No.068
2015.08.07
ドラマ
美しすぎる剣士・田村正和さん『鳴門秘帖』続々発掘!
「阿波と淡路のはざまの海は、ここぞ名に負う鳴門の汐路」
鳴門の渦潮をバックに始まる時代劇『鳴門秘帖』。
吉川英治の原作を現代的なタッチで脚色した娯楽時代劇で、1977年から78年にかけて放送されました。
主人公はこの方!
“美しい!”という言葉がピッタリの田村正和さん、当時30代半ばです。演じるのは美剣士・法月弦之丞(のりづき げんのじょう)。幕府転覆の陰謀を探るために阿波に潜入、その巧みな剣さばきで様々なピンチを切り抜けます。
虚無僧姿で奏でる尺八がトレードマーク
弦之丞と相思相愛の千絵:原田美枝子さん(右)
片思いの女スリ師・見返りお綱:三林京子さん(左)
徳島・阿波や江戸を舞台に、森本レオさんや高松英郎さん、角野卓造さんなど多彩な顔ぶれがドラマを魅力的にしています!
この『鳴門秘帖』、「番組発掘プロジェクト」が始まった当初は、全44回中、第1回と最終回が残るのみでした。しかし、この2年ほどで続々と発掘!現在アーカイブスに登録されているのは、1、12、13、14、21、28、36、39、40、41、42、43、44の計13回分!発掘によって全体の3割近くがアーカイブスに保存されることになりました!
ドラマ自体の面白さはもちろん、この作品ならではのユニークさが、ドラマの前と後に登場するこの方!
落語家の古今亭志ん朝さんです。“語り”とともに、自ら登場してドラマの始まりとエンディングを盛り上げます!
特に1977年8月12日放送の第14回では大胆な演出が…!
まず志ん朝さんが、子どもたちとともに花火を持って浴衣姿で登場。
「みなさん、綺麗ですねぇ。夏の花火というのは涼味があってイイもんですね。冬じゃいけません、夏のものです。それから夏のものといえば“盆踊り”!わたし好きなんです。皆さんも踊りましたか?」
「あっ!そう、盆踊りといえば、徳島の阿波踊り!今日から始まってるんですよ。どんな具合か現地から中継してもらいましょう。徳島さ~ん!」
えー!ドラマは??とビックリ!すると…
ホントに生中継!「はーい、こちら徳島です。」と、女性の声。そして…
「こんばんは、田村です。(田村正和さんの口調をイメージして下さい!)」
「三林京子です。今日は恋しい弦之丞さまと阿波踊りを見に来ています。…あら、虚無僧よ!」
「あ、ほんとだ…」
「楽しそう、私も踊ってみようかしら!田村さんどうですか?」
「俺はいいから、踊ってらっしゃいよ」
1分ほどの中継で、最後に「鳴門秘帖、第14回これより本番!」と、三林京子さんの掛け声でドラマが始まります。
タイトルは「今宵月夜の阿波おどり」、ドラマの中でも、もちろんこの日は阿波踊り!
さらにドラマの後、美しい剣士・法月弦之丞が再び現代に…
「あの踊り面白いよ。(再び、田村正和さんの口調をイメージして下さい!)」
ドラマも中継もカッコイイです!
そして三林京子さんは…
踊りはじめます!
最後は…
遊び心たっぷりです!
それにしても、ドラマ部分は既に収録されて時間が決まっていますから、生中継は時間厳守!ほんの数分間のことですが、阿波踊りのライブ感や、ドラマと生中継のギャップなどワクワクドキドキの演出です。
この『鳴門秘帖』をはじめ、1970年代のドラマはチャレンジ精神旺盛です!
“美しすぎる剣士”と“面白すぎる演出”。
皆さんにも楽しんでいただけるよう、番組公開ライブラリーでご覧いただく準備を進めていきたいと思います。乞うご期待!