放送に関する世論調査

減少した “見る人” “学ぶ人”

~平成18年12月 「教育テレビに関する調査」から~

NHK放送文化研究所では,1994,1998,2002年に,教育テレビに関する調査を行ってきました。今回,2006年12月に同様の調査を行ったので,その結果を報告します。

NHK教育テレビを「ほとんど毎日のように見ている」人は9%,「ときどき見ている」は19%,「たまに見ることがある」は29%で,これらを合わせて「見ている」と答えた人は57%でした。反対に「全然見ていない」人は43%でした。前回2002年と比べると,「見ている」人は62%→57%に減少し,「全然見ていない」人が38%→43%に増加しています。

よく見られている番組は「趣味番組」がもっとも多く,次いで「生活実用番組」「幼児・子ども向け番組」が続きました。また,今後増やしてほしい番組についても,もっとも多かった回答は「趣味番組」となり,次いで「生活実用番組」と「健康番組」が並びました。

教育テレビでの学習経験について尋ねた結果では,これまでに教育テレビで勉強・学習したことが「ある」と答えた人は前回2002年(33%)より減少して26%,「ない」と答えた人は前回(65%)より増加して72%でした。

教育テレビに対する評価は,「かなり役に立った」が9%,「ある程度役に立った」が49%で,過去の調査と比べると漸減傾向にあるものの,合わせて58%の人が「役に立った」と答えています。具体的には,「子ども向けの質のよい番組を開発したこと」などが評価されています。

教育テレビの必要度については,「なくてはならない」が9%,「あったほうがよい」は63%で,“必要”と答えた人は合わせて7割でした。一方,「ないほうがよい」は1%,また「なくてもかまわない」は19%で前回2002年(16%)と比べると増加しています。

視聴頻度や必要度の低下など,今回の調査結果は,テレビで“学ぶ”ことに対する人々のニーズをさらに探っていく必要性を示していると言えそうです。

専任研究員 増田智子/研究員 宮本克美