でも投票でその情報を『参考にした』人は23%にとどまった。▽憲法の改正については「必要あり」が半数を超えているものの時系列では減少していて、96条と9条の改正についてはどちらも「必要あり」が3割弱にとどまっている。▽政党支持率は、自民党一党優位の状況にある。自民党以外の政党では『支持する』より『支持しない』が圧倒的に多い。▽自民党を『支持する』人は多いものの、その内訳は弱い支持がほとんどを占める。また、自民党で評価できる点については、時系列で「あてはまるものがない」が28%から32%に増えるなど、自民党への支持も安定しているわけではない。▽参院でも与党多数となり、一党優位がさらに顕著となったためか、政界再編について「望まない」が時系列で42%から33%へと大幅に減少し、政界再編への期待が増えてきている。

世論調査部  河野 啓 小林利行