01.“米食い虫”“殺せ”浴びせられた罵声

「自分も兵隊になりたい」。しかし、障害者の多くは徴兵検査で不合格となった。戦争の役に立たたないのに貴重な食料だけが必要な“米食い虫”と非難された。「有事に邪魔になる」と命を奪われかけた人もいる。人間の尊厳が奪われていた。

  • 1.「目も見えないのになれるもんか」

    「目も見えないのになれるもんか」

    山田親幸さん(視覚障害)

    沖縄 西原町

    海軍大将になりたいという夢を語った山田親幸さんは、同級生から激しいいじめを受けた。
    障害があることで、一人前とは認められなかった悔しさと惨めさが心に残っている。

  • 2.“国家の米食い虫”と言われて

    “国家の米食い虫”と言われて

    山田親夫さん(右半身にまひ) 親幸さん(視覚障害)兄弟

    沖縄 那覇

    山田親幸さんの9歳上の兄で、右半身にまひがある親夫さんは、徴兵検査で不合格になった。
    国家の米食い虫―――周囲からこう言われ、自尊心は大きく傷ついた。

  • 3.「殺せ!」母に命じた日本兵

    「殺せ!」母に命じた日本兵

    木村浩子さん(脳性小児まひ)

    沖縄 伊江村

    山口県で暮らしていた木村浩子さんは、7歳のとき、日本兵に殺されかけた。
    左足以外、体をほとんど動かすことができなかった木村さん。
    終戦のおよそ3か月前、母親の前に青酸カリを持った兵士が現れた。