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放送現場の疑問・視聴者の疑問

「ひょう」と「あられ」の違いは?

先月末に千葉や東京で「ひょう」が降ったそうですが、「ひょう」と「あられ」は、どう違うのでしょうか。

「ひょう」も「あられ」も、空から降ってくる氷の粒で成因は同じですが、気象観測では直径が5ミリ以上のものを「ひょう」、5ミリ未満のものを「あられ」と言います。

解説

「ひょう」は、初夏のころ(5~6月)に雷雨を伴って降ることが多く、発生のメカニズム(仕組み)について『NHK気象・災害ハンドブック』は次のように説明しています。<積乱雲の上部で小さな氷の結晶(氷晶)が雪に成長し、これに、0℃以下になっても水の粒のままの過冷却した小さな水滴が付いて氷あられ(小粒のひょう)になる。そのあられが過冷却水滴の集まっているところに落下する。このとき、強い上昇気流のために落下できないでいると、次々と過冷却水滴が衝突してあられが大きくなる。これを繰り返すうちに氷あられは大きな塊になり地上に落ちる。> このように、初期の段階では小さかった氷の粒が積乱雲の激しい上昇気流の中で何度も上昇(上がったり)と下降(下がったり)を繰り返すうちに直径が5ミリ以上の大きさに成長し、ついには、その重さ(重力)で地上に落ちてきます。特に発達した積乱雲の中は上昇気流が強く、氷の粒の上昇・下降が長時間にわたり繰り返されるため氷の層が幾重にも重なっていって粒が大きく膨れ上がります。「ひょう」は時には直径5センチ以上になるものもあり、農作物や家畜などに大きな被害を与えます。 「あられ」は「ひょう」と大きさが違うだけで―「あられ」は直径5ミリ未満、「ひょう」は直径5ミリ以上―その成因は同じです。気象学では「氷あられ」と「雪あられ」に区別されます。このうち、「氷あられ」は、一般には透明で気温が0℃以上の初冬に降りますが、夏でも降るときがあります。また、「雪あられ」は、一般には白色で気温が0℃以下のときに雪と一緒に降ることが多く、「氷あられ」に比べて粒はもろく、地面に落ちると、はね返って割れることがあります。

主に「ひょう」は初夏「あられ」は初冬に降り、俳句では「ひょう」は夏「あられ」は冬の季語です。

「雹」(ひょう)と「霰」(あられ)」は、いずれも表外字(常用漢字表にない字)なので、放送での表記は「ひょう」「あられ」です。

(『NHK気象・災害ハンドブック』p.51~52、p.95『NHK新用字用語辞典 第3版』p.15、p.476参照)

「いかめしき音や霰の檜笠」(芭蕉) 「鉄鉢に霰」(種田山頭火)

「雹晴れて豁然(かつぜん)とある山河かな」(村上鬼城)

(メディア研究部・放送用語 豊島 秀雄)