すくすくアイデア大賞2019、子どものイヤイヤをなくすアイデア4作品を紹介します。
すくすくアイデア大賞にもどる


おもちゃの取り合いがなくなるアイデア 
ボクこっちで遊ぼう

神奈川県 久保田さん より

久保田家は、お兄ちゃん(7歳)と妹の2人きょうだい。妹は、自己主張がはっきりした性格。お兄ちゃんがおもちゃで遊んでいると「私が遊ぶ!」と言い出しておもちゃの取り合いになります。
いつも妹に譲ることになるので、ケンカをせずにおもちゃを取り返せないかと思っていたお兄ちゃん。そこで考えたのが、このアイデアです。

お兄ちゃんが積み木で遊んでいると、いつものように妹と取り合いに。

そこで、お兄ちゃんは「ボク、こっちで遊ぼう」と言いながら、違うおもちゃで遊びはじめます。
すると、妹はそのおもちゃが気になって「私もそれで遊ぶ!」と言ってきます。

妹が興味を示したら、おもちゃを譲ってあげます。
これがアイデアのポイント。いったん違うおもちゃで遊ぶことで、元のおもちゃから気持ちをそらす作戦なんです。

お兄ちゃんは、ケンカをせずに積み木を取り返せました。

妹がなかなか興味を持ってくれないときは、パパと一緒に遊んでもらいます。パパとお兄ちゃんが遊んでいると、妹も気になるようです。

審査員のコメント

ケンカにならないように考えた作戦で、すてきなアイデアですね。この考え方が身につけば、きょうだいだけでなく、お友だち同士でも、平和的に解決できる力につながるのではないでしょうか。
(小林よしひささん)


歯みがきが楽しくできるアイデア 
戦え!歯みがき戦隊ミガクンジャー

北海道 はまなす幼稚園 宮崎さん より

宮崎さんは、幼稚園の保健室で子どもたちの健康管理や健康に関する指導を行っている養護教諭です。子どもが楽しく歯みがきができるようにと、「歯みがき戦隊!ミガクンジャー!」を考えました。

「ミガクンジャー」は、5人組のヒーロー。歯を侵略してくる「ミュータンス」と戦って、お口の平和を守っているという設定です。

ミュータンスと戦うときに、「ハイパーたてみがき」「ハイパーぶくぶくうがい」といった必殺技を使います。それぞれの必殺技は、歯をみがくためのコツになっています。ヒーローの必殺技なら、子どもたちが興味を持ってくれるのではないかと考えたんです。

宮崎さんは、年に2回、ミガクンジャーと一緒に歯みがき講習を行っています。ミガクンジャーとミュータンスとの戦いを通して、子どもたちに必殺技を教えます。

子どもたちは、必殺技を覚える感覚で歯のみがき方を進んで練習してくれます。
最初、歯みがきを嫌がっていた子どもたちも、楽しんでできるようになりますよ。

審査員のコメント

子どもたちはヒーローが好きですが、ヒーローを入口にするだけで、歯みがきにも興味を持ってくれるようになるんですね。驚きました。
(くわばたりえさん)

子どもたちの「ヒーローをまねしたい」という感覚は、心理学でモデリングと呼ばれています。ヒーローが手本となって、その行動を子どもたちがまねして学んでいく。ここまで見事なモデリングは、私もあまり見たことがありません。すごいことだと思います。
(大日向雅美さん)


「子どもの食べない!」を楽しい食事にするアイデア 
ごはんがすすむ物語

岡山県 尾﨑さん より

ママは、子どもたちの食事がなかなか進まないことに悩んでいました。そこで、パパがなんとかしようと考えたのが「ごはんがすすむ物語」です。

子どもの食事が進まないとき、パパは子どもにこんな話を持ちかけます。
「ごはんがすすむ物語をやろうか? ごはんが怪獣で、君が怪獣をたおすヒーローという物語だ!」
ごはんやおかずを怪獣、子どもがヒーローという設定なんです。

パパは、子どもの食事を物語に見立てながら、さながら実況のように語ります。
すると、子どもはごっこ遊びをするように、もりもり食べて(怪獣をたおして)くれます。

子どもによって物語の内容はさまざまです。「おなかの中でパーティーをしている」という設定で、食べ物たちが「パーティーに参加したいから食べて!」という物語もあります。

パパは、その場で、子どもの興味に合わせて物語を組み立てているといいます。ふだんから子どもたちと一緒にごっこ遊びをしたり、子どもの話をよく聞くようにしていることが、物語のヒントになっているようです。

審査員のコメント

いつも一緒に遊んで、子どもたちのことをよく知ることで、このアイデアが実践できるんですね。そんな姿もすてきだと思いました。食事だけでなく、子どもと遊ぶときの関わり方も勉強できるアイデアですね。
(小林よしひささん)

パパは、子どもが好きなものや、子どものファンタジーの世界に理解があります。だからこそ考えることができたアイデアだと思いました。
(榊󠄀原洋一さん)


楽しんでトイレ行けるアイデア 
お姉ちゃんのお楽しみトイレ

島根県 福島さん より

福島ファミリーの長女(6歳)は、家族みんなのお世話をするのが大好きです。そんなお姉ちゃんが気になっているのは、弟のウンチです。なかなかトイレでウンチができず、ママが困っていました。
そこで考えたのが「お姉ちゃんのお楽しみトイレ」です。

まず、弟が少しでもウンチのそぶりを見せたら、「はい、行くよ!」と手を引いてトイレに連れて行きます。トイレに入ったら「がんばれ!がんばれ!」と精一杯、応援します。

無事にウンチが出たら、一緒に喜びをわかちあいます。

続いて、お姉ちゃんお手製の金メダルを授与。

そして、ご褒美のくじ引きです。くじ引きの賞品は、「おとうさんの たかい たかい」など、弟が大好きな遊びができるチケットです。
このように、トイレでウンチをすることを、全力で応援して、褒めて、盛り上げていきます。
ママは「お姉ちゃんのおかげでウンチが楽しいイベントになった」と感謝しているそうです。

審査員のコメント

お姉ちゃんが一生懸命に弟を見てくれるのは、家族の影響かもしれませんね。自分が、両親や祖父母にやってもらったことを、今度は弟にしてあげている。こういった経験があったから、今回のようなアイデアが生まれたのではないかと感じました。
(くわばたりえさん)

ウンチでとても悩んでいるママはたくさんいます。お姉ちゃんのように一緒になってがんばってくれると、ママは子育てで孤独にならず、考え過ぎて疲れてしまうこともありませんね。とてもよいことだと思います。
(大日向雅美さん)

※記事の内容や専門家の肩書などは放送当時のものです