放送に関する世論調査

世論調査からみた「冬ソナ現象」

~『冬のソナタ』に関する世論調査結果から~

韓国ドラマ『冬のソナタ』は、韓国ドラマブームの先がけとなり、社会現象と言われるまでになりました。商品購入、投書、ネットへの書き込みのような積極的な行動はとらない静かな「冬ソナ」視聴者にも目を向け、世論調査によって社会現象の実態を明らかにするため、総合テレビでの放送終了直後の9月に世論調査を行いました。

このドラマが日本でも放送されていたことを知っていた人は国民の90%、実際にこのドラマを見ていた人は38%でした。認知のきっかけになった情報、見聞きしたことのある情報では、NHKの番組宣伝、民放テレビ、知人・友人の話、NHKの番組が多いという結果でした。このほか、週刊誌、新聞、家族の話も多いのですが、これらに比べるとインターネットは少なくなっています。

この番組を見たことのある人に番組の魅力を尋ねたところ、ストーリー、音楽、俳優が上位にあがりました。番組に関連してとった行動で最も多いのは「家族や友人に話をした」でした。「冬ソナ」視聴をきっかけに行った韓国文化の接触では、ドラマや映画が多くあがっています。このほか、「冬のソナタを見て」と限定して意識面への影響を尋ねたところ、「韓国のイメージが変わった」「韓国への興味が増した」「韓国文化に対する評価が変わった」など、韓国関連の項目が上位にあがりました。このドラマを見た人も見ない人も含めて「冬ソナ現象」についての反応を尋ねたところ、最も多かったのは、「きっかけはともかく、韓国に対する関心が高まるのはよいことだ」というものでした。

このドラマがこれほどまでに人々の間に広まった一番の要因は、民放も含めたテレビや活字媒体が発信した関連情報に多くの人々が接したこと、そこから得た情報を人々がさらに友人や知人に伝えたこと、と考えられます。また、このドラマの最も大きな成果は、韓国ドラマ、韓国文化、ひいては韓国に対する人々の関心の高めたことといえるでしょう。

世論調査 三矢惠子