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王座奪還 目指す“青森山田高校サッカー部”強さの秘密は?

  • 2023年12月27日

12月28日から「全国高校サッカー選手権大会」が開幕します。この大会に青森県代表として出場するのが、青森山田高校サッカー部。ことしはすでに、高校サッカーの三大タイトルのひとつ、「高円宮杯プレミアリーグ」で優勝していて、「全国高校サッカー選手権大会」で2年ぶりの王座奪還を果たし、高校サッカー2冠を目指します。躍進著しい、青森山田高校サッカー部の強さの秘密を取材しました。

常勝軍団引き継いだ正木監督

“緑の絶対王者”として日本高校サッカー界をけん引する青森山田高校サッカー部。部員は205人で6つのチームに分かれて練習を行います。これまで、柴崎岳選手や松木玖生選手など、日本代表選手を多く輩出してきました。

このチームを去年10月から率いているのが、これまで19年にわたってコーチを務めてきた正木昌宣監督です。

就任1年で、J2の町田ゼルビアをJ1昇格に導いた名将・黒田剛監督から常勝軍団、青森山田高校サッカー部を託されました。

「コーチをやっていたときも、負けたら『自分のトレーニングがうまくいってなかった、自分の責任だ』くらいのプレッシャーをかけながらやっていたので、監督になってからは 『もっと頑張らないと』という気持ちでした」

スローガンは “百戦百打 一瞬の心”

青森山田のスローガンは、“百戦百打 一瞬の心”。選手たちは、基礎練習から一瞬一瞬のプレーに心を込めて、本番を想定して取り組みます。

「1本中の1本!どれだけチャンスがあろうが、シュートを打とうが、パスを出そうが、その1本に集中してやろうよと選手たちに言っています。本当に高い意識や向上心を持って練習に励んでくれていると思いますし、そこで生まれる競争が本当に今の良い結果につながっています」

そして、もう一つの特徴。それは雪国ならではの “雪中サッカー”。
走りにくい雪のグラウンドで練習を行い、“フィジカル”の強化を図ります。

「やはり雪国なので、ボールが蹴れない時期がありますので、その時期に1年間戦う体作りということで、冬の期間“フィジカルの強化”はかなりやっています。そういったところで “走る力”というところも、今のところ他よりも結果が出ているんじゃないかという気がします」

「選手層の厚さ」と「高い攻撃能力」

ことしのチームの特徴は、「選手層の厚さ」と「高い攻撃能力」です。

「今年は本当にそういった意味でいうと “意識の高さ・スキルの高さ”は良い選手が多いという印象があります。攻撃が好きな人は多いと思いますし、シュート数は今年もだいぶ増えていると思いますけど、ゴール前のシチュエーションは多くなっていると感じています」

その持ち味の攻撃力が発揮されたのが、11月に行われた、全国高校サッカー選手権の県大会決勝です。

先制点は、青森市出身でキャプテンの山本虎選手。さらに際立った活躍をしたのが、こちらも青森市出身のフォワード、米谷壮史選手です。米谷選手は、この試合前半だけで、ハットトリックを達成。攻撃の要は、青森県出身選手です。その後も青森山田はゴールを重ね、9対0で勝利しました。

「今年のチームは、“攻撃”が武器でもあるので、そういった部分をもっとクオリティーを上げて全国ではもっと相手を圧倒して、全国優勝できるように頑張りたい」

さらに、12月に行われた「高円宮杯プレミアリーグ」で、4年ぶり3度目の優勝を果たしました。

12月28日から始まる「全国高校サッカー選手権大会」。2年ぶりの王座奪還、そして、高校サッカー2冠を目指します。

「指導している私が言うのもあれですけど、本当に選手権が楽しみで仕方ないという思いをさせてくれるチームなので、やっぱり一番頂点に立って、もう一度みんなで優勝を分かち合える状況になりたいと思っていますので、全国優勝をしっかり目標にやりたいと思います」。

取材後記
部員数が205人の青森山田高校サッカー部。取材をした日は、12月中旬で雪が降っていました。そんな中でも、選手たちは自ら積極的に声を掛け合い、励まし合って練習をしていたのが印象的でした。12月28日に開幕する全国高校サッカー選手権大会で青森山田高校サッカー部は31日の初戦で福岡の飯塚高校と対戦します。会場へは行けませんが、仕事のため八戸から応援しようと思います。また、青森山田高校サッカー部だけでなく、高校生たちの熱い戦いを見させてもらおうと思います。

  • 角田彩子

    記者

    角田彩子

    北九州放送局・青森放送局を経て2023年8月より八戸支局勤務。 支局赴任後もスポーツを担当しています。小学校から高校まで9年間バスケットボール部。 スポーツをすることはもちろんのこと、スポーツ観戦も趣味です。 

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