「越える・越す」?「超える・超す」?
1999.12.01
NHKスペシャル『世紀を越えて』をいつもみていますが、「こえる・こす」の表記について「越」か「超」か迷うことがよくあります。どのように使い分けているのでしょうか。
「越」は「場所・時間などを過ぎて向こうへ行く」、「超」は「ある一定の数量・限度などを上回る」意味を持つことばとして使い分けています。
解説
「越」と「超」は、かなりの部分が意味の重なり合ったことばで、放送現場でも表記を迷うことが多いようです。
それぞれの意味と用例を示しますと・・・
「越える・越す」
(意味)
- 場所・時間・点などを過ぎて向こうへ行く。移る。
(用例)
- 国境を越える(越境) 頭上を越す 峠を越える(越す)
- 年を越す(越年) 冬を越す 権限を越える(越権)
- 飛び越す 乗り越える 引っ越す 見越す 持ち越す
- ラインを越える ハードル(バー)を越える
- 60の坂を越える(越す)
「超える・超す」
(意味)
- ある一定の数量・基準・限度などを上回る。超越する。
- 抜きんでる。
(用例)
- 11万円を超える額 基準を超える 子どもが親を超える
- 人口が100万を超える 気温が30度を超える 制限重量を超す
- 半数を超える 定員を超える 予想を超える
- 党派を超える(超党派) 人間の能力を超える(超能力)
(新用字用語辞典P163ほか参照)