生活時間調査

平日でも曜日で異なる生活時間と気分

1日の生活の中で行動と“気分”がどう関連しているのか、生活時間の分析で関心が持たれているテーマのひとつです。今回、曜日別(平日:月曜日~金曜日別)の生活時間および気分の差の有無に注目して、両者の関連性を検証する試みを行いました。生活時間の曜日別データは2005年NHK国民生活時間調査、曜日ごとの気分については2006年に実施した曜日意識に関する調査の結果をそれぞれ分析しました。

生活時間の曜日差ですが、ふだん仕事をしている有職者の場合、金曜日は交際やレジャーで帰宅が遅くなる人が多い一方、木曜日は仕事をする人が多い傾向があります。主婦も金曜日にレジャーに出かける人が多いなど、曜日ごとの行動のめりはりが若干ありますが、無職の場合は、有職者・主婦のような差がほとんどありません。また、起床在宅率を時間帯別にみると、有職者はアフター5である夜間に、主婦は家事で忙しくなる夕方より前の時間帯で、それぞれ曜日による差が大きくなる傾向があります。

一方、気分については、有職者の場合、月曜日は「身が引きしまるような気分」、金曜日は「束縛から解放されたような気分」といった人がそれぞれ多いですが、主婦はこのほか「ひとりで過ごしたい気分」の人が月曜日に多い、などの特徴が見られます。無職はどの曜日も「あてはまる気分はない」人が6割もいて、生活時間と同様、曜日差があまりないといえます。

つまり、気分の曜日差は、休日の人が多い土曜日・日曜日をはさんだ月曜日や金曜日に特に特徴がみられることから、平日と休日の位置関係にもとづいた週サイクルにより、ある程度規定されていると考察できます。そして、各曜日の気分にあわせる形で生活時間の曜日差が生み出される側面もある、といえるのかもしれません。

世論調査部(視聴者調査)
中野佐知子
諸藤  絵美