放送に関する世論調査

人々の情報観とメディアへの評価

~ネットワーク社会の中のテレビに関する世論調査から~

NHK放送文化研究所では3月に「ネットワーク社会の中のテレビに関する世論調査」を実施し、デジタル・メディアの利用状況、情報観や情報の探索・発信に対する意欲、生活の中でのメディアの評価などについて調べました。調査は全国の16歳以上3,600人に対して配付回収法で行い、有効回答数は 2,572人(有効率71.4%)でした。

「多くの情報の中から、信頼できるものや必要なものだけを、自分でより分けることができる」と考えている人は59%と半数を超えました。しかし、「不確かなものが混じっていても、情報が多いほうがよい」という人は19%だったのに対して、「量は少なくても、確かな情報であればよい」という人は 79%であり、確実な情報への欲求も根強いことがわかりました。

情報の探索に対する意欲は年齢が若いほど強く、情報探索意欲の強い人はインターネットをよく利用していました。情報発信の意欲は年齢によって大きな違いはないものの、インターネットを使った情報発信行動は「自分のホームページやブログを作る」がインターネット利用者(1,531人)の 12%など、多くはありませんでした。

生活のいろいろな場面で最も役に立っているメディア、あるいは最も適しているメディアを1つだけ選んでもらいました。その結果、「世の中の出来事や動きが分かる」や「人と共通の話題が得られる」では「テレビ(地上波)」という回答が最も多く、「気軽に楽しむ」、「感動する」といった娯楽面でも「テレビ(地上波)」が最多でした。一方、「ふだん表に出ない情報を知ることができる」や「趣味に関することを調べる」など、より詳しい情報を入手する場面では「インターネット」をあげる人が「テレビ(地上波)」を上回りました。

専任研究員 荒牧 央/研究員 平田明裕/研究員 石橋亜理