最近気になる放送用語

「愛煙家?」

「愛煙家」という表現は、問題があるという指摘を受けましたが。

問題がある場合と、そうでない場合とがあります。

解説

漢字から見たこのことばの意味は、「たばこが好きな人 」ということになります。

しかし、たばこを吸っている人のなかには、たばこが好きなわけではなくて、やめたくてもやめられずにしかたなく吸っている人もいるのだ、という意見が一部にあります。

この考えからすると、たばこを吸う人(=喫煙者)全員を「愛煙家」とひとくくりに呼ぶことは、ふさわしくありません。

ただし、「しかたなく吸っている人」がいるのと同時に「好きで吸っている人」もいることも事実でしょう。ですから、ある特定の個人が本当に「たばこ好き」であれば、その人を「愛煙家」と呼ぶことは問題ないはずです。

つまり、たばこを吸う人のなかには「愛煙家」と「そうでない人」とがいる、ということになります。

最近では、「卒煙」ということばも出てくるなど、たばこをめぐる認識が過去とは変わりつつあります。表現にも気を配る必要があるでしょう。

(メディア研究部・放送用語 塩田雄大)