1. NHK
  2. 首都圏ナビ
  3. もっとニュース
  4. コロナ変異ウイルスJN.1とは 日本 アメリカで急増 感染者数への影響は

コロナ変異ウイルスJN.1とは 日本 アメリカで急増 感染者数への影響は

  • 2024年1月4日

新型コロナウイルスの「JN.1」(ジェイエヌ・ワン)はオミクロン株の一種で、おととし2022年に日本でも広がっていた「BA.2」系統のウイルスがさらに変異したものです。世界的に拡大し、日本でも広がりを見せています。JN.1についてわかっていることをまとめました。

アメリカ JN.1 に感染が44% 12月23日までの2週間

新型コロナウイルスのBA.2系統のウイルスがさらに変異したJN.1について、アメリカCDC=疾病対策センターは、12月23日までの2週間に、新型コロナウイルスに新たに感染した人のうち、およそ44%がJN.1に感染しているとする推定を発表しました。
前の2週間と比べると20ポイントほどの増加で、検出される割合が急増しています。

国内 コロナ新規感染者の31%まで急増

日本国内でも11月頃から増加し、国立感染症研究所によりますと、JN.1が検出される割合は12月3日までの1週間で11.6%でしたが、*今週の時点では31%に急増していると推定されています。(*12月28日時点)

JN.1 “VOI=注目すべき変異ウイルス”

WHO=世界保健機関によりますと、JN.1はアメリカだけでなく、フランスやシンガポール、イギリス、スウェーデンなどでも検出が相次いでいて、12月16日時点で、41か国からこの変異ウイルスが報告されているということです。

世界各地でこの変異ウイルスが検出される割合が急増していることから、WHO=世界保健機関は、1218日に「VOI(ブイ・オー・アイ)=注目すべき変異ウイルス」に指定しました。

“免疫を逃避する能力が高まっている可能性”

新たな変異ウイルスの特徴について、WHOは免疫を逃避する能力が高まっている可能性があるとしている一方、入院や重症化のリスクが高くなっているという報告はないとしています。
ただ、WHOは「本格的な冬を迎える中、感染の増加を引き起こすことが予想される」という見方を示しています。

“国内でも今後、感染者が増加することを想定すべき”

海外の感染状況に詳しい東京医科大学の濱田篤郎特任教授によりますと、JN.1が増加しているアメリカやヨーロッパでは感染者数も急増している国もあるということです。

○海外の感染状況
呼吸器の感染症が流行しやすい冬に入ったことやクリスマスの休暇で人の移動が多かったことだけでなく、JN.1が増えていることが影響している可能性がある。一方、季節性があまり影響しないシンガポールでもJN.1の増加にともない感染者も増えているので、より多くの国や地域に拡大することを懸念している。

○国内での影響は
新型コロナが『5類』になって初めての年末年始で人の移動も多くなるとみられ、国内でも今後、感染者が増加することを想定すべきだ。混雑した場所ではマスクをしっかりすることや、換気を十分に行うこと、体調が悪い場合は自宅で療養するといった対策を取って、年末年始を過ごしてほしい。

新型コロナ患者数 緩やかな増加が続く

厚生労働省によりますと、新型コロナウイルスの全国の感染状況は、12月24日までの1週間では1つの医療機関あたりの平均の患者数が4.57人で、前の週の1.1倍となっています。前の週から増加が続くのは5週連続となります。

都道府県別では多い順に、北海道が10.69人、山梨県が9.73人、長野県が8.55人、愛知県が7.06人、大分県が6.43人などとなっていて、33の都道府県で前の週より増加しています。

東邦大学 舘田一博教授
「新型コロナウイルスの患者に増加傾向が見られ、1月から2月にかけて、再度、増加するのではないかと懸念されている。新型コロナの再増加とインフルエンザのピークが重なる可能性もあり、これからの数週間、どのように推移するのか、注意する必要がある」

ページトップに戻る